表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

ふりがなさん、論理(ロゴス)の海で神と出会う

作者: ふりがな



それは、なろうユーザーのふりがなさんが、いつものように、面白そうな構造の概念を、色々な軸で反転させてから、なめ回して一般化し、圧縮保存する時の出来事でした。


ふりがなさんの、本日のおかずである、面白概念は「穢れ思想」です。


「穢れ思想」反転させると、清め思想になるのですが、そこから不純物を取り除くと、伝染する権威の概念的な何かになりました。

さらに、その伝染する権威の概念的な何かを、極小化や極大化を通して一般化すると、そこにはなんと、小さな小さな神様が居たのです。


「あなたが神か」


あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!

俺は奴の事を、割と難しい概念と思っていたら、奴は神だった。

な……何を言っているのかわからねーと思うが、俺も自分が何を考えてるのかわからなかった……

頭がどうにかなりそうだった……

宗教だとか哲学だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。


神様の極大化とは、一般に知られている名のある神様です。

時間と共に肥大化し、破裂しては消滅していく、その神様たちを、聖書、あるいは逸話が押しとどめると、神様に名前がつきます。

その極大化した姿が、名のある神様です。


では、神様の最小化とは、いったい何でしょうか?


ふりがなさんは、伝染する権威の概念的な何かを最小化させ、一般化した時に、不思議な感覚に襲われました。


その直前まで、ふりがなさんは、権威に通じるこの概念は、自身の経験から一般化など出来ないと思っていました。


ふりがなさんは、権威や信仰と無関係だからです。

しかし、一般化は出来てしまいました。


そこでふりがなさんの見た物は、人類共通の論理(ロゴス)の最小単位でした。


ふりがなさんは、論理信者です。

前提が同じなら、共通の結論に辿り着くに決まっている。

帰納法という論理を、全ての知的生物が行動学習するための原理を定式化した物と、信じて疑っていませんでした。

事実、ふりがなさんが帰納法に出会った時、その定式は、普段慣れ親しんでいる自身の思考の再確認として、何ひとつ違和感は無かったのですから。


既に定式化出来ているなら、ありがたいなと、当時のふりがなさんは思いました。


しかし、世の中には、普段慣れ親しんでいて、知的生物共通の原理であるハズの帰納法を理解出来ない人は、たくさん居たのです。


それは、スマホを使っていても、スマホについて、全てを理解している訳では無い、という話とはまるで違ったのでした。


ふりがなさんの信じる、普遍的な原理、簡単な帰納法とは、世間一般には、普遍的な原理ではなかったのです。


帰納法は、たくさんの人に必ずしも合ってるとは言えない、ただの推論の一つの手段と勘違いされます。


帰納法の自明的な話として、帰納法は、反例を導き出し、反例のある時に、対象の命題を不完全だと否定する手段なのだとまでは、たどり着けない人が多いのです。


何故、多くの人が、普遍的な思考であるハズの、帰納法にたどり着けないのでしょうか。


論理(ロゴス)の最小単位は、帰納法による、命題の是非、オンオフではないのか。


論理信者である、ふりがなさんは、普遍的であるという前提を忘れて、多くの人が、まだ、帰納法にはたどり着いていないだけなのだと信じていました。


しかし、その日は、新たな論理(ロゴス)の最小単位に出会ってしまいました。


その名は、神です。


伝染する権威の概念的な何かの最小単位、人類共通の論理(ロゴス)の最小単位、不純物を入れ最大化されると、穢れ思想や、清め思想になるモノ。


ふりがなさんは、最小単位のその概念を、一般化させるために最大化させます。

それは、まさに、神との対話でした。



―最小化された神の前では、帰納法も他人の信仰しているだけの神となる。

異教徒の言う事は、神の教徒には通じないのだ、ふりがなよ。


「なんと。では、私の信じる論理(ロゴス)とはいったい」


―お前の信じる論理(ロゴス)とは、人類共通の普遍的な論理(ロゴス)には、なり得ない異神である。


人類共通の論理(ロゴス)とは、自身の信じる論理(ロゴス)、即ち、お前の中にある神である。


「おお、神よ。あなたの言う事は確かに正しいかもしれない。しかし、個々が持つ神の形が違うなら、真に人類共通の論理(ロゴス)など、なくなってしまうではないか」


―帰納法を含む定式化された論理(ロゴス)は、バベルの塔だ、ふりがなよ。

人知れず、定式化された論理(ロゴス)を積みあげた時、きっと神の怒りを買うだろう。


「それでは、科学は。リベラルは。我々はいったい何を指針に生きて行けばいいのですか」


―自身の神を受け入れるのだ。

信仰を否定してはならない。

お前が帰納法を否定しないように。


「思考の共有には、何を持って挑めば良いのですか」


―違う結論が出るのは、むしろ自然な事なのだ、ふりがなよ。

何故なら、論理(ロゴス)の最小単位は、自身の神なのだから。

そして論理(ロゴス)に神は宿る。


民が大きく対立する時は、再び神を意識し、共通の神を天に抱くのだ。



次の言葉を民に広めよ。










み ん な 良 い





そうして、夜が明けると、燃え尽きて灰になったふりがなさんは、さらさらと崩れ落ちた後、風に運ばれ空に散らばって行くのでした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 新着欄にエッセイの星・ふりがな様のお名前が現れた。 [気になる点] 息抜き中の自宅業の私がクリック。 [一言] ど、童話っすか! エッセイだったら3pt3ptを目指している!と感想を書いて…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ