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パンドラの箱  作者: ルシア
第一章・再誕
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10ギア

私の付けたギアの意味は何個かあるけど、私の考えを当てたのは多分は歯車と何も考えてないだけであろう…

後2つくらいあるけど、一つは後一年くらいわからないと思います。

この作品出てこないし。

遊戯会の中でならぼんやり出てくる可能性あるけどね。

重い…


「これなら、もう捨てるか?」


あの龍のサンプルは牙だけでもいいんじゃないか?

殻なんて要らなくないか?

あの卵の殻があると飛びにくいし、なんか気怠くなってくるのだ。

しかし捨てると今度はレイに怒られるんだろうなぁ…


「…休憩くらいはしてもいいだろ、多分帰ってくるとは思ってないだろうし」


あんな龍の敵うとはルウも思ってないはずだし、今頃私の代理が出来てる頃…

帰る事を強制される理由無くないか?


帰らなくてもいいような…

まぁルウとかその他諸々が居るから帰るが…


「これでお叱り受けたらストライキしよう」


そうだ、それがいい。

あいつら全員連れて亡命もいいだろう。


「とりあえず、そろそろ村も近いし降りるか」


そう呟き、私は平原へと降り立った。

さすがに最果てにある村より辺鄙な場所に馬車の跡は無いが、人の目を気にしなくていいのだからそれも悪くは無いだろう。


世界に拒絶されたと言う、白銀の髪。

厄災と扱われるような物なのだから、私の存在を知らない者に見られたら厄災厄災と言われるだろうしな。

面倒な物だ。


「…以外と村、近かったみたいだな」


たった十数分で、草が枯れ地面が露出した道が見えてきた。

ここからそう遠くは無い場所に、村があるのだろう。


馬車も通る程には活気と交流もあるようだ。


「さて、どう進むべきか…」


右の村か、左の村か…

人に見られるのは極力避けたいが…


「…そこまで深くはないか…?」


目の前にある森とかもいいかもしれない。

そこまで荒れてる訳でも無いし、そこを進むとしよう。

いざとなったら飛べばいいしな。


「案外、悪くない場所だな…」


木々の隙間から当たる光が心地よい。

ゆっくり帰るとしよう。

だが、代わり映えしない森は正直退屈だ。


それもすぐに終わったようだが…


「捨て子か…?」


痩せこけた少年と、少し痩せている少女。

一部地域では餓死を防ぐために口減らしという物をするらしい。

子供を村から追い出し、村全体の飢餓を防ぐという物だ。

恐らくその口減らしに合ってしまったのだろう。


余り好きになれない手法だが、一つの集団としては正しい行為だ。

だが、救えるなら救いたい物だからな。


「そこの二人、どうしたんだ?」


私はやつれた彼らに話しかけた。

近くに寄ると少年が立ち上がり、倒れる。

…やはりもう限界のようだ。

少女は倒れた少年を庇うように抱きかかえている。


仲がいいのだろう、尚更救ってやりたくなった。


「…なぁ、青いの。事情を話してくれないか?」


そう言うが彼女は少年をもっと強く抱きしめるだけで喋らない。


どんな状況かによっては私が救えるかもしれないんだ。


そう言うとやっと彼女は小さな声で話しだした。


「…私は、メフィスト…こっちは、ユグドラ。村で一緒に居たけど…私達の親代わりみたいな人。カルラさんって言うんだけど…死んじゃって…」


ユグドラとメフィストか。

どこかで聞いたような気が…いや、絶対どこかで重要って出てきたはず…

どこだったかな?


とりあえず、この事情なら保護も出来るだろう。

いっその事この森に居るって言う盗賊に奴隷として捕まっていたというのもいいはずだ。


「わかった、私はエンドだ。その事情なら保護も出来る」


とりあえず食べ物を調達してくる。

そう告げて私は森を歩き出した。


― ― ― ― ―

sideユグドラ


「…メフィ…」


目が覚めるとあの森でメフィストが僕を抱きかかえていた。

何をしているのだろうか?


「ユグドラ、これ食べて」


そう言って差し出されたのは大きくて粗雑な作りのボウルにいれられたたくさんの肉が入ったシチューだった。

一体どこでこんな物を…?

そう訪ねようとすると僕の真後ろから声がした。


「やっと起きたか、速く食え」


メフィストの前に立ち、そいつを見据ようとするが力が入らない。

すぐに力が抜けて足から崩れ落ちた。


「ユグドラ…」

「はいはい、ユグドラがどれだけメフィストが好きなのかはもうわかったから速く食え。たくさん食ったら出発するからな」

「な…べ、別に好きって訳じゃ…」


弁明しようとするが、力が入らない。

そいつを見上げるとそいつは白銀の髪に、深紅の髪をしていた。

片腕が無いようだが、そんな事よりも、彼から視線を離せない。

猛獣の前に居る子鹿のように、全身に悪寒が走り回る。


僕らと村人は何かが違ったように、あいつと僕らも何かが違う。

白銀の髪、世界に拒絶された存在だからでは無い。

村人と僕らでは少しこちらの方が勝っていたように、僕らとあいつとは大きな差があるように感じられる。

厄災の子…


「とりあえず、おかわりもあるから食え」


しかし、敵意があるようには感じられず、彼から目を離さないようにして。

僕はそのスープをゆっくり口へ運んだ。


「…美味しい」

「おぉ、そうだな、よかったな」


こんなにたくさん食べれるのはいつ振りだろうか。

僕とメフィストと…

…あの人の名前、聞いてなかったな。

白銀の髪の人間は厄災の子。

忌み嫌われ、邪悪な心を持つと言われる者。


「お前ら、よく食うな」


そう言って笑うその人はとても優しそうで、とてもそれが厄災の子と呼ばれる者には見えない。

そして、彼の事をどこかで見た事がある気がする…


ずっと昔に…


「まぁいい、そろそろ食い終わっただろう?移動するぞ」


そう彼は言って、僕に手を差し出した。

僕はそんな彼の手を、しっかりと握り、立ち上がった。

覚えてないかもしれないけど、キトラと同じく脱走した3人の一人がメフィストとユグドラだよ

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