余命宣告
暫くすると無断欠席が見つかったのか、祖母に手を引かれ、俯いた君が学校へ来た。
祖母は酷く怒った様子で、返事をする隙も与えないほどに叱り付けていた。
君を教室へ手を引き入ると、逃げるなと言わんばかりに君を睨みつけ、帰って行った。
僕はまだ、見ていることしか出来なかった。
僕は明日、君と学校をサボってずっと遠くまで電車に乗って出かけようと考えた。
朝、君の家の近くで君を待ち伏せた。こっそり学校へ電話し、休むことを伝えた。
体調不良という事になっている。
君をつれて電車に乗り込んだ。長いこと電車に揺られ、5~6県ほど離れた街に降りた。
改札を出ると知らない街が続いている。
君と近所のホテルに一晩泊まり、また次の日電車に乗って遠くへと逃げる。
携帯は駅のゴミ箱に捨て置いた。君がいれば十分だった。
その日、改札を降りると、海が広がっていた
。裏には山が広がっている。踏切の音が心地よい。
日が暮れるまで、君と遊んだ。
君の長かった髪も、持っていたハサミで切った。
いつまでもこんな日は続かない。
持ってきていたお金も底を尽きる。
二人で空に広がる星を眺めた。
幸い、今は夏で凍えることは無かった。
君は持っていたペンと紙を持ち出して僕に言った。
「明日、私はここで死のうと思う。」
塩風に吹かれて揺れた、君の雑に切られた髪が僕を悲しくした。
「君が死ぬなら僕も死ぬよ。」
君と僕は、遺書をかき始めた。




