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一文一答 あなたの悩みをバサッと解決大作戦

一文一答 あなたの悩みをバサッと解決大作戦<6>

作者: 愛松森

『一文一答 あなたの悩みをバサッと解決大作戦』第六弾です。


 設定:私・・高校生。悩み相談をしている。

 校長先生の許可が出て、質問投稿ボックスを中庭と校舎裏に設置できた。


 質問投稿は相変わらず、そんなに来ない。それはそれで、悩みのない生徒が多いという意味ではいいことなのであるが、私としては回答したくてたまらない。

 

 悩みを解決してあげたいという思いは、同時に悩みが無ければ成り立たないということに今となって気付いた。私はいったい何のために、この活動をしているのだろうか。自分の欲を満たすためなのか、皆の悩みを解消するためなのか。


 (迷うなんて、私らしくないな。迷うくらいなら、突っ走ろう)


 「うぉぉぉぉぉ~」


 私は、叫びながら質問投稿ボックスまで走った。途中、廊下を走るな、という先生の怒声も聞こえたような気がしたが、空耳だろうと思い無視した。


 質問投稿ボックスに到着した。中をのぞく。

(あった。やった)


 一通の投稿があった。


 『はじめまして、一年三組のF.Kです。今回は悩み相談です。

 僕は、ここに入学してからずっと学年十位で一桁になったことがありません。いつになく勉強した今回のテストも十位でした。いくら頑張っても、何時間勉強しても一向に成績が伸びません。親も、先生も結果の話ばかりして、過程の話は何一つありません。結果がすべてと言われればそれまでのことですが、僕の努力まで無かったことにされては悲しすぎます。僕はいったい何をしたら良いのでしょう。漠然とした相談ですみません。

 解答は中庭の自由掲示板にお願いします。』


 正直に言って私の成績は思わしくない。学年十位になど到底手が届かない。そんな私にいったい何が言えるのだろうか。だが、ここで引き下がっては、この子の悩みが解消されない。


 私は中庭の自由掲示板の黒板に、

「努力が必ず報われるとは限りませんが、成功した人は必ず努力しています。努力が評価されないことはありますが、努力を無かったことにすることはできません。ここは踏ん張りどころです。努力を続けるか、止めてしまうかは君次第です」

 と、書いた。


 翌日、自由掲示板のチョークの字を見た少年は、放課後残って図書室で勉強していたそうです。

二年後、見事に第一志望の大学に入学できた、という風の噂を耳にしました。


 


 

シリーズ化しているので、良ければ他の作品もどうぞ。

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