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呪怨者

  妖魔とは姿に規則性がなく実態と霊体の中間のような存在だった。強さもまちまちだったが手に負えないほどの強さではない。ただ、通常の物理攻撃の効果が薄く小さく掻き散らすとようやく消滅する。


  「今のうちに壁の向こうに避難してください」


  妖魔を倒しながら奥に進み、五匹を倒したところで近くに妖魔がいなくなったのを確認する。

  俺がいる路地の向こうにアムがいるようなのでそっちに向かって民家の角を曲がると、アムがまだ闘っていた。


  太陽はほぼ沈み仄かに灯る街灯の明かりが路地を照らす。その光を反射させたリンカーを構えて立つアムはその後ろに子どもをふたり連れていた。連れているというより後ろに庇っおり、アムの前には妖魔が一匹ゆらゆらと立っている。

 この妖魔は全身が長い毛に覆われていて大きな手と爪を持つ二足歩行する姿をしており、俺がさっき戦った妖魔はとはずいぶんと違う。

  アムは片手で剣を構え左手で子どもを護るようにじりじりと下がっていて、振り下ろされた妖魔の攻撃を片手で捌くが反撃しない。


  「アムー」


  声をかけて駆け寄る俺に、


  「いいところに来てくれた」


  と言ったあとにアムが続けた言葉は『子どもたちを頼む』というのかとでも思った俺の予想を裏切った。


  「奴の相手を頼む」


  アムは振り向き子どもふたりを抱えて少し離れたところまで距離を取った。

  割って入った俺に腕を振り回してくるこの妖魔の攻撃を捌くと、子どもを庇いながらでもアムが苦戦するほどの相手ではないとわかる。多少力はあるが雑な攻撃で俺の実力ならかわすのも容易だった。


  次の攻撃を受け流し踏み込もうとした俺を「攻撃するな」とアムの声が俺の動きを制した。

  慌てて剣を空振らせ、数歩間合いを空けた俺にアムは駆け寄って言う。


  「そいつは妖魔じゃない」


  暗がりでよく見えないが思った通り確かに違う。


  「攻撃するなってどういうことなんだ」


  ブンブンと振り回される腕を避けながらアムに問いかけると、離れたところからふたりの子供が泣きながら叫んだ。


  「お父さん、やめてー」

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