アナザー・ワン・ビトレイヤー・シナリオ 1
本当の本当の現実。
読むべきでない現実。
知るべきでない現実。
しかし、それが現実と知れた時、絶望よりも黒く澱んだ感情がこみあげるだろう。
静寂な独りに一通の通知を。
私は幾つかの名前を付けられ人がそれぞれ呼ぶ。
親が私を餌で呼ぶ時は本名を崩した感じだし、ある人は全く違う名前で呼んでくれる。
非常に名付け親が多いのだ。
そうして出来上がったのが私だ。人権を失い期待も1程度、まさに欠陥商品と言うのに相応しいでき故に渾名をつけやすいのだろう。
毎日が退屈だったからか最近は気が楽な事が多い。
が、メンタルの弱さはどうしようもない。
そんな私は今、過信した自分の能力に裏切られた。
人を裏切ることはよくあるのだが、自分を裏切る、というのは初めてだった。
そしてそれが厭に面白い為、また自分を過大評価し此の館に小説の一片を置くことにした。
数々の人が死んだ島。退屈だけはさせないようにしなければ。
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夢と言うのは基本その日の復習と聞く。
だが正夢が実在するのだからやはりそれは違うのではないか。
それともそれを夢と勘違いしているだけであって予兆が頭を過ぎっただけなのか。
そんなこんなでいつもの日常を私は過ごしていた。
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これを例の少年が居た部屋に置いておこう。
そうしたら気付いてくれるはずだ。
そうして私は彼らが来る街とは逆方向に舵を切った。
そろそろ雨が降る。早く帰らなければ。
そう思っていたらもう私は自分の巣に戻っていた。
唯一違うのは此処が現実世界ということ。
空想世界とはまた違った良さが...あると信じている。
これまでに見つけた現実世界の良さは色があると言うことか。
それでも更なる人は空想世界にさえ色を付けてしまう。曖昧になってきている良い例だ。
自分の巣は荒れ果てていた。
雲は無く晴れ晴れとしている。
まだ10時。私が此の巣から追い出されてもいいよう片づけをしておかなければならない。
そういえば私は高校生なる物に成っていた。
歩兵がときんに成るように大幅な成長をする訳でもない。
どちらかというと香車のように猪突猛進だった者が金に成り、堅実な動きをしだすようになったというところか。
そんな私だったが思い立ったが矢先、ある処へ行こうとしていた。
造花ばっか見てきた私にはそこが嘘か真か分からないかもしれないが面白いこと楽しいことは好きだ。
2時間ほど歩いてそこには着いた。
そこには人がメインの花をそっちのけで遊んでいる光景しか見えなかった。
申し訳程度に帰り際に写真に収めておこう、と言う人も少なくはなかった。
私は写真には謎の自信が付き纏ってしまうため人混みを避け独り写真を撮っていた。
被写体に成るのは好きではないが最近慣れてきたため世の中恐ろしいことだらけだ。
そして迎えた終焉。
そこで果てしない絶望を味わうとは予想だにしなかった。
これまで何度も経験したがこれだけ慣れない。
自分を過信するな、と何度も言い聞かせてもいつか忘れている。
これでは死にも早くなってしまうだろう。
そんな私も独りではなかった。
唯一頼れる方に相談を仰いだ結果、私の思想が270度回転した。
すぐにでもこれを実行しよう。
私はまたあの館に戻ることにした。
そうすればまた“殺人サーカス”の続きが見れるかもしれない。
あれは最高だった。また獲物を捉えてきてほしいものだ。
裏切りのシナリオなど、私にかかれば簡単にできる。
それが相手だろうと、私自身であろうと。
そう、また私は自己陶酔してしまっていた。
私は操り人形ではない。
感情はある。だが人であることを否定されあくまで人形を名乗る。いつか人形さんに失礼と言う人が現れるまで。
どちらかというと私が操りたい気ではある。




