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三話めにして投稿に一か月以上かかるとか大丈夫かなぁ・・・・

「ほいっ、これで俺の999勝!」


 のどかな庭園の一角、勝ち誇ったような声が響き渡る。

 白髪の男はにやりと笑いながら手に持っていたカードを目の前にいる友人に見せつけるように勢いよく机の上に投げ捨てる。


「・・・・」


 目の前にいる友人、もとい黒髪の男は疑惑のまなざしを向けた。それに対し、白髪の男はニヤニヤとした笑みで答える。


「・・・てめぇ、イカサマとかしてねぇだろうな」


 左右で色の違う瞳を細め睨むように問うと、白髪の男は顔の横で手をひらひらと振りながら答える。


「そんなもんしてないよ。単純に俺の運が良かっただけ」

「ふん、神のお前が運だとのたまうか」


 鼻で笑う友人に翡翠の瞳を細めながら白髪の男は苦笑いをこぼした。

 黒髪の男がため息をつきながら目をやった格子のついた丸窓には、古風な池に悠々と泳ぐ魚と長く細い枝をしならせた木が風に吹かれて揺れていた。


「さて、勝負の結果も付いたことだし約束通りよろしくね~」

「ちっ、わかったよ」


 黒髪の男が手のひらを宙にかざすと二つの球体が二人の中央に現れた。そうしていると、透明だった球体が白く輝き始める。その様子を頬杖をついて眺める白髪の男に黒髪の男は尋ねる。


「ずっと思っていたんだが、たかが人間が二人別の世界に移動した程度で何か変わるものなのか」

「さあてね、そればっかりは俺にもわからない」

「ならばなぜ」


 悪びれることなく口にする友人に片目を薄く開け浅黄色の瞳をのぞかせた。

 この友人が暇つぶしに勝負を持ち掛けてくることはよくあることだが、今回に限っては初めから何かを企んでいたようだった。いつもとは違う気配に身構えていたところ、掲示された報酬は勝負に負けたほうは勝ったたほうに自分の世界から二人の人間を転移させるというものだった。

 頬杖とは反対の腕を球体に伸ばし、そのうちの一つをのぞき込みながら呟いた。


「ふと思うことがあってね、世界を作ったのは俺たちだけどその世界を発展させてきたのは主にその世界の生物達だ。ならば、別の世界で発展してきた生物がこちらの世界に来た時どのような変化を遂げるのか、こちらの世界にどのような影響を与えるのか。見守るものとして興味がわいたのさ」

「そういうものか。だが、今までも何人も俺のほうからお前の世界へ送っているが今回は何か違うのか」

「違うとも。違うけど、それが一体どうなるかは俺にもわからない」


 そういうと無責任に球体を宙に放り投げる。そうしていると球体が強い光を放ち始め、しばらくすると球体の中央に再び淡い光を残し終息した。


「終わったぞ」

「どれどれ、…へぇ、この2人か」

「ふむ、この2人は…どうなんだ?」

「さあね、今の段階では何もわからないけど。まあ、見守っていこうじゃないか。こういう状況を君の世界では確かこういくんだろ」


 浅黄色と深紅の瞳を細めながら首をひねる友人を無造作にくくっている白髪を揺らしながら笑いながら男は口にした。


「神のみぞ知るって」

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