そう簡単に追いつかれたら苦労はしない
科学的な見解は必要である。
そして、そんな言葉では誤魔化せない現実はある。
「才能だよ」
やっぱり、努力で補える範囲というのがある。
科学的な見解、知識、それらを導入していても、……あー、そこまでは辿りつけないなーって、分かる境界が見える。
しかし、そーいう通説がひっくり返る、現在は解析不能、そーいった事が起こるから人間は分かったもんじゃない。科学の元も、人の頭脳と情報を沢山集めた結果であり、それらを上回る個が出て来る可能性は0じゃないのだ。
メジャーリーグで活躍している・活躍していた選手が分かりやすいだろう。
大谷選手のような二刀流で大活躍するなんて、現在の科学ではどーやって生まれたのか?
山本選手のようなあの小柄な体格ながらも、打者を圧倒し、重圧のかかる場面で最高以上のパフォーマンスを出せただろうか。
イチロー選手のように10年連続の200安打を記録するかのような……。
そして3名の練習の取り組み方、考え方が、全員異なっていること。もちろん、彼等とて1人でやってきた、考え抜いたわけではないし、練習そのものが真剣なのは当然。
まだまだ科学にも、沢山の分岐と極みが残っている証なのである。
◇ ◇
「AIの配送アプリを導入しました」
先日、我が社にもそれが導入されました。
置き配で撮影とか面倒なんですけど……。
「……この機能はなんですか?」
「それはAIによる配送ルートを決められるものなんだよ」
すげーって思いましたが、まだ未完成だそうです。
その機能よりも面白いのがありまして
「全配達員の荷物の物数が分かるようになったぞ(大まか)」
管理者だけは分かっていた事なんですが、我々、末端にもそれが把握できるようになりました。
これが凄く面白いことでして、とてもAIじゃできないモノでした。
効率的な配達、効率的な業務。
そのためを目的とされているはずなんですけれどね。
「…………分かってはいたんだよ」
現場の人間達も知ってはいるんですが、それを言わないのはなんで?って言うと
これは管理者も現場の人達も分かってるんですが。
「「できる奴が仕事をやった方が確実だ」」
AIというのはまだ、人間を全然理解していないご様子。数字という観点では、数を均衡にした方が良いのですが。人間達はその上を行ってしまう。今のところ。
「矢木さん達、他班の応援をしてくれませんか?」
ふざけんな!……とは言いませんけど、なんというか。このアプリが導入されてから思う事は
「あー、分かった分かった……」
「しょーがないですね」
どーせ終わるんだからやっちまえよって、思う。
……そーそー、この前、配達先の近所の高校生が「この世は終わりだー」って感じで、自殺されたそうなんですが。今年の新卒くんがインフルエンザに罹ったと言って6日ほど会社を休んでたのですが、あの野郎は彼女と北海道に旅行してるとか、舐めたことをやりやがったそうです。
「この世は終わり」はこっちが言いたいぐらいです。
”カ・ン・ケ・イ・ナ・イ・ケ・ド・ネ”
「私達がやるのがいいでしょう」
実配達員は真面目であるから、この話を快く引き受けるし。矢木配達員はグチグチ言いながらもやってくれるのである。
まだAIがこの人間社会に慣れてないせいだとは思いますが、
「欠区でやれよ」
現場が1人足りないぐらいで騒ぐんじゃねぇ。それを自覚して働いてくれって話ですが、
「私達が1欠した方が楽で早く終わります」
「他所の班に言う言葉じゃねぇーよな」
実際問題、AIくんはまだまだ甘い。人間達が仕事中だというのに、くだらないこと……最近のポケポケでレアカードが当たったとかいう話を休憩時間でもねぇーのに30分ぐらいしやがってから、配達先に向かうとか……。そーいう事を学習してないAIくんだからね。
「だって、私達、150越えが平均値ですよ。他班のお荷物、50個くらいの追加はどーということないですよ」
「学校で言うとこ、強豪校と楽しみクラブの違いがあるよなー」
人間達が選んだのは、結局やってくれる奴を選ぶんです。
まだまだ科学的なところは甘く、猛練習が通じるという分野に過ぎませんがね。
言葉は伏せますが、
やっぱり過酷な環境下にいると、人間は慣れができて、成長した気になります。
たとえ、気のせいでもそれが大事です。




