創造された力、そして“月の剣”が示す未来
大地を揺らすような咆哮と共に、
森の向こうから、魔物の群れが現れた。
無数のゴブリン。
その後ろには、地響きを鳴らして歩く巨大なトロルたち。
誰もが、逃げる準備をしていた。
だが──
ハルトは、一歩も引かなかった。
「ふっ……いい機会だ」
彼は、ゆっくりと手を上げる。
その瞬間、空間が揺れた。
──未だ誰にも見せたことのない、**"自己プログラムゾーン"**を展開。
createSkill("Comet Striker", type="Magic", area="Wide", power=7, effect="Meteor Shower")
createSkill("Lunar Slash", type="Magic", weapon="Luna Sword", effect="Crescent Beam", power=8)
createSkill("Seismic Judgment", type="Earth", area="Massive", power=10, effect="Final Quake")
createWeapon("Luna Sword", type="Magic Sword", element="Moon", effect="Amplify")
コードを実行。
──目の前に、純白の魔法剣が出現した。
刃は細く美しく、月の模様が浮かび上がる。
「“月の剣(Luna Sword)”か……悪くない名前だ」
そして、彼はゆっくりと右手を掲げた。
「──《コメット・ストライカー》」
天空が裂けた。
青白い魔法陣が空に展開され、
そこから中規模の隕石が複数、火を纏って降り注ぐ!
ゴブリンの軍勢に直撃。
爆発と光が辺りを包み、地が揺れた。
「な、なんだ……!? 空から……!?」
「魔法だ! ……いや、これは……人間のレベルじゃない!!」
村人たちの叫びもかき消すほど、破壊は美しく、冷酷だった。
だが、トロルたちはまだ残っていた。
怒り狂った咆哮と共に、彼らが突進してくる。
その瞬間、ハルトの目が鋭くなった。
「……こっちは、斬ってやる」
構えたのは、月の剣。
「──《ルナ・スラッシュ》!」
彼が剣を横に振ると、紅い三日月状の光刃が放たれ、
敵を切り裂きながら遠方まで走った。
トロル2体を一閃で薙ぎ払う。
「こいつ……なんなんだ……!」
カイルが唖然と呟く。
それだけでは終わらない。
残った敵が退却し始めたのを見て──
ハルトは剣を地に突き立てた。
「逃がさないよ。お前ら……村に手を出した、その代償を払え」
《セイスミック・ジャッジメント》
地面全体が揺れ、巨大な地割れと共に衝撃波が走る。
残った魔物たちは、逃げる間もなく──地に沈んだ。
静寂。
戦場のようだった村の東側が、
今やただ、崩れた大地と燃え尽きた木々の跡だけを残していた。
人々は……ただ、立ち尽くしていた。
「…………」
「…………あれが……人間……?」
誰かがそう呟いた。
「う、うそだろ……!?」
カイルは膝をついた。
その目は、恐怖と嫉妬と混乱で濁っていた。
「お前……いつからそんな力を……!」
ハルトは彼を一瞥し、肩をすくめただけだった。
その横で、ルナが小さく──クスッと笑った。
「カイル、口……開けっ放しよ」
「う、うるさい!!」
その瞬間、空気が少しだけ和らいだ。
だが、誰もが理解していた。
──この村には、本物の“守護者”がいる。
そしてその名は、
静かに、人々の間で広がり始めた。
──《ハルト》。
彼は、ただ静かに剣を収め、
村の方へ振り返りながら、ひとことだけ呟いた。
「じゃあ……そろそろ、証明終わりってことでいいよな?」
ついにハルトが本気を出しました!自作スキル&武器を駆使しての初戦闘、大迫力でしたね。
次回は、村人たちの反応、そして教会の“審判”はどうなるのか?
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