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テーマ詩集:牢獄

鳥籠は自作自演

作者: 歌川 詩季

 真っ白な紙に、絵を描くより。

 塗り絵のほうが、手を出しやすい。


 そういうことですか?

 興醒めなことを云うようだけど

 真理なんてものは概してありふれたものであって

 ちょっと肩の力を抜いてご覧よ

 眉間(みけん)(しわ)が視野を狭めるぜ


 小さな枠で切り抜けば 広い世界も四畳半

 うつむいて閉ざした壁は高い 高い


 こんなにも自由だって かさねがさね

 確かめなきゃなんないのが ひどく不自由で

 自作自演の鳥籠と あけっばなしの出口

 でもね 冷たい鉄格子が 今日も

 病的な安心をくれる



 夢のないことを云うようだけど

 幸福なんてものは総じて日常のなかにあって

 ちょっと脚をくずしてくつろぎなよ

 なんだったら寝そべったっていい


 アスファルトだって草原と 同じ地球で地続きで

 仰向けに見上げた空は青い 青い


 こんなにも自由だって 日頃 絶えず

 念押さなきゃなんないのが やたら不自由で

 自作自演の鳥籠と てのひらのうえの鍵

 でもね 囲んだ鉄格子が 今日も

 自堕落なやすらぎをくれる

 自由過ぎる不自由には、とりあえず。

 手近なものから。

 かたっぱしから。


 きちんと計画立てられるなら、そのほうがいいに決まってますけどね。

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