疲労
殺気を感じた日から、一週間が経つ...
夜になっても気は抜けず、アノスさんと交代で見張っていた
しかし、いつ来るかも分からない刺客に眠れる筈もなく、疲労は蓄積する一方だった
そして、私が最も恐れていた事が起こった
アノスさんが授業中に倒れたのである
アノスさんも、日々の警護と夜中の見張りで限界に来ていたのである
私は、アノスさんを看病したいが王子の護衛もある
葛藤の末、アノスさんの事はネフに任せることにした
その日も何事もなく学園が終わり、私は王子の手を引き、早足で寮へ戻った...
「アノスさんっ!」
ドアを蹴破る様に開け、アノスさんの安否を確認する
「...ぁあ...カリーシャ、すまない...」
「謝らなくていいです!容体は大丈夫ですか!?」
「まぁまぁ、主様。落ち着いて落ち着いて...」
「落ち着ける訳ないでしょ!」
「...だ、大丈夫だ、ただの熱だから...」
アノスさんは、額から汗を滝のように流し、苦しそうに言う
魔法を使いたいが、この場合は逆効果になる
魔法で治す場合、対象者には体力という代償がある
体力の消耗で起こる事には、魔法での解決は出来ないという事だ
「で、でも...!」
「大丈夫...だから、心配しないで...?」
「すまん、アノス...」
「いえ...謝らないで下さい...体調管理が出来てなかったのは、自分が未熟だったからです...それに、謝られると惨めになります...」
「すま...いや、ありがとう」
「はい...」
「アノスさん...」
「ん...なんだい...?」
「今日は、一緒に居ていいですか...?」
「だが、王子が...」
「大丈夫です!結界魔法を二重三重に掛けて置きます」
「監禁かよ...」
王子が何か呟いたが、知るもんか!
「だから...いいですか?」
多分、今の私は泣いているんじゃないだろうか...目が熱い
「...あぁ、分かった。いいよ」
アノスさんは、一瞬王子を見てから言った
「じゃあ、俺はベッドに居るから、結界でも何でもしてくれ...あ~眠..」
「結界張ってきますので、大人しくしててくださいね?」
「あぁ、分かってる」
「すぐ戻って来ますからね!」
そう言って、私は王子に結界を張りに行った...
......
「いいのですか、主様に本当の事言わなくて?」
「あぁ...熱でこんなに心配されるなら、言わない方がいい...」
「ふふっ賢明な判断ですね」
「...さぁな」
「でも、余り無茶はしないで下さい...もう貴方だけの体ではないのですから」
「あぁ、俺はカリーシャの恋人だからな」
「...それだけでは有りませんが...でも、主様を傷つけないで下さい」
「分かっている...」
「いいえ、多分貴方は分かっていない...何もかも...」
「何の事だ...?」
「ふふっ、時期に分かりますよ...おっと、主様が戻ってきますよ」
「アノスさん!さぁ、早く寝ましょう!」
いつの間にか何時もの下着姿のカリーシャ...
「あぁ、分かったからそんなにくっ付くな、汗臭いぞ...」
「大丈夫です!アノスさんは、素敵な匂いです!」
出会った時も、そんな事言っていたな
「...そうか、なら寝るぞ」
「はい!」
そうして、久しく二人でベッドに潜り込んだ...




