夏休み 5
投稿再開です
旅行で、思いのほか多くのネタが思いつきました
はぁ...
どうして、こうなったんでしょうね...
木々の間をすり抜けるように歩きながら、そう思う
最初は、聞こえてくる歌の主を確かめるだけだったのに、いつの間にかウンディーネと一緒に島の中を巡り歩いている...
「...あ、カリーシャちゃんキノコ生えてるよ?」
「え?...ダメ!それだけは絶対ダメ!」
キノコにしては大きく、明らかに卑猥な形...
でも、将来的に仁のを見るとこになるから...って、何考えてるんだろう私...
軽く、自己嫌悪しながらキノコを捨てさせる
「ぬ、これはヒワダケさね」
魔法で空中に浮かべた水玉から顔を出し言った
「ひ、ヒワダケ?」
「うむ、磨り潰して液を乾かした粉を飲むと、魔力が増幅されるらしいさね」
「す、磨り潰す...」
思い浮かべただけで、少しショッキングです...
「まぁ、余り効果は無いらしいさね」
「...持って帰る?」
「え、持って帰るの...?」
「やめとくさね。余り良い色じゃないさね」
「...そう、残念」
何とか助かりました...
キノコを捨てさせることに成功し、また浜辺へ向かい歩き出した
日も傾き始めた頃、ようやく別荘へと帰って来た
「ん、遅かったなお前たち...その後ろのは?」
いち早く私たちに気がついた王子が、訊ねて来た
「あ...森の奥で見つけた精霊です。王子は見覚えありませんか?」
「...いや、ない」
「ぬ?あの時の子さね?」
「あの時?」
「うむ、思えておらぬか?十年前にこの森の奥に歌を聞きに来たことさね」
「...いや、記憶にないが...」
「ぬ...寂しいものさね」
「そうですね...忘れられるのは辛いです」
少し昔のことを思い出し、しんみりする
「...今、楽しければいいんじゃないか?」
「そう、ですね...では、たんと遊びますか」
「うむ、我もそうするさね」
「おーい、夕飯まだかー?」
遊び疲れたようで、仁がシバを引き摺って歩いてきた
「はい、今から作るので待っていて下さい」
「おう、了解」
「ふぅ...さてと、夕飯はっと。あれ?アノスさんは?」
「ん?アノスなら、風呂入りにいったぞ」
お風呂でしたか...覗こうかな?
「夕飯まだかー?」
「...はい、まだです...シルフィ、手伝って?」
「...うん、いいよ」
そんなこんなで、夕飯を作ることになった
お昼同様、鉄板で焼くだけ簡単料理、仁の希望でお好み焼きだ
何故か、ウンディーネが火を管理していた
水の精霊なのに、水関係の魔法が使えないらしい
その代り、対となる火の魔法に特化している
「あ、ウンディーネさんもっと火を弱くしてください」
「ぬ、すまんさね」
「...おいしそう」
すっかり馴染んできたこの光景
取り敢えず、出来たばかりのお好み焼きを少し味見する
「ん、美味しい...」
「...私も」
「うん、はい」
私の食べかけだけれど、新しく切り取る訳にもいかないので、あ~んをしてあげる
「...ん、美味しいね」
「我も...」
「後でみんなとね?」
「グスンさね...」
皆集まり、夕飯をとった
皆食べ終わり、辺りはすっかり暗くなっていた
そこで、仁がある提案をしてきた
「なぁ、カリーシャ。打ち上げ花火やらね?」
「打ち上げですか...ん、まぁ出来なくもないですが」
「な?やろうぜ!」
「花火はどういったのでやりますか?」
「ん?どういったって?」
「ですから、模様とか爆発させる高さとかですよ」
「...」
「考えてなかったんですね...まぁ、こちらで考えますので外で待っていて下さい」
仁に皆を外に出させるように頼み、私は花火の構想を考える
暫くして、出来た魔法を待機状態にして外へ出る
外では、シート代わりに布を引き、そこに座り果実のジュースを飲んでいる皆がいた
「はい、カリーシャちゃんもどうぞ」
「ありがとうごいます、アノスさん」
私もジュースを受け取る
「で?出来たのか?」
「はい、何とかそれっぽくは出来ました」
「よし...じゃあ、花火大会おっぱじめるぜ!」
「はいはい...では、起動」
待機状態の魔法を展開し、打ち上げる
天高く打ちあがる光を、見上げる皆
そして、ドーンッという音と共に弾け、小さい光の粒が散りばめられる
実際は、火の球を打ち上げて、弾けた瞬間に光の魔法が起動する様にしたフェイクなんですけどね
それでも、楽しめるだけの美しさはある
仁以外の皆は、初めて見る光景に見とれていた
打ち上がり、一瞬の輝きを見せ儚く散っていく、そこが花火のいいところだと、私は思う
長いようで短い時が過ぎ、皆余韻に浸っていた
「はぁ、久しぶりに見たがいいもんだな、花火は」
「そうですね、また来年もやりましょうか?」
「あぁ、その時も宜しく頼む」
「少しは努力して下さい、チートなんでしょ?」
「ふっ、経験には敵いませんよーだ」
「そうですか、でも努力はしてくださいね?シルフィのことも」
「ちょっ何でここで出てくるし」
「ふふっ、何ででしょうねぇ」
「まぁ、努力だけは人一倍やるさ。俺に足りないのが、この世界での経験だってことは、とっくの昔に分かってたからな」
「頑張って下さい、シルフィ泣かしちゃだめですよ?」
「分かってるよ、そんな事」
「泣かした時は、私が貴方を泣かしますからね?」
「...分かった」
「ふふっ、シルフィが好きになった理由が分かった気がします」
「ん?なんだって?」
「いえ何も?それでは、部屋に戻って寝ますね。今日は疲れました」
「そうだな、じゃあまた明日」
「はい、また明日」
シルフィに一声掛け、部屋に戻った...




