第43話ランガの森ダンジョン編㉔
「おしっ。これでラストだ!」
ベックが植物性モンスター最後の1匹に剣を突き刺す。モンスターは奇声を上げ、やがて動かなくなった。
「はぁはぁはぁ……」
「終わったのね……」
マリアとベネディクタが苦しそうに呼吸しながら辺りを見回す。
2人の巨乳はモンスターの放出した体液で真っ白に汚れている。
「お疲れさん。マリアとベネディさんのおかげで助かった」
ベックが2人の背中ににタオルをかける。
「ベックもお疲れ。ナイス連携だったわ」
「おかげでモンスターを一掃できたわ」
マリアとベネディクタが疲れた表情を見せながらも、笑顔で答える。
「中隊長、すみませんっ。自分たちがふがいないせいで……」
ベネディクタの部下たちが地面に額をこすりつけて謝罪する。
「頭を上げて。あなたたちのせいじゃない。あなたたちも、意図を察して弱ったモンスターを討伐してくれたじゃない。しっかり役目を果たしてくれた。感謝するわ」
「中隊長、もったいないお言葉恐れ入ります」
ベネディクタの部下たちが涙を流す。
「ヘルトリング中隊長、大丈夫か?」
後方から1人の騎士が走って来た。
「ええ、無事です。オルトリンガム中隊長は?」
「なんとかうちの部隊も凌ぎきった。援護できなくてすまねぇ」
「いえ、とんでもありません」
ベネディクタが胸の前で両手を振る。
「こんな状況でなんだが、俺はオリバー・オルトリンガム。冒険者のお二人さん、よろしくな」
オリバーがベックとマリアに笑顔で自己紹介する。
マリアとベックもそれぞれ名前を名乗り、現状を説明する。
「俺からも報告がある。ミラーの野郎、俺たちを囮にして先に進みやがった」
「なんですってぇぇぇ!」
オリバーの話を聞いたシルフがベックの胸ポケットから飛び出した。
「おわっ! な、なんじゃこりゃ?」
突然目の前に現れた精霊に、オリバーが驚いて尻もちをつく。
「ちょっとシルフ!。オルトリンガム中隊長に見えてるわよ」
マリアが慌ててたしなめる。
「あっ。怒りのあまり魔法が切れちゃったわ。テヘ」
「テヘじゃねぇよ」
ベックが指先でシルフを小突く。
「彼女は私とマリアに装備を作ってくれた防具屋店主の友人です。風の精霊、シルフです」
ベネディクタが冷静な顔でシルフを紹介する。
「お、おう。よろしくな。精霊とお近づきになれて光栄っていうか、すげぇ貴重な体験だよな」
「チビデブと違ってオリバーはいい人ね。よろしく」
シルフがオリバーの周りを飛び回る。
「話を元に戻すが、ミラーは側近の部下を連れてダンジョンへ向かった」
「ミラー大隊長から、なんらかの指示はあったのですか?」
ベネディクタの問いにオリバーが首を横に振った。
「私たちを見捨てて、勝手に部隊を離脱したってこと?」
「まぁ、そういう風にとられても仕方ねぇわな」
マリアの言葉にオリバーが同意した。




