第十八話 真の王(リザルトキング)
まだシリアス編は続きます。
…しかし今回ちょっとだけコメディーが戻ってきます。
〜fromトリモト〜
「オレの…オレの両手がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
『魔王』レルド・サラブの絶叫が響きわたる。
そりゃそうか何せ訳の分からないうちに両手が血すらも出ずに粉砕したんだからな。
「真の王でもない『ただの』魔王が俺に勝てるはずが無いだろ。」
「ただの魔王だと!?オレは、オレは魔王だぞ!」
「馬鹿が。お前が魔王だったら俺は…そうだな
…俺は『覇王』だ。」
オレの言葉と同時にレルドの体に無数の切り口が入る。
「――!」
「だから言っただろう。俺とお前とでは全く強さのレベルが違う。
俺がちょっと指パッチンしただけでも全身から血が吹き出て死ぬぞ。だからアークをどこにやったのか教えろ。」
「………良いだろう。教えてやる。
ただし、お前が死人になったあとでな!『リバース』『ダークジュネライト』!」
レルドの切り口が一瞬で消え、両手が再生した後、やつは漆黒の鎧を身にまとった。
「殺す、殺してやる!」
…やっぱりこいつは馬鹿だな。これだけの実力差を見せつけられてもまだ戦いを挑むとは。
…やれやれ
〜fromリエ〜
「かなり強い力が…一つ…」
私は近くにあるようで遠くにあるようではっきりと分からないが、とにかく強い力を全身に感じていた。
「天の行進、天昇脚!
この方向は…図書館!」
…私は力がある方向に向かって一直線に走り出した。
そぅ、図書館へと。
〜fromトリモト〜
「舐めるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!『ダーク・ゼルスレア』!」
「瞳変更、聖眼!」
漆黒の剣を俺は聖なる眼によって相殺する。
「くそがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
さっきからあいつがいくら攻撃しても何一つ俺にダメージを与えてはいない。
「だからもう一度、一字一句変えずに言ってやろうか?
俺とお前とでは実力差がありすぎる。どうせお前は勝つどころか逃げることも出来ない。アークをどこにやったのか答えたら、最低限のことは保証してやるから、とっとと白状しろ!」
「うるさい!うるさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!『インパクト・ジャネスト』!」
ウォォォォォン
何だ?今の音波は…成る程、破壊の音波か。
「うるさいのはお前だ!」
破壊の音波が消滅する。
「くっ!『ダレス・パレル』『サイル・ピル』『ガイア・ソフラス』!!!」
前方から無数の極太レーザーと黒い立方体と流星群がとんでくるが俺は右手を振るだけで消滅した。
(はぁ、はぁ…オレは魔王のはずなのに、なぜこんなただの人間に負けている?魔王だぞ!オレは魔王…なのか?)
「もう終わりか?
そもそもお前なんていなくてもアーク一人探すのなんて、簡単なことだがお前に最後のチャンスを与えてやろう。
命は助けてやるから情報を提供しろ。
…それとももしかしたら逆に俺に聞きたいことでもあるのか?答えられる限りのことなら3つまで質問を許してやろう。」
「はぁ、はぁ………………………真の王とは何だ?教えろ!」
「真の王のことか。
…真の王。
簡単に言うと。全てを統括し、全てを従える。それほどの力と知識を持った者の血筋を受け継ぐ者のことだ。
何も人間に限ったことでは無い、微生物から神、実際には存在しないかもしれない生物まで幅広く真の王は存在する。それらの者は冥王、海王、帝王、という感じに称号を持ち、それに合った能力を持つ。次の質問は?」
「…お前は…人間なのか?」
「あぁ、俺は正真正銘の人間だ。能力を使わなければただの一般人、雑魚だ。それに能力を使っていても肉体は一般人だ。」
「成る程…」
「今さら俺に不意討ちをくらわそうとしても無駄だ。」
「くっ」
右手に魔力をためているのが見え見えだ。
「さて、もうそろそろアークの居場所を答えてもらおうか。それともまだ俺に聞きたいことでもあるのか?」
「……………お前は何故知り合ってからまだたった数週間のやつに対してこの世界に来てまで探そうとする。」
「…その質問の解答は至って簡単だ。」
「その答えは何だ!」
「…面白く無いからだ。」
「…面白く、無い…?」
「…パズルってな、どれか一つでも欠けてしまうと、もう二度と完成することは無い。
例え新しいピースを代わりにはめたとしても、決して元には戻らないんだ。
それと同じ。誰か一人でも消えてしまったら、少なくとも面白くは無い。
…つまらない理由だろ?だがお前にもそんなときがあったはずだ!」
「…何だと!?何を根拠にそんなこと言える!?」
「さっきのお前が攻撃している間に読心瞳でお前の心の中を覗かせてもらった。」
「!『ガイ「もうおそい。」くそっ!この鎖は何だ!」
レルドが鎖によって両手両足を封じられた。
「お前はもうすでに俺の罠にかかっている!」
「な、何だと!?」
「お前は俺の瞳変更、催眠眼によって幻覚を見ている。」
「これが幻覚だと?」
「そうだ。もうお前の自由は奪われた。」
そして周りの殺風景な白だけの景色が農村の風景へと変わる。
「これは何だ!?…いや、どこかで見たような…」
「そりゃそうだろ。なんせここはお前の過去の記憶の中を忠実に再現しているからな。これからお前の記憶を俺が直接見せてやる。」
「止めろ!止めろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
〜fromミドリ〜
ボガァァァァァァン
「!」
私は今、鳥本様の命令により図書館に誰も入れないようにしていたところです。
そうしていたらいきなり壁が崩壊してそこから出てきたのは…
「通せ。」
色々とやる気じゃなくてむしろ殺る気満々の梨恵様でした。
…どうしましょうか?私は戦うのは苦手だし、鳥本様の命令にはほぼ絶対だし戦う他無いですよね。
「…こっちから強い気がする。」
「ちょっと待って下さい。梨恵様。」
「どうした?もし私の邪魔をしたら……………………………………………………」
「思いつかないのですね。」
「五月蝿い!」
あ、ちょっと怒らせてしまいましたね。
まぁいいです。怒らせておいた方が動きも単調で楽ですし。
「炎球!」
っていきなり攻撃ですか。火の球がとんできました。
「……時空の繋ぎ目。」
…とりあえず梨恵様の攻撃は別世界に送るのが精一杯です。
あ、出来れば遊鬼様等がいる世界に送れればいいですね。他の人達には迷惑では無いし。
…これから梨恵様の攻撃は全部そこへ送るようにします。
「!」
でも梨恵様は驚いている様子です。
「水花判!」
でもまだ梨恵様の攻撃は続きます。
…はぁ、正直めんどくさいです。
ぶっちゃけレルドと鳥本のほうはほぼ100%シリアスで緑と梨恵のほうはコメディーバトルです。