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「クズプログラマーだった俺が異世界で美少女たちを強化し、影の軍団“レイス”を作った件」  作者: ジャクロの精霊


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102/111

最初の試練

訓練用の中庭は静まり返っていた。

ハルトはカオリを見つめながら、周囲を囲むレイスたちの様子を観察した。

それぞれの表情はまったく異なっていた。


レイナは腕を組んで真剣な面持ち。

リカは何か面白いショーでも始まるかのように笑っている。

マリは魔力コアを調整し、すべてを記録する準備を整えていた。

アイコは「これは化学的災害になるわね」とつぶやいている。

ミネットはぬいぐるみのサー・シエルを抱きしめながら興味津々。

セレネはやや不安げながらも、目を離さず見守っていた。


ハルトははっきりとした口調で言った。


「盲目的な信仰はいらない。欲しいのは行動だ。」


「俺のいた元の世界では、何年も報われずに働き続けた。

意味のない法律に縛られ、人々は搾取されていた。

ここで同じことは繰り返さない。」


「カオリ、お前がここに残りたいのなら、

ただの信者じゃないってことを証明しろ。」


その時、数人の兵士が鎖に繋がれた囚人を連れてきた。

数日前に捕らえたスパイだった。

簡単な相手ではない。薬物で怒りを抑えられているが、

その身体能力は常人をはるかに超えていた。


ハルトは命じた。

「試練は単純だ。勝てとは言わない。

だが、五分間生き延びろ。」


「円の外には出るな。」


地面にはハルト自身が刻んだ魔法コードが光っていた。


# Trial System: Kaori_Verification_Entry

if Kaori.resist(time >= 300 seconds) and Kaori.not_escape:

result = "accepted"

else:

result = "rejected"



カオリはごくりと唾を飲んだ。

「な、なにそれ? 五分も? あいつ筋肉モリモリじゃん!」


レイナが眉をひそめた。

「無理なら今すぐやめなさい。」


だがカオリは歯を食いしばり、髪が目にかかるのも構わず叫んだ。

「やります! 骨が砕けても、絶対にあきらめません!」


スパイが咆哮し、猛然と突進してきた。

カオリは地面を転がってかろうじて回避した。

「うわーっ、始まったーっ!助けてーっ……じゃなくて、意志の力っ、意志の力っ!」


敵の拳が彼女を吹き飛ばし、砂地に叩きつけた。

咳き込みながらも、彼女は再び立ち上がる。


「倒れない……!これは私が選んだ道なんだから!」


とっさの機転で、濡れた土を掴んで敵の目に投げつけ、数秒の時間を稼ぐ。

その隙に敵の足元を転がってすり抜ける。


円の周囲ではカウントが響いていた:


120秒……180秒……


敵の手がカオリの首をつかんだ。

涙で滲む目を見開き、彼女は叫ぶ。


「私は尊敬のために来たんじゃない!

自分の力で戦えるって証明するために来たんだ!」


最後の力を振り絞り、敵の腕に噛みついて抜け出し、

魔法の円の端に敵を押し返す。

その瞬間——


カウントは300秒を示した。


兵士たちがスパイを取り押さえる。

カオリはその場に膝をつき、肩で息をしながら、

傷だらけの顔に不器用だが誇らしげな笑みを浮かべた。


ハルトは立ち上がり、彼女に厳しい眼差しを向けて言った。


「お前には力も技術もない。

だが、最も重要なものがある。

自分の意志でここに立ったことだ。」


「ようこそ、ウンブラへ。」


カオリは両腕を高く掲げ、まるでスポーツの決勝に勝ったかのように叫んだ。

「やったーっ!やり遂げたーっ!

これで私、史上最強にクールな部隊の一員だーっ!」


レイスたちの反応は様々だった。

リカは面白そうに拍手をし、

レイナはまだ警戒を解かない。

ミネットは優しく微笑んでいた。

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