第二十二話 負の感情
シリアス偏終わりませんでした。ごめんなさい!さらに更新遅れてごめんなさい!その代わりに2話同時更新をします。次の話でシリアスは終わりですので長々と続くシリアスを何とぞよろしくお願いします。
「…五星王だと?」
「そうさ、このくらいのことは知ってるよね?」
「…あぁ、全てを統率するという目的のために集まった真の王の中でも最上位に位置する五人の総称…」
「クスクス、だいたいはね。」
そこでレルドが口を挟んできた
「お前がオレを操っていたというのか…」
レルドの体は怒りのせいなのか、震えていた
「クスクス、僕はちょっと君の手助けをしてやっただけさ。人類を滅亡させようとしたのも、君の親友であるサイロを信じず裏切ったのも、全部君の意志さ!」
「く…」
「だがサイロに変装したのはお前だろ」
「!…クスクス、またもやご名答。でも僕はちょっとレルド君は僕の目的のために利用させてもらった、そしてその代わりに僕はレルド君の目的に手助けしてあげた、単純なギブアンドテイクさ」
「ふざけるな!」
「レルド、あまり大きな声を出すな。傷口が広がる」
「…くそぅ!」
「…さて、そろそろ本題に入ろうか。まず僕がここにいる目的は何だと思う?」
「…真の王、覇王の力の見極めもしくは抹殺だ」
「クスクス、正解。でも僕の目的は他にもあってね」
「…むしろもう1つの目的のほうが本題だろ?」
「クスクス…よく分かったね…だったらもはやこうやって時間稼ぎをしていても意味はない
…僕の名前はハイラ、鳥本君、ちょっと殺させてもらうよ」
といってやつは一本の槍…ジャベリンを召還する。
…こいつは…強いな。レルドとは段違いの魔力を感じる。
「…来い」
「…いくよ」
ズバシャアァァァァ
上空から俺に向けて槍がハイラとともに高速回転しながら落ちてくる。
だが俺はそれを見極め横に避け
「覇王の鉄槌!」
ハイラが地面についた瞬間を狙い攻撃を繰り出す
「おっと」
だが避けられる。
「『ヘルスピア』!」
闇の槍がとんで来るが俺は難なく避ける。
「覇王の領域!」
ズバズバズバズバ
ブシュー!
「!」
ハイラの全身に無数の切り傷ができ、そこから大量の血が吹き出す
「クスクス、さすがにやるね、鳥本君」
しかし、それを何とも思ってないみたいだ。
「クスクス、『ダークネス・オーブ』」
「!くっ」
俺が後ろに下がると同時に目の前に漆黒のカプセルが現れる。
…あともう少しで閉じ込められるところだったな
俺はそのまま相手と離れて距離を取る
「クスクス、逃げるのかい?」
「逃げる?ちがうな
…覇空!」
「!」
ドガァァァァァァァ!!!
ハイラが吹き飛ばされた
「くっ!やるね!今のはどうやったんだい?」
「笑いが消えたぞ。今のはただ単に凝縮した殺気を飛ばしてお前に当てただけだ」
「そぅ、さすが殺気の扱い方は完璧だね鳥本君」
「さて、とっとと決めるか」
「それはこっちのセルフさ」
「覇空連!」
「『バル・ジャベリン』!」
俺は覇空を連発するが、闇のエネルギーによって相殺される。
「『スピル・デス』!」
ズガガガガガガ
ハイラが闇の魔力を纏った槍を持ち突進してきた。
「瞳変更、聖眼!」
「!」
俺は闇の魔力をかき消す。
するとハイラのスピードが急激に落ちた。
「そして覇空!」
「…くっ!
『アイアン・ウォール』!」
俺が覇空を放つとハイラの前に鋼鉄の壁が出現した
「…だが、効果は無いな」
「くっ!」
鉄の壁をすり抜けて覇空がハイラに当たる
俺の殺気による技は生物以外の物質は全てすり抜けてしまうからだ。
「はぁはぁ…くっ」
「どうした? もうばてぎみになってるぞ。」
(…さすが『覇王』の称号を持っているだけあるね…このままでは間に合はない…まぁ、まだ手はあるけどね)
「クスクス、交代の時間だよ…ミレル!」
ミレル? それは誰だ?
ぶわっ!
するとハイラの周りに煙が立ちあげ
「キャハハ!よろしく!ミレルよ」
「!…多重人格のようなものか…」
煙の中から出てきたのは同じく中性的な顔立ちをした、長い金髪をした少女だった。ちなみにさっき俺がつけた傷は全て無い。
「…不味いな…時間は後5分ってとこか」
「キャハハ!『アックス・ダレスト』!」
「今度は斧か」
ミレルが斧を召喚し、俺に叩きつける。
…だが
「やはり遅い!」
俺は横に避ける。
「それはどうかな?」
「何だと!?」
すると今度は横からハイラが槍で突く
「くそっ!覇掌!」
槍が俺に届く前に二人とも殺気で弾きとばす
「…ふぅ、なるほど。最初から二人だった訳だな。だが今までは魔法により一人の体を媒体とし、複合していたってとこだな…」
「よく分かったね鳥本君、そうさ」
「私たちは」
「二人で」
「一人よ!」
「…そろそろ俺も本気でいくか」
「キャハハ!じゃああれを見てよ!」
ミレルが指した方向にあったのは澄色の水晶、それはハイラとミレルのはるか後方に存在した。その中にいたのは
「…アークか!」
傷だらけのアークがとじ込まれていた。どうやら今は眠りについている様子
「クスクス、僕たちと賭をしよう鳥本君。アレは後5分程で覚醒をする。それを君が止められたら君の勝ち、覚醒したら僕たちの勝ち、これでどう?」
「…話している暇は無いな」
「キャハハ!でもこんな真っ白な風景をバックにして戦うんじゃ味気ないよね!『フィールドチェンジ』!」
グゴゴゴゴゴゴ
するとまるで瞬間移動したかのように一気に風景が変わる
「…地形を作り替えたのか」
「キャハハ!ここはうっそうとした森の地形!これじゃあ水晶の位置もみえないよ!
「クスクス、しかもこの木々は鋼鉄の数百倍は硬いしね」
「…こんな森があっても普通は気配で分かるだろ」
俺は水晶に向けて走り出す
「クスクス、『ブラック・ジャベリアス』」
「キャハハ!『アクシム・ダーク』」
しかしやはり二人は俺の前に立ち塞がる。
闇の魔力を纏う槍と斧が俺に迫る
「覇掌!」
だが俺は一撃で二人を吹き飛ばす
「クスクス、『ピル・ソニック』!」
「キャハハ!『ピル・ソニック』!」
だがすぐに体制を建て直し、超スピードのレーザーを放つ
この速さは起動が予測出来ても俺の体の反応が追い付かん
ズシュ
「つっ!」
一つのレーザーが俺のわき腹を霞めた
「キャハハ!」
「クスクス、一般人の肉体ではとてもこの速度にはすぐに反応しても避けきれないよね?」
「…」
「…ならオレが相手だ!」
急にハイラとミレルの背後に現れたのは…
「…ここは任せたぞ、レルド…」
「レルド君か…何故君が鳥本君に協力を…」
「…これは協力などではない…俺は絶対お前を許さん!『ゼルスレア』!!!」
「キャハハ!!!私にとってはそんなことどうでもいいよ!『ゼルスレア・ガトリング』!!!」
「クスクス、確かにね。まぁとりあえずここは任せたよ、ミレル」
〜fromアーク〜
…ここはどこだ?
暗い…暗黒の空間だ…一切の光も無い…空気すら無い…だったら僕は何故こんなところにいれる?もしかしたら僕は…死んだのか?確か突然現れた魔王に殺されて…
「ソウダ、オマエハコロサレタノダ」
誰だ!?僕に語り掛けてくるのは…
「オマエハマオウニコロサレタノダ」
うるさい!僕に語り掛けてくるな!
「マオウヲニクイトハオモハナイノカ?」
…魔王? 憎い?
「ジンルイハマオウニヨリセンメツサレヨウトシテルゾ」
…
「フロアモコロサレタ」
!
…何だと!?
「シンジルカドウカハオマエシダイ…」
…信じたく無い…でも、でも…
「ニクメ、ニクメマオウヲ!」
…魔王…お前だけは僕が絶対に倒す!
「サァイケ!サスレバオマエノチカラトナラン…」
うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
〜fromトリモト〜
「…間に合うか!」
俺はとにかく水晶に向けて走っていた…
後おおよそ100mに達したところで
ピカァァァァァァァァア!!!
水晶が光りだし
ぶわぁぁぁぁぁぁ!!!
「コ…ロ…ス…!」
そして、アークが圧倒的な魔力、どす黒いオーラを放ちながら中から現れた
辺りの木々は根元から折れ、しかもエネルギーを一気に失ったように枯れ、土と化した
「くそっ!間に合わなかったか!?」
「クスクス、どうやらゲームはこっちの勝ちみたいだね」
急に隣からハイラが現れた。
「…あぁ、お前らのもう一つの目的、それは『アークの真の王への覚醒』、…前々からやつには真の王になれる素質はあるから感づいていたんだが、まさかこれ程の魔力とは…しかもこれは負の感情によっての覚醒…お前らの思うツボということか」
「その通り、しかも負の感情によっての覚醒だから、僕らの思うがままに操れる…行け!」
「リョ…ウカ…イ!!!『エターナル・ダーク』!!!」
「」
アークが俺を攻撃を攻撃しようとしたとき
「待ちなさい!魔法王!!!」
ピクッ
アークの動きが止まる
「!」
突然アークと俺の間に立った人物、それは
「フロアか…気配は感じていたが何故ここに来た?」
「…トリモト、あんたを追っていたらたどり着いたのよ。状況が良く掴めないけど、とりあえず魔法王がピンチだということは分かったわ」
「そうか」
「どうしたのさ?アーク君、早くフロア君ごと吹き飛ばしてよ?」
「…リョウ…カ…」
「待ちなさい!魔法王!」
「…ワカッタ…」
「アーク君、早くしてよ」
「魔法王!」
「…ぐあぁぁぁぁぁ!!!」
すると突然アークが頭を抱えだした
「どうしたの!?魔法王!」
「…まさか…こんなことが…起きるとは…予想外だよ…」
…まさかとは思うがこれは…
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「…これは…自らの負のオーラを真の王の力とともに再度封印するつもりか!?」
「!…そんなことはさせないよ!負のオーラを強めてやればいいだけの話さ!」
「させるか!覇王の鉄槌!!!」
「クハッ!!!」
俺の拳がめり込むと同時にハイラが血をはき、そこらにあった木をぶち抜けて倒れた
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「く…アークのほうは不味いな…負のオーラが今でも強すぎる…!」
するとそのとき
バサッ
「…魔法王…落ち着きなさいよ…」
「!!!」
フロアがアークに抱きついた
「落ち着きなさいよ…魔法王!」
「…だから」
アークの唇が動いた
「僕の名前は魔法王ではなぁぁぁぁぁぁぁい!!!アークだ!!!!!」
「…魔法王!」
フロアの瞳から涙がポトリポトリとこぼれおちる
「この、この馬鹿魔法王!!!あんたがいなかったら…私は…私は…」
「……ありがとう、フロア」
アークはフロアを抱き締めた
「…さて、そう浸ってる場合では無いぞ」
「キャハハ!その通り!」
「確かにね…」
そこでハイラが立ち上がり、ミレルがやってきた
「…レルドはどうした」
「キャハハ!死にかけていたから楽にしたよ!」
「!」
「レルド…?魔王のことか!」
「アーク、お前はとりあえず静かにしてろ」
「…?」
「…僕たちの目的は失敗だね…ミレル」
「キャハハ!だったらここにいる全員殺しちゃおうよ!」
「!」
「クスクス、そうだね。行くよ、ミレル」
「キャハハ!全魔力解放!」
奴らは闇のエネルギーを全て放つつもりか
…威力は地球を数個分余裕で消滅できるほどだろう…
「ちっ!瞳変更…!」
瞳変更を使おうとしたら俺の膝が地面についた
「く、瞳変更を使いすぎたな…この肉体のままで使うにはさすがに無理があったか…」
「『ナイトメア・オブザワールド』!!!」
その瞬間闇の魔力が全解放された
次回、シリアス編(一時的に)終了!