武器は魂──俺が鍛えた彼女たち
ヴァルネスの村の外れで、ハルトは自分のコンソールを設置していた。
彼は「三日間の静寂」を求めていた――今になって皆はその理由を理解した。
ルナは警戒を続け、
少女たちは森の中の空き地で訓練をしていた。
そしてハルトは――創造していた。
「このシステムは……もはやコードじゃない」
彼は小さく呟いた。
「これは、“人格”だ。魂だ」
彼はインターフェースを起動した。
【特別鍛造 — 限界突破】
パーソナライズド武器の設計許可
必要条件:感情的親和性+霊的エネルギー
状態:安定
「歴史を作ろう」
RIKA — 武器名:「グレイヴ・ヴァルキリー」
ギター型・大鎌スナイパー(2モード)
リカが呼ばれて近づくと、ハルトは黒い布で覆われた物を差し出した。
「これ……何?」
「君の“声”だ」
リカが布を取ると、そこには黒く鋭いボディのギターがあった。
金属のネックに、魔力で構成された弦。
ボディの片側は大鎌のように湾曲し、
ネックの先端には銃弾用のスロットがあった。
「…ギター…大鎌…で、撃てるの!?」
「近距離モード:大鎌
中距離モード:ショットガン
長距離モード:音波スナイパー」
リカはしばらく沈黙したあと、その武器を抱きしめた。
「ハルト…あんた、マジで狂ってる。
…大好き」
新スキル解放:「ソロ・スレイヤー」
魂のリズムに同期して音波斬撃を放つ。
ダメージは感情の強さに比例。
MARI — 武器名:「ヘクス・シンク・コア」
浮遊型コアユニット。
可動式プレートと魔導パネルを備え、腕に装着もしくは自律飛行。
エリア制御、敵魔法の妨害、動的な戦術マップ生成が可能。
新スキル:「コマンド・オーバーライド」
敵の魔法詠唱を予測し、1.5秒間停止させる。
マリは何も言わず、ただ微笑んだ。
「これが…ずっと欲しかったもの」
AIKO — 武器名:「リップル・ブルーム」
クリスタル製の杖。
感情の周波数に応じて振動波を放つ。
防御波、音波攻撃、短時間の回復を発動。
新スキル:「エンパス・ドライブ」
強い感情を抱くことで、味方全体の能力を強化。
「これ…綺麗すぎる…」
アイコは涙を浮かべながら呟いた。
「君も、そうだからだよ」
ハルトはそっと答えた。
REINA — 武器名:「クリムゾン・ティアラ」
伝統的な武器ではない。
血と高貴な感情に共鳴する魔法の冠。
優雅にして激しく、そして正確な炎を解き放つ。
新スキル:「ブレイジング・ブルーム」
優美に広がる炎。
二度目の命中で爆発。
「これ…ほんとに女王みたいじゃん」
レイナは笑った。
「そのつもりで作ったから」
ハルトが応えた。
LUNA — 武器名:「ノクターン」
双刃の月刀。
緩やかにカーブし、青白く光る。
二刀として分離可能、または槍へと変形する。
静かに、致命的に。
スキル:「ムーンブレイク」
敵の魔法防御を斬り裂き、受けたダメージの30%を反射。
ルナはその武器を手に取り、
ただ一言――
「ありがとう、ハルト」
ハルトは彼女たちを見渡した。
かつて救っただけの少女たちではない。
彼女たちは戦士だった。
自分の“部隊”だった。
「今日から――君たちは、ただ生き延びるだけじゃない」
「戦う」
「創る」
「そして、痕を残す」
その夜――月光の下で、少女たちは新たな武器で訓練した。
そして森の奥には、リカの「グレイヴ・ヴァルキリー」が奏でる音が響いた。
音波の一撃と、魂のリフ。
それはまるで、戦場を駆けるための――戦いの賛歌だった。
鍛えたのは、武器だけじゃない。
彼女たちの「心」だった。
新たな戦術、覚醒──
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