1話
ーーー地下777階
色とりどりの光が乱舞し大音量の音楽が鳴り響くここには、
様々な種族がいた。
その中にあってVIPルームの主だけは暗い顔を浮かべていた。
豪奢な椅子で足を組み物憂げな表情を浮かべているのは
15歳ほどの黒髪の少年のように見えた。
「退屈だ」
「暇だーーーーーーーー!!!!!!」
彼は大声をあげるが部屋には彼ひとりであった。
しばらくの後、ドアが開き優雅な礼と共に男が入ってきた。
「どうなさいました?若」
「暇なんだよ、飽きたんだよこんな生活!」
「しかしながら若、ここは安全で快楽にあふれた理想の地です」
「駄目だ駄目だ駄目だ!ここには冒険とスリルがない!」
「しかしながら若、外は危険です」
「大丈夫だ、俺ならできる」
「しかしながら若、外で何をなさるのですか?」
「へっ?」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「!!!冒険者だ!!冒険だ!スリルだ!ハーレムだ!
成り上がりだ!チートだ!」
「しかしながら若、冒険者とは厳しいものです」
「大丈夫だ、俺ならできる」
「はあ、しょうがありません。私もお供いたしましょう」
こうして二人の旅路ははじまった