予期せぬ死者
(「小泉、あれを見たか?」
「ああ、あれか」
「何者かが30年前の警察と暴力団との大麻取り引きに気がついたかもしれない!」
「まて、焦るな。また、前みたいに情報を知った人間は消してしまえばいい。斉藤みたいにな。そうだろ? ***。」 )
………………
中村は署に戻って捜査本部に情報を提出しようとした。
すると突然、捜査本部に緊急通信が入った。
ツーっ
「こちら中警察署、菅原。中区の鶴舞公園にて刑事の遺体が発見されました。
荻原警視です。
至急鑑識を回してください。
繰り返します。鶴舞公園にて荻原警視の遺体を発見。至急鑑識を回してください」
「こちら本部、遺体は一名ですか?どうぞっ」
「こちらで確認できるのは1名のみです。どうぞ」
「了解しました。すぐに鑑識を派遣します。通信終了」
信じられないことがおこった。
なんと捜査本部の幹部を務める荻原副署長が遺体で発見されたというのだ!
中村は捜査記録を提出すると階段に向けて走り出した。
階段を2段飛ばしでかけおり、1階にたどり着いた。
鶴舞公園は中警察署のすぐ近くだ。
中村はパトカーをつかうより、走った方が早いと判断して現場へ急行した。
「こちら中村、鶴舞公園に到着した。現場はどこだ?公園が広すぎる。本部、正確な位置を教えてくれ!」
「こちら本部。加藤高明の石碑がある場所に向かってください」
「了解」
加藤高明の石碑。たしかにあそこはひと気がない。
中村には現場の映像が頭に浮かんだ。
ガサっ
ガサっ ジャリっ
砂利道を走り抜け、ようやく現場に到着した。
「中村警部、、、、、、、」
見ると、部下の永野は先に現場に到着していたようだ。ひどく悲しそうな表情をしている。
「ハッ、ハッ、、、大丈夫、落ち着け。落ち着け」
中村は永野に言った。
いや、この場合は中村自身に言ったのかもしれない。
「永野、現場をすぐに封鎖しろ。一般人を入らせるな!」
「わかりました!」
今やらなければならないことは現場の保存だと中村は判断した。
絶対に一般人を入らせない!
副署長の死を無駄にしてはいけない。
副署長を殺した犯人を捕まえて復讐を果たすのだ!
………………
3月15日 12:15 、現場に鑑識が到着した。
鑑識の活躍によって、現場からは複数の指紋が検出された。
さらに、荻原副署長の頭から「3」の文字が発見された。




