6話
ーーー地方都市 ビックツリー
人々が忙しく動き回る朝の街に2人の男がいた。
一人は10代に見える華奢な黒髪の少年
もう一人は20代に見えるのすらりとした青年だ
少年は興奮したように喋っていた
「アルバート、鑑定スキルを持っていたのか?」
「ロック様、その通りでございます」
「なんで言わなかったんだよ・・・まあいいや、さっそくやってみてくれ」
青年が何やらつぶやくと目の前に青白い文字が浮かびあがってきた
名前
ライオネル・アルセーヌ・ロック
種族
不明
レベル
1
体力 50
魔力 70
物攻 40
物防 40
俊敏 80
魔攻 70
魔防 70
スキル なし
特殊スキル 爆食王 ゴリラパンチ
補足
身長149cm
「おーーーー!これが俺のステータスか!どうだアルバートかなりの数値だろう
ひょっとしてもう伝説の冒険者といってもいいんじゃないか?」
「しかしながらロック様、各数値は50が一般的な冒険者の数値となっています」
「えっ!?」
「今の時点では普通よりやや強いといったところですね」
「えっ!?」
「しかしながらロック様、特殊スキル所持者は極めて稀ですのでレベルが上がって
いけば、伝説の冒険者も夢ではないでしょう。さすがでございます。ロック様」
「のわーはっっはははーーー!そうだろそうだろそうだろ!」
一気に有頂天になった少年はその勢いのまま町の外へと向かおうとする
「クイー」
耳慣れない音に少年が振り返ると足元に小さなカメがいた
「んっ、どうしたんだこのカメは?」
「ロック様、どうやらなついてしまったようです」
「なに?おいカメ、お前俺と一緒に冒険がしたいのか?」
「クイー」
カメはうるうるとした瞳を少年へとむけ、二人はしばし見つめあった
「よし、お前は今日から俺の配下だ!」
「クイー」
「しかしながらロック様、動物の世話などしたことはないではありませんか」
「大丈夫、俺ならできる」
「クイー」
「よし、冒険者ロックの伝説の始まりだー!」
彼らの旅はまだ始まったばかりだ
補足
爆食王
他者の生命力を喰らいパワーアップ
ゴリラパンチ
魔力を込めてぶん殴る