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黒騎士団 ― 夜の序章(オーベルチュア)

通りは、破壊の交響曲の余韻でまだ燃えていた。

紅蓮旅団の骸が、炎と瓦礫の中に散らばっている。


だが、沈黙は長く続かなかった。


金属の太鼓のような足音が空気を切り裂いた。

下層街の住人たちは、慌てて窓を閉じ、震えながら息を潜めた。


闇の中から彼らが現れた。

黒騎士団――黒曜石の鎧をまとい、顔を隠す仮面と、夜の闇のように漆黒の剣を携えた六人の影。

その足取りは死の鼓動のように揃っていた。


一人が剣を掲げ、くぐもった声で告げた。


「ご子息の御意により、来た。少女を引き渡せ……さもなくば、この地に石一つ残らぬ。」


テリアは一歩退き、恐怖に震えた。


リカは地面に唾を吐き、ギター型武器を構えた。


「またその曲か?いいだろう、坊やたち――今度はメタルで返してやる!」


彼女は突進し、スナイパーモードから魔弾を撃ち込んだ。

だが、黒い騎士の鎧は闇のオーラで弾き返した。


剣を構えた騎士は、リカの大鎌の一撃すら一歩も動かずに受け止めた。


「……な、なんだと?」リカは顔をしかめた。


マリが後方から叫ぶ。


「奴らの防御は魔法無効化で強化されてるわ!」

>> scan.enemy("Knight_Unit")

>> defense = 180% // Reflect_Damage: Active

ハルトは歯を食いしばる。

「これはただの巡回兵じゃない。殺すために調整された戦闘集団だ。」


マリはヘックス・シンク・コアを展開。


「コマンド無効化、発動!」


その瞬間、騎士たちの動きが一瞬止まった――

ルナがそこへ飛び込む。


「ルナ・ブレイク!」


青い剣が闇のシールドを貫き、その魔力を跳ね返す。

一体の騎士が膝をついたが、まだ息があった。


レイナが冠を掲げる。


「フローラル・インフェルノ!」


だが、放たれた炎は鎧に吸収され、闇に飲まれた。


アイコはリップル・ブルームで癒しの波動を広げるが、騎士の一撃一撃は精神を削る鎚のようだった。


一人の騎士が暗黒の剣を掲げ、影の結界でリカを拘束した。


「クソッ、動けない!」リカが叫ぶ。


ハルトは怒りに任せてコンソールを開く。

緑のラインが火花を散らし、手を焼くほどに熱い。

>> override("SyncMode_Beta")

>> unlock("Experimental_Patch: Overdrive")

>> risk_level = CRITICAL

「みんな、準備して!

本来存在しないパッチを解放する!」


青かったシンクモードのオーラが、赤く、危険な炎へと変わる。

全員がその力と痛みを一緒に感じ取った。


リカは叫び声とともに影を打ち破る。


「こいつぁ……本物のヘビーメタルだ!!」


大鎌が弧を描き、騎士の仮面を砕く。


マリは戦術マップを強化し、パネルを過負荷で光らせる。

アイコは恐怖を抱きしめ、悲鳴を咆哮に変える。

レイナの炎はついに闇を飲み込んだ。

ルナの剣は、夜の闇すら切り裂く三日月のように敵陣を駆け抜ける。

>> orchestra.execute("Finale_Override")

>> sync.damage_share = 100%

>> sync.power_boost = 300%

「一斉攻撃!」


全員の力が一つになり、通りを揺るがす爆発が放たれた。

四体の騎士が一瞬で粉砕され、その鎧が砕け散った。


残った二体が、動揺しながら後退する。


高層都市にて…


貴族の青年が魔法の鏡を覗き込みながら、唇を噛み、血を滲ませる。


「ありえない……黒騎士団すら通じないなんて……!」


彼の母が微笑みながら抱きしめる。


「落ち着いて、坊や……そのうち、奴らを滅ぼせる"何か"が見つかるわ。」


父は冷たく呟いた。


「やつらを潰したければ……“影の暗殺者”を出すのだ。」


青年の目に狂気と歓喜が宿る。


「なら……あいつを舞台に出そうか。」

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