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誘いなんて無かった

旭川あさひかわ 紫乃しの


静河しずかわ 蒼太そうた


鞍華くらはな かおり


みどり 彼方かなた


二月一日


思いきった行動を、してみたかった。

二人きりでのデートを。


紫「あのさ、映画。観に行かない?」


蒼「えっ?俺が?いいの?」


薫「ちょっと。私も入れてよ!」


彼「蒼太が行くなら。俺も、行く」


今まで四人仲良くやってたけど、一歩。踏み出してみた。

小学六年生の春。鮮烈に残った幽かな記憶があった。

あの日、転校初日にして学級委員をやりたいと宣言した異才児。それが静川蒼太だった。


あの日の事、鮮明に覚えている。

自分の机の横の空席の机。確か、花弁が乗っていた。

皆、誰が来るんだろうか。議論していた。


朝のホームルームの時間にカラカラと引き戸を開けて胸を張って入ってきた事。

少し青みががった黒髪は春風に靡いていた。

澄んだ川を思わせる瞳。

白く、細長い手足。


何処か、何かを捜しているような気配。


たまに思い出す。今、こうして。


蒼「旭川。どうした。呆けたのか?」


紫「ふぇ?何」


彼「何妄想してたの~?」


紫「はぁ!?ちっ違うし!」


薫「図星!」


四人「ププ。あははは!」


教室の窓辺に四人の笑い声がこだました。

何も考えずに、済むから、この感じ、好きだった。


蒼「あとで、話そうな。玄関で待っててくれん?」


紫「もちろんだよ!」


君は頭脳明晰、品行方正、次期生徒会長と私とは格が違いすぎるんだ。身長差が20センチもあるし、釣り合わないんだ。でも恋慕は寄せてしまう。


きっと君は鈍感だから一生気付かないと思う。

耳の先まで赤くして言った言葉も気付かないと思う。

でもそんな鈍感な君だから好きなんだ。


薫「どうしたの?そんな顔して」


紫「気にしないで。あ、彼方来るの?」


彼「楽しそうだし、蒼太行くから」


薫「じゃあさ、いっそのことバレンタインに観に行かない?」


紫「え!?」


彼「っ!?」


薫「決定ね?」


そうして勝手にバレンタインに映画を観に行く事になってしまったのだ。

彼方が目線を右往左往していたのは毎度の如く、一番動揺してしまったのは私だった。

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