30年前との繋がり
タララララン、タララララン
ピッ
「はい、中村。」
「中村警部、30時前の抗争を調べたらとんでもないものを見つけてしまいました!今から署に戻って捜査本部に提出するつもりです」
部下の元気な声に、中村は驚き、顔がにやけそうになった。なにせ情報を掴んだのはこちらも同じなのだ。
中村は永野に自慢してやろう!と口を開いた。
「おい、永野。実はついさっき遺体の謎の文字が解読できたかもしれないんだ。聞きたいか?」
電話口の向こうで息を呑む音がした。
「マジですか!おっと。すいません。本当ですか警部?」
「ああ、マジだ。お前ちょっと通話が終わったらスマホで英語の筆記体を調べてみろ。あれは2ではなくQだったんだよ!」
「すごい、すごいですね中村警部!まさかあれが解けるなんて!わかりました後で調べてみます。お礼に一足先にこちらの情報を警部にあげときますね」
「ん?なんだ?ああ、たしか30年前のことを調べさせたんだったな」
「それがですね。なんと30年前の事件に斉藤がいるんです!」
「なにっ!どういうことだ」
中村は思わずツバを盛大に吐き出してしまった。
なんと、あの斉藤が見つかったというのだ。
あの最初の死体にあった「斉藤」が。
「どうもこうも、30年前の事件で死亡した刑事の中に斉藤という刑事がいたんですよ!これが無関係だとおもえますか?」
「一応、確認しておきたいんだが、お前斉藤の字はあっているよな?」
ガサゴソ
「・・・はい、確認しましたがあっています。あの斉藤です」
中村は手を握りしめた。
腕を胸の高さに持っていき、ガッツポーズをばっちりときめた。