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モノローグ "望side"

下手でも気にしないでください…。

 光樹が電車に乗っていた同時刻、望も学校から帰宅している最中であった。

 学校から駅までの道すがら、望と友人二人はゲームの話で盛り上がっていた。


「今のガチャでほしいキャラがいてさー、全然当たんないんだよ」


 友人の一人である圭佑が大きなため息をつきながら呟いた。すると、隣で歩いていた祐介が突然二人の前へと飛び出した。


「そのことなんだけどよ、これを見よ!」


 そう言って祐介が二人の前に見せた画面にはそのキャラクターのステータス画面が映し出されていた。


「はあ!?マジかよ!」

「おおー、すげえな」


 鼻高々にスマホの画面を向ける祐介に、もう一人の友人である圭佑が尋ねる。


「祐介、お前何連引いたの?」


 それに対して祐介は胸を張ってこたえる。


「二十連で当てた」

「俺五十連引いても当たらなかったんだけど」

「そりゃドンマイだな。今回結構確率低いししょうがない」


 恨むようなまなざしを祐介に向ける圭佑に対し望がなだめる。すると、今度は圭佑は望に鋭い視線を向ける。


「どうせ望も当たったんだろ、わかってんだよ」

「いや、僕は引いてないよ。一個前のガチャで石使っちゃったからね」


 そう言いながら自分のゲーム画面を開くと、そこにはガチャ一回分の石があった。


 まあ、当たるわけないよな。

 

 何の気なしにガチャを引いてみる。


「あ」

「ん、どうした?」


 ・・・これは


「・・当たっちゃった」


 望は申し訳なさそうにスマホの画面を二人に向ける。すると、今度は祐介までもが望に対して恨みのこもった視線を向け始める。


「単発ておまえなぁ・・」

「ほんとにさぁ、望ふざけんなよ」


 最早、呪いの言葉を吐きそうな圭佑に対し望は必死に弁解する。


「いや、こんなの偶然だって!圭佑もそのうちすぐ当たるよ!」

「俺お前の五十倍引いても出てないんですが」


 目が死んでいる圭佑に祐介も慰めの言葉をかける。


「大丈夫だって!ほらあのー、お前この間のテスト百点だってじゃん!」

「テスト関係ないし、てかそもそもあれは運じゃない」


 そうこうしているうちに駅の近くまで来た三人。


「・・・はぁ、じゃあな二人とも」


 駅の近くに家がある圭佑とはここで別れる。トボトボと歩いていく後ろ姿に二人は声をかけた。


「じゃーな!石集めがんばれよ!」

「ごめん!今引いたらもう一体当たっちった!」

「しね!」


 そうして、圭佑を見送った二人は駅へと向かった。


 駅へとついた二人は改札を抜けると違う路線なのでそこで別れた。既に電車が来ているらしく焦る祐介に手を振り、少しの間その後姿を眺めると望ももうすぐ電車が到着するホームへと向かった。


 ホームに向かう最中、先ほどのゲームを行っていると画面の最下部に一つの広告が現れた。


「ん?なんだろう、これ」


真っ白なバックにただ一文、『この世界に未練はあるか、未知なるものに興味はあるか』と表示されたバナー。


 こんなの表示されたっけ?


 ふと疑問を覚える。しかし、一瞬気を取られたもののすぐに視界の外に消えた。

 しばらくゲームをプレイしてると、再度気になって先ほどのバナーに視線を落とすが相も変わらずそこにあった。ふと、視線を感じて周りを見渡してみるが遅い時間なのか自分の周りのホームには誰もいない。


「・・・とりあえず押してみようかな。変なサイトに飛ばされたら戻ればいいし」


 好奇心が警戒心を上回り、望はその広告をタップしてみる。しばらくのロードののちに真っ白な画面へと跳ばされた。


「・・・なにもでない、・・・っ!?」


 突然、画面から光が溢れだす。望は慌ててスマホの電源を落とすが光は尚も強まり辺りを照らしてゆく。堪らなくなり目を閉じるが瞼の隙間をこじ開けるようにして光は飛び込んでくる。数分の間光は強まりながら辺りを呑み込んでいた。


 辺りを照らしていた光が止んだ時、・・・・・そこには一つの人影が消えていた

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