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パンドラの箱  作者: ルシア
第一章・再誕
14/16

12王都アレル

11話を間違って投稿したまま放置してました。

すみません、ついさっき書き直しましたので出来る事ならば読んでいただければ幸いです。

sideメフィスト


あの後、エンドさんと共に旅を始める事になった。

ユグドラと、二人でエンドさんの話を聞きながらあるき続け、日が二度登って、二度落ちた。

村に居た時よりも充実していて、唯一の不満は足が痛くなる程度だ。


エンドさんの言っていた魔法のおかげで夜は焚き火でポカポカしながら寝れるし、連日温かいお水で水浴びが出来る。

それにエンドさんはイノシシとかシカだったりオオカミなんかを狩って、それをご飯にしてくれるのだ。


獲物を狩って、その死体を連れ回して血抜きをする。

そしてその工程を終えたのが私達の朝ご飯、昼ご飯、晩ご飯になるのだ。

最初は血の匂いが嫌いだったけど、村の頃も一応匂った事はあったからすぐに慣れた。

それに、鍛冶屋さんの匂いのような気もして悪くない。


でも、今日でその生活も終わりになるのだろう。

昨日の夜は帝国王都アレルの城壁が見えた所で寝たのだ。

今日も歩き始めており、城壁はもう大きく見えてきている。

そして、門が小さく見えてきた所でエンドさんは立ち止まった。


こう言う時は話しを始めるのがわかってきたので、私達も立ち止まる。

やっぱりエンドさんは話しを始めるようで、振り返って口を開いた。


「さて、そろそろ目的地である王都アレルに着く。そして、私の容姿はあまり見られていいものでは無いのはわかるな?」


そう言われ、ユグドラが頷いている。

白髪赤眼は宗教的な、神話的な問題で駄目と言うのはこの国では当たり前だ。

一応、私は村でシスターをしていたので普通の人よりはそう言う物に詳しい。


1番偉い悪魔がやらかして、その悪魔の容姿が白髪赤眼だからと言う理由だったはずだ。


「それで、それがどうかしたんですか?」

「さっき言ったようにあまり見られてはいけない容姿だから私は王都では隠れさせてもらう。見えないだろうが、私はお前達の近くに居る。だからユグドラ、どこからか声が聞こえる事があるだろうが混乱した素振りは見せるなよ?」


いいな?

そう言ってエンドさんはユグドラの返事を待っている。


「はい、わかりました」

「頑張れよ【影魔術・影渡り】」


ユグドラが返事をした途端、エンドさんがユグドラの影に落ちていった。

んん?

落ちた?


「え、エンドさん?」

「いや、エンドは居るぞ、声が聞こえてる」


そうなんだ…変な感じ。

声が私にも聞こえればいいのに。

そんな事を考えながら私達はアレルの門へと進んでいった。


「そこで止まれ、お前たちの身分証明は出来るか?」

「え?」


門の前に着くと門番からそう聞かれる。

私達の身分を証明出来る物…?


「すみません、辺境の村出身なもので…僕たちの身分を証明出来る物はありません」

「…そうか、少しの間待っていろ。憲兵を呼んでくる、兵舎で身分証を作ってもらってくるといい」


そう言われ、私達は門の中の詰所へと連れて行かれた。

木製の椅子に座らされ、出身地やここに来た経緯を聞かれる。

昔、ここから出た時は屋根から城壁の上に登ってロープを使って降りたっけ…


そんな事を考えている内に、兵士がやってきて私達を連れ出す。


「綺麗な街…」

「だな」


初めて見た時は夜で、人っ子一人居なかったけど、今は沢山の人々が歩いている。

キョロキョロと街を見回していると、兵士さんが綺麗な街だろうと話しかけてきた。


「はい!」

「そうだろうそうだろう。ここは私達が守っているんだ、この仕事は人々の笑顔を沢山見れるのが売りだな」


後、給料も高い!

そう冗談を言う兵士さんに私も釣られて笑ってしまう。


「そうだ!ここら辺でオススメの食べ物屋さんってありますか?」

「あぁ、あるぞ。ここらだと星空亭がオススメだな。あと、最近火の玉みたいなのが現れたから気をつけろよー」


そう教えてくれた食べ物屋さんへと思いを馳せながら歩いていくと、遂に兵舎へとたどり着いた。

そこでメフィスト、ユグドラと書かれた二枚の金属のカードを貰った。


紐で繋がれたそれを首に掛けて、お礼を言って兵舎を出る。


「ユグドラ、行こ!」

「うん、わかった」


星空亭、美味しいんだろうなぁ…

そう呟いているとユグドラに残酷な現実を告げられた。


「僕達、お金持ってないでしょ?」


そう言えばそうだった、悲しい。

悲しんでる暇がある訳も無く、ユグドラに手を握られて連れていかれる。

ずっと連れられて行き、急に止まったのでユグドラにぶつかってしまう。


顔を上げたらそこには大きなお城があった。


「お前達、ここがどこかわかっているのか?貴様らのような平民が来る場所じゃないぞ」


そう言って甲冑を来た騎士さんに止められる。

そしたら、ユグドラが華麗にお辞儀をして騎士さんに言う。


「私達はとある御方の使者でございます。レイド・ディア・アンセスター大公爵へとお伝えください。白銀が帰ってきた…と」


少し綺麗な服装も相まって、どこかの王子様みたいだ。

そう思っていたら、騎士さんに見られたので私も急いでお辞儀をする。

騎士さん達は少し話し込んだ後、こちらにお越しくださいと豪華な部屋へと通された。


「おい、お前は大公爵様への言伝を伝えてこい。さぁ、貴方達はここにおかけください」


そう言って、騎士さんは椅子を差し出して退出した。

ありがとうとお礼を言って座り込む。


「ユグドラ、この後どうするの?」

「知らないね、あいつに聞かないと」


あいつ、エンドさんの事だろうけどなんで名前を言わないんだろう?

…わかんないから後で誰も居ない時に聞くとしよう。


そう思っていると、何か変な音が聞こえ、扉から黒と黄色の物体がこちらに向かってきた。

恐らくソルでわからない人は居ないと思いますが、ソルラインと言うのは太陽の事です。

ちなみに月はルナレイゼといいます。

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