第十七話 空白の空間
今回はかなり短いです。あとシリアス偏はまだまだ続きます。ちなみに今回は新設定とか盛りだくさんです。
それにしても何か最近スランプで書きたいことがうまく書けません。
〜fromトリモト〜
人の『知識』無くして発生し、一つの世界と世界を繋ぐ通路が、なりかけの段階で止まってしまい、その通路の中に途方も無く広い亜空間が出来てしまう。それが『空白の空間』だ。
そこには水も空気も光も無い。それらが出来るようなことはいくらの年月をかけても無い。よって入りこんだだけで間違いなく死んでしまう。
…普通だったらな。
アークはもはや間違いなく『空白の空間』に入り込んだ…だが何かがおかしい。
時間眼で見たところまず最初にアークは何もおきて無いのにうろたえている。…幻覚か?
次に辺りに白い霧が立ち込めた瞬間にアークが消えた。しかしその事にアークが気付いた様子ではない。
…どうして白い霧が出てくるんだ?今までの山上財閥がかき集めた『空白の空間』の情報の中でもこんなことはおきていない
…誰かが細工した以外に考えられないな。この情報から意図的にアークを『空白の空間』に連れ込んだと思う方が自然だな…誰だ?アークに恨みを持つ者か?それともアークを利用して俺を狙っているのか?はたまたその両方か…
「鳥本様。」
「…緑、すぐに帰れると思うが一通りの処理は任せたぞ。」
「はい分かりました鳥本様。すぐに帰ってきて下さいね。あと入り口はもう開いておきました。」
「あぁ、気が利くな。それじゃあ行ってくる。」
俺は『常人には見ることが出来ない』空白の空間への入り口をくぐり抜けた。
(…どういうこと?鳥本が…消えた!?…こうなったら)
その後すぐに透明魔法を使ったままのフロアが『空白の空間』への入り口に入っていった。
〜fromサクラ〜
…桜です。今私は…あの人を探しています…
「桜。部屋にはいなかったわよ。」
「…(コクリ)」
…空香の方も見つけられなかったみたい…
「うーん、他にアークが行きそうなところって無い?」
「…図書館…」
「それじゃあ今度は図書館に行くわよ。桜。」
「…(コクリ)」
***
「ここが図書館ね…」
「…(コクリ)」
…一回も来たこと無いの?
「それじゃあ入るわよ。」
「…」
私たちは図書館の入り口に入る…すると。
「あれ?ここはどこ?」
「…」
…私たちは図書館の南入り口からちゃんと入ったはずなのに何故かいきなり東入り口から出ていた…
「…戻るわよ。」
「…」
…今度は東入り口から入ったはずなのに私たちは西出口から出ていた…どういうことなの?
「鳥本様の命令なので、図書館には入れません。」
図書館の内部にいるメイド長の緑が呟いた。
〜fromトリモト〜
「…ここが『空白の空間』か…」
俺は『空白の空間』…白い一直線の通路にいた。
…それにしてもこの情景は何だ?明らかに山上財閥の記録に残されているものとは違うな。
それにここには空気がある。気圧も濃度比率も地球のものとほとんど変わらないな。
…明らかに山上財閥の記録に残されているものとは違う…空間によって個別差があるのか…いやそれはあり得ないな。やっぱり何者かが作り出しているとしか考えられん。
ガサッ
ん?何の音だ。
[[[ジィィィィガァァァァァ!!!!!]]]]
突然俺の目の前の地面が盛り上がり、三匹の超巨大なガーゴイルが現れる。
…まぁ、ここなら誰も見てないしな。それにしてもこいつらの鳴き声は何だ?…まぁいいか。
「瞳変更、石化眼!」
俺の瞳が灰色になった瞬間、三匹のガーゴイルは石像と化した。
…この三匹は誰かに操られているということがまるで無いな。
…おおよそもう一つの『繋がる予定だった』次元から来たのだろう。
さて、この『空白の空間』の広さは定められていないから歩き回って探していたのではキリが無……
「『ゼルスレア』!!!」
「…そこか。」
突然背後から多数の剣が襲いかかってくるが俺は軽く避け、その内の一本を何も無いはずのところに投げる。
バシッ
そして空中に剣が止まる。
「…何でオレがここにいると分かった?」
「殺気で普通に分かるだろ。このぐらい。」
俺に攻撃してきた本人が姿を現した。
姿形はまるでアークだが髪の色が違うし、アークでは無いな。
ちなみに俺がさっき投げた剣はキャッチしたようだ。
「それにお前は誰だ?」
「山上 鳥本。お前は何だ?」
「…オレの名前はレルド・サラブ。魔王だ。」
「そうか魔王か…『空白の空間』を作り出したのも、空間内にこの環境を作り出したのもお前の仕業だな。あともう一つ聞きたいことがある。
…アークをどうした?」
「…魔法王なら…消した。」
「ほぅ?…『どこへ』だ?」
「…まさかそこまで感づかれているとはな…
とにかく『この世界』にはいない。」
「成る程…それじゃあお前以外だれも見ていないのなら俺もちょっと本気が出せるな。」
「オレと戦うつもりか?『魔王』だぞ。
かかってこい。圧倒的な実力差を見せつけて、ちょっと強いだけの一般人がオレに勝てるはずが無いことを改めて思い知らせてや………………え?」
「残念だな。偽物の魔王が俺に勝てるはずが無いだろ。」
と俺が言った瞬間に相手の右手が粉砕し肉片と化した。
やつは何がおきているのか理解出来てないもよう。
そりゃそうか、今のはちょっと強いだけのやつにはとても見ることも不可能な攻撃だったからな。
「く、くそが。一体何がおきた!?オレの腕が腕がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!それに偽者だと!?ふざけるな!オレは正真正銘の魔王だ!」
「その腕を破壊したのは俺だ。圧倒的な実力差を理解しろ。
それに魔『王』を名乗るのは勝手だ、しかしお前は『真の王』では無い。」
「何だと!?お前がオレの腕を、それに真の王とは一体…」
「お前に答える必要は無い!」
次の瞬間あいつの左手を粉砕した。
(…何を言っているの?それに魔法王と姿が似ているあいつは誰?)
その頃二人の様子を遠巻きに見ていたフロアはそう思っていた。
ぶっちゃけ鳥本が本気を出せば梨恵よりもはるかに強いです。
さらに緑だって謎の力をもっています。
他にも「えっ!?あのキャラが…」的な展開はあると思いますが見捨てないで下さいね。