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パンドラの箱  作者: ルシア
第一章・再誕
3/16

02私は誰?

進行

sideルウ


黒い翼を持つ少年が私に微笑む。

彼は仲間に優しいし、リーダーシップがあり、私が最も信頼していた人物。

その名はエンド、私が最も愛した人。

彼に私は手を伸ばす。

そうすると彼の姿はかき消えた。


― ― ― ― ―

side風月十花


「やっぱり…ただ夢なのかな」


私が目を開けると、そこは見慣れたただの暗い部屋に変わる。

私は手を降ろし、ベッドから起きた。


「おはよ」


私は制服を着て髪を梳かしてから階段を下り、親に挨拶をする。


「おはよう」


いつも親はこれしか言わず、私は玄関を出るのだ。

私は10年程前に最初の夢を見た。

エンドがエンドとも分からず、最初は髪色程度しか見ることが出来なかったけど。

そしてその夢を見た後、私は車に轢かれた。


それから数年、私はエンドの夢を見なかったのだが…また突然夢を見た。

今度は声を聞けた。


『まったく…自分で手入れをしろよ?』


そう言う彼が私の髪を梳かす。

それはあまりにも心地よかった。


そしてその日、私は足を踏み外して数メートルを落下したのだ。

もしかして私が死にかけたら夢を見れるのでは?。


そんな頭のおかしい事を考えた私はその次の日、学校から飛び降りた。

そしたらエンドの夢を見たのだ。


死にかけると夢を見れると確信した私はそんな事を元気になったら繰り返し続けて私はエンドの夢を見続けた。

高校生になってからはそんな事をしなくなったけどね。


「おはよー!」


私はそんな事を考えながら登校し、教室のドアを開けた。


その日も私はずっと友達と話しながら授業を受けたり、給食を食べたりして過ごし、そして今給食の後の時間で友達と駄弁って笑うのだ。


楽しい時間だと思う、だけどなんだか虚しい感じがするのだ。

こんなのと馴れ合う意味はないってなぜか思ってしまう。


「十花さん!」


私に誰かが話しかけてきた。


「確か…城崎和也君…だったかな?」

「は、はい!少し付いてきてください!」


そいつはそう言って手を伸ばす。


「いいよ、行こ」


私はそう言って手を取らずに教室のドアを開けた。


― ― ― ― ―

side風月十花


「で?何の用?」


私は屋上で彼と話していた。

彼は手を私に伸ばして言う。


「風月十花さん!付き合ってください!」

「タイプじゃないです」


彼はそう言うが、私はそれをすぐに即答した。

私の好みには合わない。

私は彼を置いて屋上を後にした。


まったく…なんで私をこんな事で呼び出すんだろう。


そんな事を考えていると廊下で私はあの人を見つけた。

こんなところに居る訳ない存在が腕を組んでそこに立っていた。


「エンド…君?」


震える声で私はそう言った。

彼は私の声を聞いて振り返る。

エンド君は一瞬私を見つめ、走り出した。


「待って!」


私は彼を追いかける。

転んでもすぐに立ち上がり、怪我を気にせずどこまでも。


彼は立ち止まり、私を振り返る。

彼を捕まえようと手を伸ばす。


だが、その手が届く事は無かった。

私が重力に引き寄せられて…


気を失う前に見た景色は、迫りくるコンクリートだった。


― ― ― ― ―

sideルウ


「え…?」


今回みた夢は、金髪の女が指を鳴らす瞬間。

私が目覚め、そこにあったのはレンガ作りの暗い部屋だった。


― ― ― ― ―

side


その1日後、ニュースにて。

『女子高校生、風月十花さんが学校の3階から飛び降り、自殺をしました』

そう報道された。

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