超短編 市バス36系統
四月初日の阪神御影、麗らかな空気は何よりも新しい。
随分と余裕をもって、不安げな面持ちの青年が乗り込んでくる。君は今日ほど不安な日は無いが、私にとっては、今日が一番嬉しい日だ。
市バスの定期は高い。出来ることなら割引してあげたい。急坂を登り続ける旧型車の駆動音に、君の希望がかき消されないと良いが。
神大正門前で君は降りた。目は歳のせいか、花粉のせいか、潤む。気づかれないうちに扉を閉めた。
君は門をくぐる。
四月初日の阪神御影、麗らかな空気は何よりも新しい。
随分と余裕をもって、不安げな面持ちの青年が乗り込んでくる。君は今日ほど不安な日は無いが、私にとっては、今日が一番嬉しい日だ。
市バスの定期は高い。出来ることなら割引してあげたい。急坂を登り続ける旧型車の駆動音に、君の希望がかき消されないと良いが。
神大正門前で君は降りた。目は歳のせいか、花粉のせいか、潤む。気づかれないうちに扉を閉めた。
君は門をくぐる。
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