婚約破棄系悪役令嬢ってこういう事なんだろうか?
なろうで話題の悪役令嬢。色々な作品を読んでみて、よっしゃ!何となく悪役令嬢ってこういうものなんだなってのが分かったぜ!
という徹夜明けのハイテンションになった所で執筆し投稿しました。
婚約破棄系悪役令嬢ってこんな感じの作品ですよね???
「お前とは婚約破棄させて貰おう」
ゲーハツール王国場内のダンスパーティーにて婚約者のシャイン皇子に言われた第一声がそれだった。
そして皇子の隣には性別問わず誰もが守ってあげたくなるような可愛らしい女性が居た。
「婚約破棄………ですか?
お父様………いえ、トニック公爵はこの度の婚約破棄について存じておりますのでしょうか?」
あまりに突然の出来事で、感情を置き忘れたような声で皇子に問う。
「ふん、そんな些細な事、僕らの愛を持って後で説明すれば何てことはない。それよりもこんな可愛らしいカレルを苛めるなんてお前の根性はよほど曲がっていると見えるな」
「皇子様………」
決めポーズらしき妙な格好をする皇子と、その横で感極まったような表情を浮かべる見知らぬ女性。
見知らぬという表現を使ったとおり、彼女のような残念………いえ、可愛らしい女性と会った事がない。私が彼女を苛めたと皇子は仰られていたが、面識もない彼女をどうやって私が苛めることが出来るのだろうか?
「失礼ですが皇子………彼女と会ったのは今日が初めてなのですが、苛めるとはどういうことでしょうか?」
「しらばっくれるんじゃない!取り巻きを使ってカレルに嫌がらせをした挙句、階段から突き落として怪我をさせたじゃないか!言い逃れは出来ないぞ!」
「フィナス様!これ以上罪を重ねないで下さい!」
私を罪人だとばかりに詰め寄る皇子と、心配しているようで明らかに全力で私に罪を着せようとしているカレルとかいう女性の様子を見て、私は彼女にハメられたという事に気づいた。気づいたところで、皇子がこの様子では話し合いなど出来ようもない。完全に舞台を整えた後に私を陥れたのだ。ここから逆転出来る道理は無いだろう。
「………なるほど、状況は大体分かりました。
婚約破棄の件は喜んでお受けさせて頂きます」
「ふん、当然だ。そもそもキサマの許可など最初からいらん。決定事項だからな。さっさと失せろ」
「では、失礼致します」
私は皇子に一礼した後、私が居なくなることに対して喜びを隠そうともしていない目の前のカレルに向かって最後にこう言った。
「………カレルとか言ったかしら?
あなたも物好きね………シャイン皇子はハゲで今はカツラを被ってるのよ」
「え?」
「普段は香水をしてるから気づかないかもしれないけど、皇子はワキガで体臭も凄い上に、胸毛も凄まじいわ。それに夏場になると必ずミズムシになっているの」
「ええっ!?」
「それじゃ、お幸せに」
「えええっ!?」
状況把握が追いついていない彼女に爆弾を投げかけ、颯爽と会場を後にした。
その後の会場では
「何なの、あの悪役令嬢の最後の台詞は!
こんなのゲームの設定じゃ存在しなかったじゃない!どうなってるの!」
だとか
「こんな僕でも、人を愛することの大切さを知った!さぁ、僕の妃になっておくれ!」
だとか
「いやぁぁぁぁぁぁぁほんとにカツラァァァァァ!!!
ハゲで臭い上にギャランドゥでミズムシとかホントにイヤァァァァァァァァ!!」
だとかいう悲鳴や怒号が聞こえたらしいが、そんなことは悪役令嬢 (にされた)の私にとっては知ったことでは無かったのである。
かくして私は皇子と合法的に別れることができ、皇子はカレルと婚約したのであった。
いやー、物好きって居るんもんなんですねー(棒)
元ネタの用語説明
ゲーハツール王国………ハゲツルツル
トニック公爵………薬用的なアレ
シャイン皇子………頭がシャイニング(シャイン)
カレル………(毛根的な何かが)枯れる
フィナス………AGEを治療する薬品的なアレ。フィナステ○ド