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夏の色

作者: 空乃 千尋

 遠く聞こえる雷鳴

 空の片隅に浮かぶ入道雲

 その涼しげな白さとは裏腹に

 降り注ぐのは刺すような日射し


 上空に広がる青さは

 寒色と言う呼び名を簡単に裏切り

 昼間に輝くあの星を決して遮ろうとはしない

 逃げ場所は灰色のコンクリートの中


 創られた陰は涼しくて

 暫くの安堵を与えてくれる

 「もうちょっと、あと少し」

 椅子に深く腰かけて小さな溜息を吐く


 カラン


 グラスの中の氷が崩れた

 読み進めていた本を閉じる

 思いの外に過ぎた時間

 頭に入った文字は何文字?


 傾いてきた太陽

 帰る先は遥か西

 少し黄色く色付いた光が鋭く瞳を貫いた

 逃げ場所は路地の生け垣


 伸びる陰には光が零れ

 日除けにするには頼りない

 でもそんな脆い壁だから

 そこには幾つもの色が輝いて


 溢れてくる木漏れ日


 そんな一つの夏の色


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― 新着の感想 ―
[良い点] 刺すような日差しを避けながら、グラス片手に本を読む。 日の差す向きが変われば日陰を探して本を読む。 夏ならではのシチュエーションだと思います。 木漏れ日の夏の色は、眩しいようで、涼しげで…
2015/08/03 22:22 退会済み
管理
[一言] こんにちわ。 読ませてもらいました。 ひと夏の情景が目に浮かぶようでした。 コンクリートの中って涼しいですよね。 私、毎日バイクに乗ってトンネルの中を通るのですが、中はとっても涼しいです(^…
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