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「クズプログラマーだった俺が異世界で美少女たちを強化し、影の軍団“レイス”を作った件」  作者: ジャクロの精霊


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心の影

ウンブラの電気の光は、今や市場や酒場、そしてキャラバンの中で話題となっていた。


――「もう松明なんていらない!」

――「影の王国の方が、俺たちよりも明るく輝いてるだと!?」


噂はすぐに広まり、その中には見慣れぬ目が紛れていた。

彼らは静かに聞き、やがて自国へと戻っていく――驚きと警戒の報告を携えて。


だが、ウンブラの内部では、夜がまったく新しい顔を見せていた。

通りは活気づき、広場には音楽が溢れ…

そして、人々の心があらわになっていった。


ある夜、ハルトは灯りに照らされた広場を歩いていた。

住民たちが、夜を楽しみ、新しい日常に笑っていた。


最初に近づいたのはセレネだった。

頬を赤らめ、しかし迷いのない眼差しで言った。


「見て、あなたが創ったものよ。

かつて私は闇を恐れていた……でも今は、ここを“故郷”と呼べることが誇りなの。」


彼女はハルトの手をそっと取る。

その手はかすかに震えていたが、意志は確かだった。


ハルトが返事をしようとした瞬間、リカが現れた。

ギターのような鎌を背負い、いつものいたずらな笑みを浮かべて。


「ちぇっ、セレネは相変わらず固いなぁ〜。」

彼女はハルトの肩すれすれに身を寄せる。


「ねぇ、団長。あたしだけの歌、聞いてみたくない?」


セレネは眉をひそめる。

「これは遊びじゃないわ。」


リカはくすくすと笑う。

「誰が遊びだって言ったのさ?」


言い争いの最中、テリアが走ってきた。

スペクターの制服を着たまま、息を弾ませながら。


「ハルト! スペクターの訓練、成功したわ!」


だが、セレネとリカの間に流れる緊張に気づき、顔を赤らめて声を潜める。


「…それと、その……私も……感謝してる。

私がここにいるのは……あなたのおかげ。」


通りがかったエリラが、薬草を抱えたまま足を止め、眉を上げて呟く。


「ふふ……どうやら皆、あなたの心を狙ってるみたいね。」


周囲の住民たちは、ひそひそと笑い始めた。


――「うちの領主様は強いだけじゃない、心まで奪ってるとはな!」

――「こりゃ恋の戦争だ!」


ハルトは静かに片手を上げ、コンソールを起動する。

宙にコードが浮かび上がる。


priority.task: defense

suspend: personal_conflict


空中に浮かぶ文字が、重く静かな空気を生む。


彼は皮肉めいた微笑を浮かべて言った。


「ウンブラが先だ。

気持ちの話は……その後でいい。」


その夜、エセリオンの密偵が、魔法の羊皮紙にこう記した。


「ウンブラは街の灯りだけではない。

指導者たちの心にも火を灯している。

こういう者は危険だ。

人々が“恐れ”ではなく、“愛”でついていくのだから。」


その報告は、静かに女王イゾルデの元へと送られた。

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