打ち上げ
何だろう、このシリアス
私は、医務室で寝かされている、二人の元へ向かった
コンッコンッコンッ
「...開いているぞ...」
「失礼します...」
医務室には、クリス先生がいた
「...カリーシャか」
既に目覚めていた仁が声を掛けてきた
「はい、です」
「...俺もまだまだ力不足だなぁ」
仁は思い詰めた様に言った
「そんな事ないです。十分に戦えているですよ?」
「...でもなぁ、俺はお前たちみたいに知ってる奴を相手にすると、本気で戦えねぇよ...」
「どうしてです?」
「...失ってしまいそうでって言うのが一番かな...」
「それは、甘えです。例え、友達で在ろうと、親で在ろうと、戦う時は本気でなければ...大切なものを失くしますよ?」
そして、静寂に包まれた
しかし、それを打ち破ったのはクリス先生だった
「...甘え、か...確かにそうだな、少し昔話をしてやろう...それで、お前が何を思おうと自由だ...」
一呼吸置いて、話始めた
「...昔、私には恋人がいた...向うからの一方的な一目惚れさ、こんな私のどこが好かったのか、今でも分からない...だが、彼と時を過ごしていると、不思議と安心出来たんだ...そして、ある事件が起こった...彼と私は、私の授業で使う魔力石の調達で、それ関係の専門店へ行ったんだ...そこで見たのは、私の弟が店主に剣を向けて脅していたところだったんだ...私と彼に気がついた弟は、容赦なく襲い掛かって来た...私は彼を守るために、剣を抜いた...だが、彼を守りたいという気持ちの裏に、弟を信じたいという気持ちがあった...本気で打ち合わなかった私の剣は弾かれて、弟の剣が私に向かってきた...そこに割り込んだのは、彼だった...後は、分かるな...次に目にしたのは、血に染まる彼の亡骸と、逃げて行く弟の背中だった...暫くして弟は捕まり、処刑された...あの時、私が本気で戦っていたらと思うと、夜も眠れなくなる...」
そこで、クリス先生の昔話が終わった
「...どうだ、情けない私の昔話...実に滑稽だろ...」
「...いえ、とても心揺さぶられるお話でした」
「...そうか...で、ジンはどうだった...」
「......ごめん、気持ちがぐちゃぐちゃして上手く言えない」
「...いいさ、時間を掛けてゆっくり考えると良い...だが、その時に直面したとき、本当に戦えるかの決心はして置くんだな...」
「あぁ...」
「...では、私はお暇するよ、シルフィにも宜しく言っておいてくれ」
それだけ言って、クリス先生は出て行った
「...ジン...」
「ん、シルフィ起きたか?」
「...うん、大分前に起きてた...」
「え?どの位前?」
「...俺もまだまだ力不足だなぁ...辺り?」
声真似をして言うシルフィ
「え...めっちゃ前ですやん...恥ずかし!」
そう言って仁は、ベッドへ潜り込む
「...ねぇジン...」
「ん、なんだ」
「...ジンにとって、私は大切な人...?」
「当たり前だ、前にも言ったろ?」
「...じゃあ、私の為に死ねる...?」
「あぁ、死んでやるとも」
「私は嫌...」
「え?」
「...私は、ずっと一緒がいい、死んじゃうなんて嫌!」
それは、シルフィの悲痛な叫びだった
「...あぁ、出来れば俺もその方がいいな...」
「んん、では、私も御邪魔な様ですし行きますね」
「おう出てけ」
「ふふ、じゃあねカリーシャちゃん...」
そして、医務室を出る
出た所に居たのは、クリス先生だった
「クリス先生...」
「...これで、あいつは強く成れただろうか...」
「えぇ、きっと強く成れてますよ」
「...そうか、よし今日は飲み会だ!他の奴らも誘って来い」
「あはは...はい...」
そのあと、王子とアノスさん、シバにガティア先生も加わり、盛大に打ち上げが行われた
「アノスさん、私は強いでしょうか...?」
「...それを決めるのは自分自身じゃないかなぁ」
「そう、ですね」
打ち上げの要素少ししかないですね
少々の糖分で、バランスとれてるかな?




