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パンドラの箱  作者: ルシア
第一章・再誕
8/16

07界霊と響鳴

新生

sideルウの手記


私の夢はここ数週間でこの世界での常識とほぼほぼ変わらない事がわかった。

偶然の一致とは思えない精度を誇る私の夢は金髪の女と対峙した所で途切れている。


それ以外にも私の夢には何個か欠点があるのだ。

記憶の欠落と、記憶の矛盾である。


私の記憶の中のエンドはキトラと同じ力を持ち、腕なんてすぐに治す事が出来るような再生能力があった。

それをどうやって得たのかを探る必要があるだろう。


矛盾はセフィロトの木だ。

奴を探らないとならないだろう。


― ― ― ― ―

sideサード


さっきからルウちゃん、なんも見てないな?

まったく…酷い事だねぇ。


「ねぇ、フォース?ルウちゃんさっきからなんも見てないよ?」

「え?ほんと?」


ボクがそう言うとフォースがそう言ってルウちゃんの居る方を見る。

ボクは片手を振り上げ、音も無くフォースへと飛びかかった。


「【界霊】」


そう言うとボクの手に光が集まりそれが三本の大きな鉤爪へと变化した。

ボクはその手に精一杯の力を込めてフォースへと振り下ろす。


「…はぁ【響鳴】」


フォースがこちらへ視線を向け、指を鳴らすとボクは謎のなにかで吹き飛ばされた。


「どうせそんな事だと思ってましたよ、私にサードの行動がわからないと思ってたのかしら?」

「…ま、当たらないよねー…でも、それならー…」


フォースの全てを見透かしたような言葉にイラつきながら、軽口を叩きその言葉のあとにこう続ける。


単純な力で捻じ伏せるよ、そう言ってボクは鉤爪を弓へと変えて火矢を放った。

フォースがフルートを吹き始め、フルートの先から五線譜と音符の形をした物が現れてボクに迫ってくる。


五線譜は急速に迫ってきているが、コントロールはそこまで良い訳では無さそうだ。

それなら、この舞台での1番の安置はフォースの側だろう。


ボクは弓を盾に変えてフォースの元に駆け出した。

五線譜が迫り、盾を構え空へ跳んだ。


その盾に五線譜が当たりそうになり…盾を背面に構えてその盾から強風を吹かせる。

少し驚愕したかのような表情に代わり、盾を槍に変えてそれをフォースへと突き出す。


「残念ね、響鳴はこの程度で終わりはしないわ」


そう言ってフォースはフルートをオルガンのような物へ変える。


「フルートに意味はない、ただの触媒に過ぎないわ」


そう言ってフォースはそのオルガンを弾き始めた。

触媒さえあればどんな楽器でも作り出せるってことかな?


オルガンからは美しい音色と共に何本もの線が迫り来る。

それも別々にだ。


避けきるのは不可能なのはどう見ても明らか、ならどうにか隙を作るしか出来ないだろう。


「…どうにか出来る方法…」


必死になって考えるが思いつくより前にオルガンの線がボクの顔を貫いた。


― ― ― ― ―

sideフォース


…オルガンで顔を貫いたはずのサードが光となって消える。

幻影…その光は白い閃光へと代わり私はその閃光に包まれた。


目眩ましか、そう気づいた私は大地へ触れ、地面の下へと潜って行った。

そのまま地面のずっと下へと潜り、魔力を練っていく。


だがそのまま魔力が地面の下へ向かって吸い込まれて行った。

…出られない…どうしよう…。


「たーすけてー!」


そう言ったあと数分が経ち諦めた私はそのまま地面の中からフルートで地面を掘っていった。


― ― ― ― ―


…フォースが居ない…。


「ねぇ、これどうする?」


サードがちょっと困ったような顔で訪ねてくる。

でもこの結果だとアレしかないよな。


「…引き分けだ」


私は少しつまらなさそうにそう言った。

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