第2の死体
3月15日 7:46
新たな死体が第3埠頭にて発見された。
死体には「a」の文字が刻まれている。
捜査本部は新たに見つかった死体の身元を確認すると、今度は1の死体の捜索をやめ、「2」「斉藤」「a」の関係を洗い出すことにした。
中村は部下に指示をだし30年前との関連性を探るように言いつけ、自身は影山の事務所へ向かった。
…………
ピーン ポーン
ガチャ
「どうぞ、待ってたわよ」
中村がインターホンを鳴らすとすぐに扉が開いて影山が顔を出した。
中村はすすめられるがままに部屋に上がり事件について切り出した。
「すまない。結局犯人にまた殺人を犯させてしまった。、、、、すまん」
「いいわ、許す。だってこれはどう見ても犯人が有利な事件だもの」
「警察に有利な事件なんてあるのか?」
「あるわよ。例えば迷子探しとか?」
「、、、、、、。」
「ごめんなさい、さっきのは気休めよ。でもやっぱり、中村さんが謝ってもしょうがないじゃない。だから、、、私は中村さんを許します」
影山の優しさが中村を癒していった。
中村の顔に力強さが戻ってきた。
「、、、、、。」
「中村さん、事件について話してください。何か見つかったのでしょう?」
「中村さん、私は相談屋です。どうぞ、相談してください」
中村は頷き、語りだした。
「実はあの後、散々かんがえて一つ目の死体からある紙を見つけたんだ」
捜査記録を取り出し、影山にみせた。
「これが死体の喉の奥から発見された。カプセルの中に入っていたらしい」
「斉藤、、、、どういう意味でしょうか?まあ、どこかの斉藤さんを意味しているのでしょうが」
「実は、第2の死体の身元は齋藤和樹というらしい。そいつのこともしれんな」
齋藤和樹、48歳。東郷組に所属する暴力団員。
「でも、さいとうの字が違いませんか?おそらくこの齋藤とは別物でしょう。何か他には見つかってないんですか?」
中村はaについて話すことにした。
「捜査記録の5ページをみてくれ。わかるか?新たに見つかった齋藤の死体には"a"という文字が額に書かれていたんだ。おそらくこれが犯人からのヒントだ」
a、斉藤、2
意味がわからない。
関連性が見当たらない。
しかし、この話をすると影山は頷き、語りだした。
「なるほど、そういう意味でしたか。なんて親切な犯人でしょうか?犯人の顔が見てみたいわ」
「どうした?何かわかったのか?」
「ええ、あなたは英語を筆記体で書いたことはありますか?」
そう言って、中村はaから順に筆記体を書き出した。
「みてください。この中に今回のメッセージが書いてあります」
中村は筆記体の書かれた紙を見た。
…………
「そうか、あれは2ではなくて筆記体のQだったのか!」
「そう、そして犯人からのヒントはa、2とは関係ないけれど2が英語だと分かればすぐに謎は解ける。そしてさらにAとQといえば、、、あれしかないのではないでしょうか?
Question とAnswerつまり、最初の遺体のメッセージはこうだったということになる。
(問題、、、斉藤)
この問題が解ければ犯人に近づけるわ!!」
読者の方も筆記体を検索して確かめてみてください。
参照はウィキぺディアの大文字筆記体です。
この筆記体を使っていたのがどれくらいの世代かもヒントになるかもしれませんね。