第1話 失望
行かないでくれ・・・
たった今、俺の唯一の願いが 消え去った。
俺は夢も無く流れに身を任せて生きてきて30年も立つ。
30年も生きてきて一回も夢があったことはないのかと
聴きたくなるだろう。確かに小学生などの時には夢とも言えないような無邪気で愚かな[希望]を持っていたのかもしれない。そんな希望は夢とは言えなくただの思いにしか過ぎない。だが、そんなものも成長しそれでもなお持っていられるというならそれは夢なのかもしれない。そして夢とは願いであり、生きる意味である。
俺、今井忍は世界に何一つ魅力を見いだせなかった頃がある。その頃に俺は親を失って学校でも虐められていた。もう疲れたからもうこんな世界はいいかなと思っていたそんな灰色の世界から俺を救い出してくれたのが妹の
今井詩織だ。詩織は俺の生きる意味になってくれた。
俺は詩織を必ず守ると心に決めていた。
その生きる意味も三ヶ月前に妹が死んだのと同時になくなった俺は生きたいのかも死にたいのかもわからない。
何も考えずただ生きているだけの奴になっていた。
家に食べ物がなくなったのに気付いて家からコンビニに出掛けようとし、玄関を開け一歩を踏み出すと、突如足元に魔法陣が現れた。俺はそれをぼーーっと見ていた。
そして俺の視界は光に覆われた。