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逃走
マジかよ…!
丸腰の相手に、オレは死の恐怖を味わっていた。目が合っただけなのに、こんなの初めてだ。
武術は子どもの頃からしていたが、緊張感とか、殺気を感じたとかとは全く違う恐怖。
どうしよう、逃げたい。でも目の前に居るのはたぶん自分と年も変わらないような若いやつで、しかも丸腰だし、そもそも自分は殺しあいじゃなくて依頼をしにきただけであって…!
「おい…」
「消えろ。」
瞬間、体が勝手に動いていた。
あとはもう、脱兎のごとくである。
膝が笑って超ノロかったけれども。