夏休み 4
皆、着替え終わり浜へ集まった
「...日光暑い」
シルフィ、白ビキニでした...
シルフィは、日光を避けるため、アノスさんが設置したパラソルへ逃げ込んだ
私も取りあえず入っておく
日焼けしないけどね
「うぅ...カリーシャちゃん、サンオイル塗って」
「...はいです」
そこは仁にやらせてあげようよ...
内心思いながら、オイルを塗ってあげる
一度手に出し、少し温めてあげてから塗る
ペタッ
「ひゃっ」
まだ冷たかった様で、小さく悲鳴を上げた
「冷たかった?」
「ううん...びっくりしただけ」
男性陣がバーベキューの用意をしてる内にさっさと塗ってしまおう
露出が多いので、焼けてしまわないように隅々まで念入りに
「ん...ありがとう、カリーシャちゃんは?」
「あぁ、私焼けないから...」
「...そっか、残念」
塗りたかったの?
「それより、明日は仁に塗ってもらったら?」
「...恥ずかしい」
えぇ...
「おーい、用意できたぞー」
男性陣の用意が終わったようなので、向かう
別荘のテラスから、布を伸ばし日よけにしている
石煉瓦を四方に積み重ね、その上に鉄板を置くだけの、簡易なものだ
石煉瓦が重いので、男性陣にやってもらった
というより、これ以外してもらう事がない
料理を作る間、王子とアノスさんは、浜辺で模擬戦をしに行った
シバは海に出て、仁に溺れさせられている
暫くして、お昼ご飯となる、バーベキューが出来た
匂いに誘われてか、皆戻って来た
「では、天の恵みを分け与えて頂く神様に感謝...」
「「「「天の恵みを分け与えて頂く神様に感謝...」」」」
仁はまだ馴染めてないのか、頂きますと言っている
「ジン、頂きますってなんだ?」
初耳なのか、王子が尋ねた
「あ?ん~、俺の故郷の食べる時の挨拶?」
「そうか...」
疑問形で返されたので、納得しきれてない王子
そんな事は、お構いなしにバクバクと食べているシバ
既に、皿を二枚空けている
それぞれ、マイペースに食べ終わり片付けに入った
鉄板は、明日も使うので浄化魔法を掛けて置く
皿は、水にサッと付け、こちらも浄化魔法を掛ける
とても便利で使いやすい魔法である
実際、一番研究されているだけはある
片付けも終わり、海だーっとはしゃぐ仁とシバ
また浜辺で模擬戦を始める王子とアノスさん
シルフィは、食べたばかりと言うこともあり、少し休憩している
私も隣に寄り添い、皆を眺める
暫くして、目を閉じて風の音を聞いていた時、ふっと何かが聞こえた
叫ぶような、それでいて、綺麗な唄...
「シルフィ、何か聞こえない?」
「...ん、聞こえた」
どうやら、私だけではないようだ
仁たちは、はしゃいでいて、気づいていないようだ
「歌ってる人、探してみる?」
「...ん、いいよ」
一応、アノスさんに散歩して来ると伝えて置く
歌声は島の奥から聞こえてくる
木々が生い茂る中、枝や雑草に注意しながら行く
私は兎も角、シルフィは擦り傷をしてしまうかも知れない
ネフをダガーへ変え、邪魔な枝を切り落としていく
暫く歩いた時、開けた場所に出た
中央に泉があり、その周りに花が咲いていた
「...綺麗」
「うん、凄い...」
その時、泉の方から聞こえていた歌が止んだ
同時に、泉から泡がプクプクと吹き出した
泉の底から、何か影が見えた
徐々に水面へ向かってくるそれを警戒して、ダガーを構える
そして、水面に上がって来たそれは、顔だった
水面から顔を半分だけ出し、こちらを伺っているようだ
「...誰?」
「お前たちこそ誰さね」
「私たちは、この島に旅行に来た人です」
「人さね?珍しいさね。ここ十年久しぶりに見たさね」
「十年?」
「うむ、最後は確か...銀髪の親子だったさね」
うわぁ、絶対王子じゃん...
「その時は、どうしたんですか?」
「ぬ?歌を聞かせたさね。お礼に綺麗な石さ貰ったけど、どこかに落としてしまったさね...」
綺麗な石?
「もしかして、涙型のですか?」
「そうさね...」
「これ?」
上に羽織ったワンピースのポケットに入れた石を見せた
「そう、そんなような...って、それさね!」
目を見開き石を凝視している
私は、伸ばされた手にその石を渡した
「おぉ、この感覚、間違いないさね!ありがとさね」
「いえ、偶然拾っただけですので」
「で、お主...ホントに人間さね?」
「え...」
「...カリーシャちゃん?」
シルフィまで反応しちゃったじゃないですか!
「え、えぇ、一応は...」
「ほぅ、珍しい人間もおるさね」
それで納得してしまった...
「あ、貴女の名前は...?」
「ぬ?名前?名称さね?ウンディーネさね」
え?精霊の?
「...精霊のウンディーネ?」
「そうさね。お主は?」
「...シルフィ」
「もう一人の方さね」
「私?」
「そうさね。早う名乗るさね」
「カリーシャ、です」
「カリーシャさね...どれ、契約するさね?」
「け、契約?」
「使い魔とかいう奴さね」
「いい、ですけど...」
「決まりさね!我、彼の者に従うものさね!」
その瞬間、私の右脇に熱を感じた
ワンピースを捲って見ると、石と同じ涙型の刺青が入っていた
「これで、我はお主の物さね」
勝手にしないで下さいよ...
「...やったね、カリーシャちゃん」
「はい...」
取り敢えず笑っておく
『主様が...盗られる』
盗られないからね?
「では、早う案内するさね」
「え?」
「我、ここから動いた事ないさね」
「どうやって石落としたんですか」
「ぬ?ここは海に繋がってるさね。でも狭くて我は通れないさね」
「なるほど...まぁ、分かりました。行きましょう」
「...いいの?」
「シルフィさっき喜んでたじゃん...」
「...えへ」
可愛いから許す
「さ、案内するさね!」
「はぁ...」
ため息を付きながら、元来た道を戻った...
番外編は、来週日曜日です
※8/13追記、活動報告をご覧下さい




