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2話
ーーー地方都市 ビックツリー
門番のシンは遠くにと二人の影を確認した
二人の身長差から見て親子だろうかと予想したが
次第に近づいてくるにつれ、それは無いなと考えた
一人は十代前半といった感じの子供だが、もう一人も
二十代後半といった感じだ。
しかも二人は全く似ていない。
「おーし、ご苦労ご苦労」
少年は偉そうな言葉づかいでそのまま通り過ぎようとする
「ちょっと待ちなさい君」
「?」
「身分証をだしなさい」
「すまないが再発行の手配を頼めるかな?」
もう一人の男が口をはさむ
「この国に来るのは久々なもので紛失してしまいまして」
なんだ他国から来たのか、どおりで見たことのない服装だと思った。
高そうだから貴族かな
「それならばこちらへどうぞ」
二人をつれて詰所へ向かい晶魔球の前に案内する
犯罪者でない事を確認し身分証を発行する
発行に必要な金を持っていなかったが魔石を持っていたので
換金し二人は町の中へ入っていった
少年が言った、なんだ俺のサインが欲しくて呼び止めたのかと
思ったという言葉が頭に残ったままだった。