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プロローグ②

「こ、これが能力者の力なのか…」

 それは想像を絶する光景であった。街の至る所で兵士、住民、ヘッドホンを付けていない味方を問わず、耳を抑えながら苦痛と恐怖の表情を浮かべている。叫び発狂をしている者、泡を吹いたまま失神している者もいた。苦痛のあまり走り回っているものもいたが、銃撃音がした途端に躓いて転んだかのように倒れて、そのまま動かなくなった。地獄と比較しても遜色ない光景であり、生き残っていた他の兵士達もこの凄惨な状況に驚き、何の行動も取ることが出来なかった。


 ヘイニーも外の状況に唖然としていたが、ようやく一人の兵士だけがこの場所に直立していることに気づいた。それは最初に民家を出たフードを被った兵士であった。彼女を見ていると、遂にそのフードを脱いだ。

 ヘイニーは脱いだ姿に非常に驚いた。「え?」


 その正体はなんと年齢は15~16ばかりの少女であった。ブロンドの金髪で緑の眼を持っており、荒れた戦場に似合わない端正な顔立ちをしていた。しかしその少女には不格好の防弾ベストと迷彩のズボンを着ており、その頭にはバンダナをかぶっている。その可憐な少女は邪魔くさそうにジャケットを脱ぎ、そして奔馬が如く敵の拠点に走り出した。

「おい!」ヘイニーは彼女を追いかけ、ケルバもその後を追った。彼女から離れるのはお互いに危険であったためである。


 ケルバが追いついた所で、少女を追いかける状況にヘイニーは呆れて愚痴をこぼした。

「まったく、ガキのいる親の気持ちがわかったぜ。目が離せねえよ。この危険な状況で1人で行きやがって、猪突猛進かよ」

「いや、この能力がいつまで続くのかは分からないなら、このタイミングで素早く反攻に転じるのは正しいかもしれない。まあ、リスクはあるが」

 少女とそれを追いかける二人の味方の兵士を見て、気を持ち直したのか彼らの後に続いて1人また1人と敵のアジトに向かう兵士が現れ始めた。


 商店街の間にある小路に入ったためにヘイニー達は少女を見失いかけたものの、その奥にある丁字路で彼女の姿を捉える。しかしその場所には1人の敵兵が待ち構えていた。どこからか奪ったのか、轟音を発する能力を無効化するヘッドホンをかぶっていた。

 一瞬の出来事だった。少女は素早く銃を抜き三発の銃弾を敵に向かって放った。ヘイニー達が気付いたときにはもう兵士の腕は撃ち抜かれ、ヘッドホンは原型を留めなくなった。この男は轟音と激痛にのたうち回っている。少女はこの敵兵をすぐに追い越してアジトに向かって走り続けていた。


「あいつ…もしかして走りながら正確にヘッドホンと腕を撃ちぬいたのか…?」

走り撃ちで正確に目標に命中させるというのは難しい。走っているため狙いが安定せず、撃ったときの反動も相まって銃身がブレてしまい全く当たらないので鍛えぬいた特殊部隊でもなかなか出来ない技術であった。しかし彼女はそんなことをものともせず狙った所に的確に銃弾を当てていたのである。

「あいつ、本当に何者なんだ…?」

超能力によるものなのか。それとも本人の力なのか。ヘイニーは不思議がりながら呟いた。再び二人はあの少女を追いかける。

 途中余りの苦痛に自分で頭を撃ち抜いたと思われる敵の兵士を見かけ、ヘイニーはどれほどの苦痛なのかと一瞬想像し戦慄していた。能力者というものに再び恐ろしさを感じていたが、そのことについて深く考えている余裕はなかった。


 その後は特に敵に出会わずに敵の拠点まで難なくたどり着いた。今回の作戦目標であった敵の拠点は彼らが想像するよりも立派な建物であった。5階建てのコンクリート作りの建物であり、周辺の建物に比べると月とスッポンの差といえるほど大きな建物であった。また建物の外装もこの地域とは明らかに違うような普遍的な作りであり、機能性・合理性を意識したモダンな建築であった。内部は建物と非常によく手入れされている大きな庭で構成されており、多くの資金がこの建築に注ぎ込まれたのは容易に想像できた。

 また建物の周囲には人の三倍近くの高い塀に囲われており、正面以外では侵入は容易ではなさそうであった。おそらく正門は閉ざされており容易に侵入できないだろうとケルバは思ったものの、幸運にも正門は半開きの状態であり、そこには何人かの敵兵士が耳を塞いだまま倒れ伏していた。ヘイニー達はその正門を素通りしようとしたが、そこで大きな銃声と何発かの銃弾が門に命中した。


「見上げた忠誠心だなまったく…。」

ヘイニーはこんな状況でも健在な敵がいることに愚痴をこぼした。その建物のバルコニーのようなところにどこからか入手した轟音に耐えられるヘッドホンを装着し、作戦に対抗しようとする二人の屈強な兵士が待ち構えていた。

 しかしそれを見た少女はその二人に向けて素早く銃を構え二回発砲した。二人の肩に命中し、銃を手放させた。その少女の技にケルバとヘイニーは感嘆としていた。

「俺の手助けは不要みたいだな。ま、アイツが困ったときは俺の美技で救ってやるか。」

そのような冗談口にケルバと少女は目もくれずすぐに本拠地内部へ入り、ヘイニーもそれに続いた。


 内部の状況は外と同じく悲惨なものであった。強烈な轟音によって気絶するもの、精神に以上をきたし発狂して叫ぶだけのものや、異常をきたした者同士が撃ち合っている光景すらあった。通常であれば綺麗な施設だっただろうが、今はその面影もなく血とゴミと汚物と瓦礫でひしめき合う様相を呈していた。

「まったく能力者は凄いな。ここまでの惨状を演出できるとは…。どんだけヤバいのか興味が湧いてきた。一度ヘッドホンを外してみようかな」

「なっ、ヘッドホンを外すなバカッ!」

ヘイニーは冗談のつもりだったが、まさかケルバにこのように叱責されるとは思わず面を食らってしまった。

「ともかくこの場所のどこかにボスが潜んでいるはずだ。しかしここは広いからしらみ潰しに探していくしかない。ただこの様子だと1階には居ないだろう。俺は他の味方と合流して一応1階を捜索してみる。お前らは…」ケルバが二人に指示を出そうとしたとき、奥から数人の兵士が大きな話し声と共にゆっくりと現れた。ただ彼らは先程肩を撃ち抜かれた兵士二人と、轟音からかろうじて気を保っている兵士であった。

「クソ!ここは俺が食い止める。お前らは上に行ってボスを探せ!」

 ケルバはそう言いながら階段を指差した。ヘイニーはそれに頷き少女の方を見たが、すでに彼女は階段を上がり始めており、ヘイニーもそれを見て慌てて後を追った。


 階段を上がると綺麗に装飾は施されているがどこか無機質さを感じるような広間に出た。そこは広いテーブルにキッチンがありダイニングのような部屋であったが、前述の雰囲気から応接室の性格を強く感じた。ヘイニーは今回の敵の組織にこのような部屋を作るほどの資金力にあらためて驚いていたが、そうしている間にこの部屋に接続している左側の通路から急に敵が飛び出して来た。

「うおっ」

 ヘイニーは慌てて柱に隠れるが、敵はもうすでにヘイニーを狙いを定めていた。その時敵の後ろから少女が近づき強い蹴りを一発放った。敵は轟音によるダメージが重なり気を失ってそのまま倒れてしまった。ヘイニーは敵に違和感を感じたために、倒れた敵の様子を見ると、あることに気付いた。

「おいおい、耳から血が出てるじゃねえか…」

それを見てヘイニーは何故背後から近づいてきた少女に気付かなかったのか理解した。鼓膜を潰してこの轟音から逃れたのである。この組織に対する忠誠心に恐ろしさを感じ、早くボスをなんとかせねばという気持ちが強まり彼も少女とともに通路に赴くが、どの部屋にもいる気配は無かった。結局この階にはおらず、ヘイニーは脱出用トンネルのようなものを用意してボスはもうこの場所から居ないのではないかという気持ちになったものの、ケルバによる上層階を探すという指示を元にこの階に見切りをつけて仕方なく階段を登ることにした。

 次の階はまるで質素なホテルのロビーのような部屋であり、その奥には明らかに目立つ扉があった。明らかに怪しかったものの、ヘイニーは逆に怪しすぎて罠の可能性も考慮に入れていた。

「随分と目立つ扉だな…。いや、流石に目立ちすぎているしあの部屋には居ないか。」

「いや」

少女が突如として喋ったためヘイニーは非常に驚いた。

「ヤツがいるとしたらココだろ」

「お前、口が聞けたのか…。そ、それはいいとしてボスがこの部屋にいるのがどうして分かるんだ?」

「第六感ってヤツだよ」

「はぁ?」


 そう言い、少女はこの扉を力強く蹴破った。その部屋は他の部屋より明らかに金の掛けている量が違っており、まさに豪華絢爛と言っていいような部屋であった。有名な職人が手掛けた家具に、有名な画家によって描かれたと思われるキリンを描いた印象的な絵画が部屋の正面に大々的に飾っていた。そのイラストのそばには気を失っている側近とボスの愛人、そして泡を吹いたままの護衛が倒れており、奥には耳を塞いで苦痛に耐えている男と少年が居た。男は豪華なアクセサリーを体中に身に着け、服も何らかのブランド物だと分かるような上品さを醸し出していた。しかしその見た目に合わない髭を蓄え、人を威圧感与えるような顔であり、それは組織のボスの人相と一致していた。しかし、その顔も轟音によって情けないような表情になっていた。


 もう一人はあの少女と同じくこの場所に似合わないような純粋で清涼な雰囲気を持った普通の少年であった。彼の首の右あたりにはどの角度から見ても同じ形をしている不思議なタトゥーが付いており、これは能力者である証左であった。

「アイツがまさか…!?」

ヘイニーはこの少年が電磁パルスを発生させていた能力者だと察した。その直後、急にヘッドホンから小さなノイズが入ってきた。それと同時にボスと少年は耳を塞ぐのをやめ、苦しみから開放されたようであった。その様子から轟音を鳴らす能力が解除されたのは明らかであった。少年は未だに轟音のダメージに悶えていたものの、ボスは出口に少し這いずってから四つん這いになり、その場に立とうとしていた。そしてボスの注目はすぐに轟音から二人の侵入者に変わる。彼らを見つけてすぐさま反応を起こす。

「わ、私に近づくなぁ!」

 ボスは何処からナイフを取り出し少女の方へ刃を向けたが、少女は全く微動だにしなかった。それを見て不気味に思ったのか、倒れ伏していた少年を呼び出す。

「おい、ライ!あのガキをどうにかしろ!お前の母親がどうなってもいいのか!?」

 少年はボスに脅され、倒れている護衛の銃を取り、それを少女の方に向けた。しかし銃を持った手は少し離れているヘイニーでも確認できるほど震えており、それが彼の心境を物語っていた。少女は敢えて銃を彼の前に落とし、彼に笑いかけてこう言った。

「大丈夫。大丈夫だ。銃を向ける必要なんかないよ。」


 その優しげな表情と話し方の落ち着きようは彼に不思議と安心感をもたらした。その結果彼の心を大きく変えることとなる。彼は急に下を向き、涙を堪えるような仕草をする。彼は震えたような声で、

「僕には…、この人を、撃てません。撃てないんです…。」

 そして少年は嗚咽を漏らしながら部屋にこだまするほどに泣いていた。その音が落ち着いたあとにボスは彼に向かって怒号を吐いた。

「ク、クソサイコ(※1)が…!」

「もうお前を守るやつは誰も居ないよ」

 そしてもう一人の味方の兵士がこの部屋にたどり着いたようであり、もうボスの逃げ場所は無かった。ボスは辺りに倒れている側近や愛人、そして少年ライを見て、怒りに震えながら吐き捨てるように言った。

「クソ!クソ!どいつもこいつも役に立たねえ奴らだ!」


 ボスは怒りをまき散らしたあと、そのまま肩を落とした。少女はボスを捕らえるために近づこうとした瞬間、ボスは急に後ろの手を入れズボンに隠しておいた銃を素早く取り出した。少女は銃を手放し、さらにヘイニーともう一人の兵士は完全に油断しており、部屋の外に注意が行ってしまい反応することが出来なかった。

「伏せろ!」

 ボスが銃を構えた瞬間、少女とヘイニーはすぐさま近くにあった遮蔽物に隠れ狙われる事はなかったが、彼の怒りの矛先は少年ライに向けられた。ボスの銃は2回火を吹き、少年は倒れた。

「なっ…」


 その出来事の後、少女の表情が一変した。彼女の気迫に一瞬部屋がひりついた。

 その刹那、少女が瞬時にボスに接近した———。ボスは慌てて彼女に拳銃を構え直すものの既に懐に入られ銃を叩き落され、その武器は部屋の奥に飛んでいった。少女はボスの顔面に拳を顎に殴りつけ、そのままボスは仰向けに倒れた。彼女のその行動を見て、ヘイニーはすぐさまライの方に向かう。ヘイニーは傷の具合を確認したが、全く弾が当たらなかったようで幸いにして出血も少なく、かすり傷程度で済んだ程度であった。ただボスの方はそれだけでは済まず、少女はボスに馬乗りになり、そのまま何度も何度も何度もボスの顔を殴った。何度も何度も———。

 その光景にヘイニーは恐怖を覚え、それはライも同様であった。彼女がトドメの拳を上に振り上げたとき、ある男は彼女の拳を掴んで止めさせた。


「おい」

彼女の手を止めたのはケルバであった。彼女に諭すように呼びかける。

「もうやめろ。これ以上やるとボスの捕縛という任務を果たせなくなる。それにお前はコイツの葬式に参列したいのか?俺は御免だぞ。」

チッ、と舌打ちをし、少女はボスからゆっくりと降り部屋を出ていった。ボスは虫の息ではあったものの辛うじて生きていたためケルバは安心した。ケルバはすぐさま手錠を取り出しこの男を捕らえた。その直後、この拠点一帯を制圧したという報告が通信越しに彼らにもたらされて来た。こうして地獄のような戦いは幕を閉じたのであった。


 制圧した敵本拠地で、一人の兵士は捕らえた敵を怒りにまかせて殴打する。その暴行は激しく、まるで悪魔が乗り移ったかのようであった。

そこで他の兵士があまりにも見てられなかったようで、思わずそれを止めようとする。

「もうやめろ。戦いは終わったんだ。そんなんで憎しみを晴らしちゃいけねえって!」

「何を言う。コイツのせいで弟が殺されたんだ。今回はアイツにとって初めての任務だったのに…。俺は許すことが出来ねえ。」

「このままだと軍法会議だぞ。お前の弟がそれを望むと思うか?」

そのような一悶着を見ながら、ヘイニーとケルバは話し合っていた。

「――しかし、まぁなんだ。なんとか生還できたのはとんでもない能力者とあの少女のおかげとも言えますね。まさかあんな将来有望な若手が居たとは」

その話を聞いてケルバは笑う。ヘイニーは不思議そうな表情を浮かべる。

「あの子のことは色々と知っているぞ。聞きたいか?」

「是非お願いしますよ。正体を聞けずに帰ったら気になって眠れなさそうだ。」

「あの子の正体は—。」


「…君たちか、彼女のお守を任されたのは。」

ケルバが彼女の正体を言おうとした所でクリストフ副隊長が現れた。彼は二人を見て笑みを浮かべながら敬礼した。ヘイニー達も敬礼し返す。ヘイニーは現代の軍人には似つかわしくない腰に携えた長剣を見て、クリストフも能力者であることを理解した。

「あなたが例の、能力者部隊のアルフレッド・クリストファー()()ですか。」

()()()だよ。今回の件で昇格するかもしれないけどね。」

そう軽い冗談を言っていたが、全くその話に関心を持つことは出来なかった。どうしてもヘイニーはあの少女について気になっていた。折角能力者部隊の副隊長が来ているのを利用して、ヘイニーは彼に疑問をぶつけてみることにした。

「あの少女、一体何者なんです。おそらく()()()であることは俺にも分かりますが、それにしてもあまりにも強すぎませんか。」

「ん?あの子のこと知らないのか?名前を聞けばすぐに分かると思うんだが…。」

ヘイニーは名前を聞いていないことに気付く。最初に会ったとき名前を聞こうとしていたが、ケルバ小隊長が来て聞けずじまいに終わり、それ以降はそもそも彼女の名前を聞く余裕もなかったためである。

「実は名前すら知らないんです。」

「名前を言わなかったのか?って、まぁ…アイツは自分で名乗ったりはしないか。」

ヘイニーは彼女の正体をようやく知れると思い、息を呑んだ。

「彼女の名は——————


——————リア。オランダ出身。20××年5月25日生まれ。身長は170cmほど。容姿は金髪のミディアムであり緑眼で端正な顔立ちをしている。普段はアーミースタイルなファッションを着ており赤いバンダナを被っている。

反ICA ―国際協力連合(※2)のゲリラ「ユーラシアの夜明け」に所属する両親のもとで育てられたが、組織が壊滅した際に両親の身柄の安全の代わりにWFUに加入。それ以来WFU能力者部隊の特別訓練生として所属している。能力はWFUが情報を隠匿しているため不明。引き続き調査を続行する———。

※1 サイコ(Psyco)は能力者に対する蔑称。

※2 国際協力連合(ICA)はこの物語における国際連合(UNIC)の後継組織。世界大戦の反省から新しく作り上げた組織であり、UNICより規模が遥かに大きい。また世界軍事連合(WFU)はICAの下部組織である。

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