第一章 二節/食堂と姉とプリン
展開が早過ぎですみません。
和泉綾については一応無口キャラと設定しています。
西宮秋羅は妹キャラです。
さて二節では姉、幼なじみが登場予定です。
※以下見なくても結構です。※
私は情景をうまく表現することが出来ない上、上記にもあるように展開が早いです。
予めご了承下さい。
お気に入り登録して下さった方、閲覧して下さった方、ありがとうございます。
感想、レビューをするほどの作品ではありませんが募集しています。
ここはこうした方がいいんじゃないか等々の意見も募集しています。
長くなりましたが二節の始まりです。
長く生暖かい目でご覧下さい。
食堂に着いた俺たちは空いてる席を見つけることができた。
少しでも遅れると席が空いていない状態になるほど人で溢れかえる。
だから席を確保できただけでも幸運だ。
食堂には購買がありそこで売っているプリンが極上の味。
しかも限定20個のため争奪戦必至のメニューだ。
プリン目当てに4時限目の授業が終わった途端食堂へ駆け込む生徒も少なくない。
そんな大人気のプリンだが俺は苦労せず手に入れることができる。
それは後でわかることだ。
俺と柏木は会話を交えつつ弁当を食べ始めた。
「今回のテストどうだった?」
柏木はおもむろに訊いてきた。
「テストの話はもうやめようぜ…終わったことだし飯がまずくなる」
赤く着色された体に不健康そうなタコウインナーを箸でつまみ口へ運ぶ。
「今回も赤点ギリギリの低空飛行か…」
と柏木は玉子焼きを咀嚼させながら呟いた。
「赤点にならなきゃ100点も50点も同じことだ。気楽に行こうぜ」
「だな…」
思い出したくもないテストの話ですっかり空気が暗くなってしまった。
俺と柏木は黙々と弁当を食べた。
すると俺たちの沈んだ心とは正反対の歓声の声が入口付近から聞こえた。
歓声の理由は何となくわかるがわかりたくない気もする。
「お前の自慢のお姉さまのご登場だぞ」
入口の方を見ている柏木は馬鹿にしたように言う。
「それは言わない約束だろ…」
俺も入口を見るとやはり俺の姉がいた。
周りには男子たちが集まっており、姉は今日も苦笑いをしている。
いつも見る光景なのだがよくも毎日やっていられると思う。
「春霞先輩!俺のプリンもらって下さい!」
「俺のも!」
と男子たちは限定プリンを献上していた。
「毎日ありがとう。でも今日もいらないや」
姉は笑顔を振り撒くと持っているプリンを見せた。
「でもたくさんあった方がいいですよ!」
男子たちも必死だ。
「今、ダイエット中だからごめんね」
とあっさり一蹴し男子たちもさすがに後ろに引いた。
「また今度ちょうだいね」
とびっきりの笑顔で周りにいる男子たち、及び食堂内にいる男子たちが沸いた。
「お前の姉ちゃん相変わらず美人だな」
「あぁ」
確かに俺の姉は美人だ。
高校生離れしたスタイル。
どっかのアイドルにも勝る愛らしい顔。
性格もおしとやかで男心をくすぐる。
姉は席を探しながら歩いていた。
そんなときも男子たちは
「俺の隣空いてますよ!」
なんて騒いでいた。
それを見る女子たちの視線は凍死するほど冷たかった。
実は俺も今猛烈に寒気がする。
俺の隣が空いている…。
姉のことだ。
見つけたらすぐに俺の隣に座るに違いない。
そう考えただけでおぞましい。
だから見つかる前に一刻早くここから立ち去らなければならない。
「早く片付けろ」
冷凍食品の唐揚げをちまちま食ってる柏木を急かす。
「まぁ落ち着けよ、急がば回れって奴でな――」
「この場合意味が違うだろ?」
クソつまらないボケをかます柏木に苛立ちを覚えた。
「わざわざツッコミを入れるなんて律儀な奴だな、そして時既に遅し」
ほれ、と指差す。
ここで後ろを振り向いてはいけないと俺の第六感が警報を鳴らした。
「大丈夫だよ、まだ遠い所にいるから」
柏木を信じゆっくりと振り返る。
確かにまだ20メートルくらい距離があった。
笑顔を振り撒きながら空いてる席を探している。