謎5 大和言葉
「うーん何故なんだろうか。わからないな…」
「涼太。ブツブツ独り言を言ってどうしたの?」
「ん?天奈か?いや数字の謎を解き明かそうとしていた。もしよければ協力してくれたまえ」
「何その話し方。ゴールデンウィークが終わってしばらく経つのに未だに脳みそはお休み状態なの?」
「いやむしろ賢そうだろ!脳みそフル回転してるって!!」
「はいはい。それで数字の謎って何?」
「何だか軽く流されたな」
「いいから早く言って」
「わかったよ。天奈、今日は何日だ?」
「えーと二十日でしょ。」
「そう。二十日なんだ。特別な読み方が一日から十日までかと思ったら二十日からまた特別な読み方になるだろう?不思議じゃないか?」
「まず、特別な読み方って言っているのは大和言葉ね。本当は少し違うのだけれど簡単に説明すると一日から十日までと十の倍数日は単語として存在しているから大和言葉。それ以外の日は漢語や忌み言葉を避けるため大和言葉と漢語の混合で現在は読まれているわ。一応、今現在大和言葉で読まれていない日も十の倍数日を用いて『とおかあまりなになに』『はつかあまりなになに』と読むことは出来るけれど、簡潔化や効率化など様々な理由から読むことはなくなったわね。まぁ諸説あるけれど、とりあえず二十日から読みが一度変わる理由はわかった?」
「あぁ…うん。天奈さん熱量すごいな……」
「涼太って気になることがあると、ずっと考え続けるクセがあるじゃない。だから少しでも払拭してあげようとしたのよ。どう落ち着いた?」
「まぁな。おかげで俺の考えごとが難しいことがわかった!」
「なにそれ?」
「何でもいいんだ!あっこれ良かったらお礼な。ガチャしたらダブったからあげる!」
「ダブったってあんたね…。あっパンダのキーホルダー。妙にリアルね」
「パンダ嫌いか?」
「別に好きでも嫌いでも……。いや待って!?今日の日付にパンダ……。」
「何だ?」
「ぐ…偶然よねっ!」
彼女は顔を赤らめた。




