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第37話ランガの森ダンジョン編⑱

 王国騎士団第4連隊所属、ミラー大隊はランガの森奥深くに出現したダンジョンを目指し、順調なペースで歩みを進めていた。

 ガイド役として加わったマリアとベック、そしてベネディクタと彼女の率いる中隊が先頭を進む。

 ランガの森に出没するモンスターは比較的小型のものが多く、初級冒険者でも十分に対応できるレベルである。ゴブリン殲滅クエストで激戦を経験したマリアとベックにとって、ランガの森の通常モンスターを討伐することなど簡単だった。

 1時間ほど進んだ場所で、ベネディクタが小休止を入れるように各部隊へ伝達した。

「ずいぶん歩いたわね。あとどれくらいで着くの?」

 マリアが汗を拭いながらベックに尋ねる。

「もう3分の2は進んだぜ。シルフがポイントごとに上空からダンジョンを確認してくれてるから、かなりスムーズに進めてる」

「えっへん。私のお陰ってことね」

 ベネディクタの肩の上で、シルフが胸を張る。

「ここから先は、あと30分くらいということかしら?」

「最短ルートならそんくらいっすね。でも、この先は植物性モンスターの群生地なんすよ」

「ベネディや騎士団の人たちもいるんだから、力押しで突破できないかな?」

 尋ねるマリアに対してベックが首を横に振る。

「たしかにこの森のモンスターは弱い。でも、植物性モンスターは甘く見ちゃいけねぇんだよ」

「弱点である火属性魔法を使えないからかしら?」

 ベネディクタがつぶやく。

「さすがベネディさん。火属性魔法を使うと森全体に火が回る。俺らまで丸焼けになっちまう」

「物理攻撃に限定して戦えばいいんじゃないの?」

「そういうマリアみたいなパワーおバカが格好の餌食にされるんだよ」

「ムっ。どういうことよ?」

 もったいぶるベックにマリアが怖い顔で尋ねる。

「この森の植物性モンスターは小型で的を絞りにくい。そのくせものすごい本数のツルを自在に操作して、人間の手足をからめとっちまう。気づいたときには、拘束されて身動きが取れないのさ」

「うあぁ。苦手なタイプだわぁ」

 マリアが眉をひそめる。

「攻撃力は低いし毒も無い。だけど、魔法攻撃が使えないこの状況下では圧倒的に俺たちが不利なんだ」

「わかったわ。ベックの言うとおりね。迂回ルートについて、私からミラー大隊長に進言してくるわ」

 ベックの話に納得したベネディクタが、部隊の中間にいるミラーの元へ向かった。

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