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プロローグ 神のみぞ

丸跋史格まるばつしかくと申します。作品を投稿するのは今回が初めてなのできっと至らぬ点も多々あると思いますが、どうか楽しんでいただけたら幸いです。


「――さて、それじゃあ始めようか」


 そこは他者の手の一切が加わらぬ、虚無に満ちた領域。

 誰の声も届かず、何者からの観測も受け付けない。


 どのような会話がなされ、どのような思惑がなされるのか。

 それらはその場に存在する、彼らのみぞ知るものだ。


 そして退屈を持て余した彼らは、ついに新たな舞台へと――


「さも話がまとまったみたいな雰囲気で始めるんじゃないわよ。まだやるとは一言も言ってないんだけど」


「まあまあいいじゃないかミィレセス? ボクは今、結構ワクワクしてるよ!」


「物好きなあんたに言われても何も思わないわよ。フェプトに乗り気なのはあなただけでしょうに」


「そんなことないさ。他の二人もボクと同じだと思うけど? ねえ?」


「前置きはいいからさっさと終わらせろ」

「……終わればなんでもいい。……早く寝たい」


「…………ほら?」


「どこが『ほら?』よ。どう見ても仕方なくってノリじゃない」


「おかしいなあ……こんな面白そうなことなのに」


「だからフェプトとあなた以外はそんなでもないの。ほらほらそういう訳だから解散解散」


「……ん? 解散? 何だ、もう終わったのか。早かったな」


「終わった……? ……じゃあおやすみ……ぐぅ……」


「うーん残念。まあこうなったら仕方のないことか」


「そういうこと。それじゃ、何かあったら呼んでまた頂戴。できれば面倒事以外で」


「――みんな、注目! 発案者がまだここに残っているよ! もうちょっと思いやりの心ってのを持ってもいいと僕は思うよッ!!」


「ちっ、あと少しだったのに……」


「聞こえてるよ、ミィレセス。せめてもうちょっと隠そうか?」


「ん? まだ終わってなかったのか? ならさっさと進めてくれ。何もしてないのは嫌いだ」


「ヴァリサークから頼まれちゃったのなら仕方ない! というわけで小言が入る前に話を進めます! それじゃあまずはヴァリサーク!」


「おう」


「君は世界の境界に穴を開けてくれ。できるかい?」


「ふむ、よくわからんな。だがわかった」


「頭の悪そうな解答でとても不安! で、次はレピリエだ。君は僕と一緒に世界を繋げる。時間の流れとかそういうことは君に任せるよ。わかったかな?」


「……わかった……たぶん……?」


「ミィレセス、君にやってもらいたいことは二つだ。対象者の選別とその保護は君に任せよう」


「強引すぎる進行ね……言っても無駄だろうからもういいけど」


「対象者の転移には僕が適任だろう。最後にラクトリット、君にはまとめ役をお願いしたい。みんなそれぞれが使えるようにね」


「大役だね。わかったよ」


「さてと……これで全員今度こそ自分がやるべきことはわかったかな? 不平不満不評、言いたいことがあるなら今だよ。もちろん聞き入れはしないけど。――おっとどうかしたかい、ミィレセス?」


「……今さらやらないとは言わないわよ。ただ本当にできるのかって不安なだけ。わざわざ協力してあげるんだし、徒労に終わるのだけは勘弁よ?」


「ははっ、何言ってるんだミィレセス。そんなのできるに決まっているだろう?」



「だってここにいる僕たちは皆――この世界の神なんだから」



 『人』より生まれ、『人』を知らぬ。そんな彼らは『人』の世界で何を見るか。


 その舞台の結末は――神ですら知り得ない。

次の話から第1章です。

書ききれるよう頑張って参りますのでどうかよろしくお願いします!

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