表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/17

はじまり

このお話は1週間に1話投稿予定です。

読者への挑戦は考えながら読んでほしいという意味で今回付けさせていただきます。


(試験があるため、1話、2話投稿時に返信が遅れる可能性がありますご了承ください)


「なんだてめえ、わしに逆らうつもりか?何様のつもりじゃ!わしにたて突いてタダですむと思ってんのか?えぇ?なんかゆうてみぃ!」


 男のどなり声がネオン街の一角から響いてくる。

 男の名は田中次郎、ここらを縄張りにしている暴力団の一員だ。


 田中次郎という名はいかにも偽名臭いが、これは偽名ではない。この名は次郎の母親がみんなから覚えられるようにとつけたものだった。


 次郎の母親の願いは叶ったのだろうか?たしかにここらでは次郎を知らぬ者はいなかった。

 次郎がことあるごとに事件に現れるからだ。

 しかし、いつも決まって次郎は直接的には事件には関わっていない。


 周りの人は次郎を変わり者として知っている。


 最近では、次郎は万引き犯の逃走経路を確保する仕事をした。


 なぜ、次郎は直接事件に関わらないか?それは次郎が小心者だからだ。

 さっきだってただ怒鳴るだけで特に何もしてはいない。


 周りの人はいつものことだと次郎のことを気にしていなかった。


「ちっっこの店はダメだ。店を変えるか!」


 次郎はそう言うと店の代金をきっちり支払って店を出た。

 まったく、悪人なのかそうでないのかわからない男だ。

 …………







 次郎は店を出ると、路地を進んだ。今度はなにをしてやろうか?誰にイチャモンをつけてやろうか?と考えながら歩いていた。


 すると背後から肩を掴まれ、グイと強い力で引っ張られた。


「アぁ?誰だてめえ?」


「***」

 次郎の肩を掴んだ男は自身の身分を告げた。

 すると次郎は急におとなしくなり、


 次郎は「すいませんでした。ダンナ、今日はついてまっせ!いいネタが入っているんですよ。話しますんで勘弁してください」と続けた。


 まるで主人に怒られた犬のようにキュッと背を縮めて、媚びるような目で次郎は男を見つめた。


 しかし、男は満足できなかったのだろう。手をこ招きして場所を移動するように仕向けた。


 次郎はおとなしく従った。

 いやだとは言えなかった。

 次郎はこれが人生の分かれ目になるとはこの時、思っていなかった。


 ………








 男について行くと、次郎は細い路地に出た。

 地面には酒瓶や吐瀉物が散らばり、とても綺麗とは言えない道だ。

 遠くではノラ猫がケンカしている声が聞こえる。


 人の気配はない。


 男が立ち止まって、こちらを振り返った。


 ここで話せということだと次郎は理解した。


 念のため「ここでいいんですかい?」と次郎が尋ねると、男は頷きを返した。


 次郎は口の周りをひと舐めすると、語り始めた。


「実はですね、最近、西田組の奴らがドラッグを売っているらしいんですよ。しかもその売人が俺らの島にまで最近入ってきやがるんです。確か、今度は売人の奴、伊藤酒店の裏に来るらしいって言ってましたね」


 次郎はこんなモンでどうですか?と男を見ようとした。

 すると、男が、いきなりコートのポケットからスタンガンを取り出して、次郎の首にスタンガンをあてがった。


 次の瞬間、次郎の顔に恐怖が浮かんだ。


 しかし、もう遅い。





 暗い路地がピカリと光り、何かが崩れ落ちる音がした。


解説編は5月になる予定です。

一通り話が進んでから考えたい方は3月初め、4月中旬、5月初めに読んでいただくとちょうど良いと思います。


この物語はフィクションです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ