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魔法設定の参考に

作者: 石川覚
掲載日:2025/09/22

 これはブランドン・サンダーソン先生が提唱している考え方を広めるために書いている物です。「魔法の体系」とでも言いましょうか、彼は魔法を大きく二つの型に分類できるとしています。


 ソフトマジックとハードマジック。


 魔法要素のあるファンタジーを書く時の参考になればと思い、ここで軽く解説をしたいと思います。


 まず、ソフトマジックとは何かを見てみましょう。これは言ってしまえば「おとぎ話に出てくる魔法」となります。古来からある魔法ですね。フワフワしていて、神秘的、理解不能な何かです。特徴としては「限界や制約が無い」ことが挙げられます。このタイプの魔法は文字通り、何でもできます。そこには理由や理屈など存在しません。


 ソフトマジックが最大限に発揮されている作品として、「指輪物語」が分かりやすいと思います。そこに登場する魔法使いガンダルフの魔法には説明がありません。ガンダルフが魔法を使うと何かが起こる。そしてその起こる事もバラバラです。魔法をあえて使わないシーンも、何故今は魔法を使えないのかの説明はありません。少なくとも、理論建てた説明は皆無です。だから読者もガンダルフに何が出来て、何ができないのかは分からずじまいなんです。物語の中の法則を超越した何か。それがソフトマジックと呼ばれるものですね。


 次にハードマジックを見てみましょう。私の読書量が未熟なせいで、限界までハードに寄せている作品はブランドン・サンダーソン先生の「ミストボーン」しか思い浮かびません。ですので、そのままそれを例に解説していきたいと思います。


 ハードマジックの特徴は「ガッチガッチに定められたルール」です。もはや科学的な説明すら可能な魔法なんです。アーサー・C・クラーク先生は「十分に高度な科学技術は、魔法と区別できない」としていますが、これの逆とでも言いましょうか、「法則に支配された魔法は、科学技術と区別できない」ようなものです。


 具体例を挙げていきましょう。「ミストボーン」の世界における魔法は幾つかあるのですが、主要なのは金属魔法。これには更に三種類がありまして、体内に取り込んだ金属を燃やす事で力を発動するものと、身に付けた金属に自身の体の属性を貯め込んだり、貯めたのを消費したりできます。三つめはネタバレすぎるし、長くなるので割愛します。


 前者の具体例として、鋼を体内で燃やすものは、燃やしている間だけ金属を押すことが出来ます。逆に鉄を体内で燃やすものは、その間だけ自分に向かって金属を引っ張ることができます。ただそれだけです。他にも金属や効果は様々な物があり、二面性、内面的か外面的かの違い、合金の扱い、幻の金属、等と金属魔法の体系は複雑です。しかし、基本となるのは「一つの金属に付き、特定の魔法体形で使用した時、限定的な一つの効果を生む」という事です。鋼を燃やせば他の金属を押せる。それ以上でも、それ以下でもありません。そして、押せると言っても、対象が固定されていたり、術者が軽ければ襲うとする方が吹き飛びます。質量の問題で。引っ張る方の鉄も同じ事。


 後者の具体例も鋼と鉄で見てみましょう。鋼には物理的速度を貯め込むことが出来ます。そして貯め込んだ分だけ術者の動く速度を上げることが出来ます。貯め込んでいる間は動きがスローに、まるで水中を動いてるかのような状態になり、消費している時は常人の何倍もの速度で動けるようになります。具体的な上昇量は消費量に比例します。

 鉄の方は術者の質量を貯め込むことができ、消費する事で一時的に質量を増加させます。木の葉程度まで体重を落としたり、数トンにまで上げたり、自由自在です。


 このようにハードマジックには明確なルールと限界が定められており、効果も不変です。何でもありのソフトマジックとは真逆ですね。


 では、実際のファンタジー作品に多いのはどちらでしょう?答えは……どちらでもない、です。完全に片側に振り切っている作品は滅多にありません。大抵は中間のどちらかよりになります。


 HxHの念能力。呪術廻戦の術式はハードよりと言えるでしょう。どんな念能力になるかは千差万別でも、一度確立されたら明確なルールがついてきます。術式然り。何でもできるが、「何でもできる術式」そのものはありません。具体的な効果とルールがついています。


 ベルセルクの魔法はどちらかと言えばソフトよりでしょう。一部の制限があるが、どこまでが魔法で可能で、どこからが不可能なのかは不明ですし、原理や制限も曖昧です。


 要約すると「完全神秘で自由なソフトマジック」と「厳格な制限や限界、原理が確立されているハードマジック」の二つに魔法を分けることができます。


 如何でしたでしょうか?ざっくりと魔法の体系、見方の考え方を紹介させて頂きました。皆さんはどちらが好みですか?個人的な話にはなりますが、私自身はハードマジックを好みます。自分の作品(真面目に書いている長編の方)に登場する魔法はハードに寄せているつもりです。完全にハードマジックとまではいきませんが。


 参考になればと思い、書かせて頂きました。


 それでは、素敵な魔法ライフを。

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― 新着の感想 ―
とても分かりやすい分類、楽しく拝読させていただきました。細かな取り決めが世界に根付き及んでいる作品といえば『ハリー・ポッター』や『本好きの下剋上』が思い浮かびました。個人的には超常的なものは人知の及ぶ…
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