番外編 old tale、第二話
二話目です
シリアス多めに成りがちですが、仕方ないです...
このころには苦労してもらうつもりですからね...
真っ暗となり数秒後、閉じた瞼から光を感じた
その光に導かれるように、瞼を上げる
「おぉ、勇者様...」
唐突に、目の前から声が聞こえた
「おい、皆!勇者様がお目覚めに成られたぞ!」
「おぉ!遂に平和が!」「これで、救われるわ!」
私の理解が追い付ぬまま、それぞれの言いたい事を言っている
「あの...勇者とは...?」
「おぉ、貴女様が勇者で御座います」
数秒前に神様から聞いたように、本当に勇者にされてしまったようだ
死んでしまう前に読んでいた小説も、そんな様な内容だった気がする
「ん...勇者なんて私には出来ません!」
そうだ、今まで戦ったことも無く、平和ボケした世界で生きて来たのだ、出来るはずがない
「そんな事はありませぬ、勇者様には代々受け継がれし力が宿っていると言われております」
「ち、力?」
「はい、魔を浄化し、王となる魔王を倒すことが出来るっと言われています...しかし、今までに魔王を倒された勇者様は、居られません...」
「それで、私に勇者が回って来たということですか?」
「恐らく...」
「恐らく?」
「はい...勇者様が召喚されるのは、神の御告げがあり、かつ事前にどんな方かお教え頂けます」
「...神の御告げ」
「はい、この世界の創造主で在られます」
あの、少し幼い印象があった子がですか...
「もし、私が勇者ならどうするべきでしょうか...?」
「そうですね...今までの勇者様は、ひたすらに魔物を浄化し、魔王に挑まれました...」
「それで...」
「はい...いずれも帰って来られた者は居られませぬ...」
暫く、その場を沈黙が支配した
「で、でも!生きている可能性もっ」
「いえ、在りません...勇者はこの世界に一人だけ、それが理です」
「つまり...私が召喚された時点で...?」
「はい...残念ながら...」
酷過ぎる...人を道具みたいに使い捨てにするなんて...!
「ですが!貴女様なら!」
「出来ませんよ!何が出来るんですか!?こんな知らない世界に連れてこられて、いきなり勇者だなんて...この世界の為に死ねと言っている様なものじゃないですか!」
「...お察ししますが、我々もこのままでは滅び行く運命なのですぞ!」
「っ!」
確かに、力を持った勇者でさえ倒すことが出来ないものを、この人たちがどうにか出来ることでは無いのかもしれない...
「でも!私だってまた死にたくないんです!」
「...また、ですか...?」
「っ...はい、私は一度死んだ身です...」
「...余り詮索は致しませぬ、ですが!どうか我々にお力添えをっ!」
「...はい、分かりました...ですが、力を持ってしても勝てないと思ったら、私は逃げますからね...」
「...えぇ、分かりました。背に腹は代えられませぬからな」
「...それで、話を戻しますが...これからどうすれば良いですか?」
「そうですな...まずは、北へお向かい下さい。そこに小規模ながら、魔物と戦う強者たちの集まりがいますゆえ、勇者様の力足しに成られると思います」
「分かりました。今すぐに出るのですか?」
「いえいえ、既に日も落ちておりますし、まずは、旅支度を済まさなければなりませぬ。今日のところはここにお泊り下さいませ...」
「あ、はい...お言葉に甘えさせて頂きます」
「いやはや、私達が勇者様に甘えきりでは示しがつきませぬゆえ...」
「あはは...大変ですね...」
「大変なのは、これからですぞ...では、ゆっくりお休み下さいませ...」
「はい...」
それから、貧相ながらも夕食を出して貰った
魔物せいで、食料も底を付いて来ているらしい
お風呂なども無く、食べ終わったらすぐ就寝となった...




