近代の悪魔
中村はボイスレコーダーを持って影山の元へ走った。
ピンポっ、ピンポ、ピンポ、ピンポーン
インターホンのボタンを連打した。
ガチャ
「真相が掴めたのね?」
全てを悟ったような顔をして影山が出てきた。
中村は家に上がり、ボイスレコーダーを再生した。
……………
「なるほど、そういうことだったのね。最初と2つ目の死体は荻原さんが犯人で、荻原さんの死体は小泉さんが犯人だったと。これで事件の真相がわかったわ!これで相談終了ね」
影山は満足気に微笑んだ。
「なあ、俺は事件の真相を副署長に任された。俺はこの後どうすればいい?」
「それは新たな相談かしら?」
「、、、、、、ああ、相談だ」
「これまでの相談とは別料金とみなすけどいい?」
「構わない」
「では、あなたはどんな結末を迎えたい?」
「暴力団のやつらはこのまま裁判にかけたい」
「いいの?彼らは小泉に騙されたんでしょう?」
「構わない。あいつらは悪だから。そして小泉も地獄に叩き落としたい」
「わかりました。ではそのボイスレコーダーを私に預けてください。あなたの願い、叶えます」
「何をするかは知らんが何かやる気だろ。いいのか?相談屋だろ?」
「どこまでが相談かは私が決めるわ」
影山はニコリと笑った。
中村はその笑みに寒気を感じた。
……………
4月6日 7:30、とあるニュースにて
「驚きましたね、まさか30年前に警察がそんなことをしていたなんて」
「ええ、でもミスターブラウンなる人物が音声データをネットに上げてくれたからこそ、この真実が明るみにでたわけです。いやーこのネット社会、何があってもおかしくないですねー」
「では、また証拠の音声を聴いてみましょうか?」
……
「小泉、何者かが30年前の警察と暴力団との大麻取り引きに気がついたかもしれない!」
「まて、焦るな。また、前みたいに情報を知った人間は消してしまえばいい。斉藤みたいにな。そうだろ?荻原?」
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。今回はQが2に見えることから思いついた作品です。
犯人が分かったことで、序盤に第1被害者がなぜ大人しく犯人について行ったかもお分かりでしょう。
他にも変わった作品を投稿しておりますのでぜひお楽しみください。
最終話は恒例の解説編です。
(実は5月1日に年号変わりました。何年後かに読んでくれている皆さんにサプライズ報告!)




