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:反撃の狼煙──“バッド・ガールズ”作戦開始

夕暮れが空を血のような赤に染めた頃、彼らはヴァルネスの村に到着した。


家々は素朴で、道は埃まみれ、人々の顔には恐怖が浮かんでいた。


「家畜がいなくなってるんだ。いくつかの家も襲われた」

村の長である灰色の髭を蓄えた男がそう説明した。

「そして今では… 奇形の狼の目撃が増えている」


ハルトは地図を見つめた。

「南からの襲撃。パターンがある」


ルナがうなずいた。

「防御を試してる。奇襲じゃない。包囲だ」


「任せてくれ」

リカが一歩前に出て言った。


他の三人は彼女を見つめた。しかし、誰も否定しなかった。


「本気で言ってるの?」とレイナが聞いた。


「うん。昨日話したでしょ?

力はある。でもチームで戦わなきゃ…意味がない」


その夜、ハルトとルナは農場の屋根の上から見張っていた。


少女たちは計画通り、それぞれの持ち場についた。


**


マリは最も高い場所に配置された。

そこで彼女は「コードロック」の能力で戦場の流れをコントロールした。

敵の動きを数秒間止めることができ、その僅かな時間で流れを断ち切る。


「ポジション3。動きあり」

彼女は魔法の印で作った即席のパネルを通して報告した。


**


アイコは震えながらも、グループの後方に位置していた。

彼女の役割は、仲間が倒されそうになった瞬間に「ウェーブパルス」を放つこと。


「失敗できない…失敗できない…」

彼女は深く呼吸しながら呟いていた。


**


レイナは炎の花を回転させながら、周囲を巡回していた。


「絶対に通さない。1匹でも抜けたら…焼き尽くす」


**


そしてリカは、罠を締める拳だった。


「シャドウインスティンクト」の能力で高速移動し、倒し、斬り…再び影へと戻る。


作戦は機能していた。


奇形の狼たちは夜明けと共に現れた。

最初は4体。続いてさらに7体。


少女たちは――一つのユニットとして応戦した。


「ロック完了!」

マリが叫ぶと、一匹の狼が動きを止めた。


「今だ!」

アイコが、飛びかかろうとした別の狼に向けて波動を放った。


レイナは「エレガンスフレイム」を発動させ、炎のエリアを作り敵を一箇所にまとめた。


そしてリカは…残酷な影となった。


「喰らえ、この野生のバカ犬ども!」

彼女は一体の胸を正確に切り裂きながら叫んだ。


さらに二匹が倒れた。

一匹が包囲を抜けようとした。


「ダメ!」

マリが叫んだ。


だがすでにレイナがそこにいた。


「爆ぜなさい」

炎の花がそれを包んだ。


火。

灰。

静寂。


屋根の上で、ハルトは腕を組んだ。


「…すごかったな」


ルナが軽く微笑んでうなずいた。


「ちょっと荒っぽいけど、効果的。あんたみたいに」


ハルトが笑った。


「わかってるか? 今ので自分たちの戦い方を作ったんだぞ」


「うん。

しかも、機能してる」


すべてが終わった後、村の長は食事と宿、そして感謝の言葉を彼女たちに贈った。


「君たちはただの少女じゃないな」

彼は敬意を込めて言った。


「そうよ。私たちは違う」

リカが答えた。


4人は互いに視線を交わした。


汗まみれ。

傷だらけ。

けれど、その瞳は燃えていた。


そして彼女たちの心の中には――


「Bad Girls Tactics」という名が、すでに誇り高い称号として刻まれていた。

4人の少女、1つの戦術。

汚くても、勝てば正義。

「バッド・ガールズ」、始動──

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