俺と魔女の出会い
「ねえ、知ってる?この世界には魔女がいるんだって」
「知らんねえ」
「少しは興味持てよ。」
「だって、魔女って物語の中とか、2次元だろ?」
「分かってないな―」
「何がだよ」
「居るんだよ。魔女は」
「ハア?」
魔女がいる?ここは2次元じゃないぞ。
「まあ、頭の固い君には分かんないだろうけど」
「なんだとぉ!!」
「大丈夫。頭の固い君でも魔女ぐらいは会えるよ」
「俺頭固くねえ!」
「この前の算数のテスト何点だった?」
「77点だ」
「微妙な点数だね」
「そういうお前はどうなんだよ」
「100点満点」
「負けた!!」
また負けたよ!こいつには敵わねえ!
「知ってるかい?魔女はこれくらいできない灰になって消えてしまうんだ」
「え、そうなの?」
「少なくともどっかの神父さんがいってた」
神父って神を祈る人じゃないの?なんで神父が魔女のこと知ってんの?
「多分、あと3年後に会えるよ」
「なんで?」
「何故かって?そんなの決まってる。あたしは・・・」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
急に目が覚めた。
なんかよく知んないけど懐かしい夢を見た。
その夢はクラスの女の子と魔女の話をした夢だった。
はっきりと言えばこの女の子の名前は覚えてない!なぜならその女の子は3年前に突然居なくなってし まったからだ。
確か、いつも100点を取っていて運動も抜群の女の子だったはず。
あれ?そしたらなんで名前は覚えてないんだ?
そして女の子は何を言おうとしたのか、最後の言葉は・・・なんだっけ?
確か・・・忘れた。考えても仕方ないのでその話は置いとく。
俺はすぐ目の前にあった時計を見る。10時30分・・・。
「あああああああああああ!!」
そうだった!今日は友人(悪友)と出掛ける日だった!学校サボって!
行かないと俺の命が危ない!
俺は急いで準備する。
俺は食パンを銜え、
「行ってくる!!」
全力ダッシュで俺は走る。
てかなんで俺食パンを銜えて走ってんだ!?これってあれだよね!?
少女マンガとかで出てくる寝坊した女の子がパンを銜え急いで家を出て
曲がり角で何かかっこいい男とぶつかって女の子が一目惚れするってあれでしょ!?
だれにもぶつかりたくない!せめて女の子とぶつかりたい!
あ、曲がり角発見!ぶつからないように気をつけよう。
おっとあんまりよらないほうがいい。ぶつかるし。
そして曲がる・・・が、
ドンッ
ぶつかる。
「いたた・・・。」
食パンが落ちる。そして食パンは近くにいた少し変わった白猫に食べられる。
俺は顔を上げる
今日は天気がいいからまぶしくて顔がよく見えない。
あ、ぶつかった人が手を差し出す。摑まりたくないがありがたく摑まらせてもらおう。
差し出した人の手をつかんだ。手はでかくてごつい。これ女の子のてか?
そして立ち、礼を言う。
「ありがとうご・・・ゴリラ?」
「誰がゴリラだ!!」
「あ、秀介。」
こいつは高杉秀介。俺の1番の悪友だ。
はっきりと言うとゴリラではない。俺がこいつを見たときに思い浮かんでゴリラと言っただけだ。
「よお。雛斗。ゴリラは置いといて寝坊とは何なんだあああああ!!」
雛斗とは俺の名前だ
「まあまあ落ちついて。俺だって好きで寝坊したんじゃないんだからさ」
「お前、昨日何時に寝た?」
「3時59分!」
「ほぼ4時じゃねーか!!」
「ちゃんと寝ようとしたよ!1時には寝ようとしたよ!けどさ布団の中に入っても寝れないんだよ!仕方 ないから羊を数えたよ!羊を1000匹以上数えても眠れなかったんだ!」
「ばかかああああああああ!羊1000匹数えるぐらいなら授業での居眠りはやめろ!それが1番良い!」
「なっ!こ、こいつ・・・スト――カーか?」
「オレはストーカーじゃねえ!」
「じゃあなんで俺の居眠り知ってんだ!?」
「そんなの決まってる!お前はいつも先公に怒られてんだろうが!」
「な!その瞬間を見てるとは秀介はやっぱりストーカー?」
「断固否定だ!」
俺たちが言い争ってると、
「ママ―、あの人たちケンカしてるよー」
「指さしちゃだめでしょ」
「でもー」
「早く行くわよ」
「えー」
「なあ秀介、移動しないか・・・」
「ああ、同感だ・・・。こんな場所でケンカしていても何にもあれだしな」
そして俺たちは違うところに移動した。
「で、秀介、俺を呼んでどうしたんだ?」
「ああ、その事なんだが・・・。」
「?」
秀介は言う。
「お前に会いたい奴がいるらしい」
「え、」
「よく分からんがはがきで届いたんだ。」
はがきだと・・・。なんで秀介のとこに届くんだよ。
「はがき持ってきたから読め」
秀介からはがきを受け取る。
そして俺ははがきを読む。
「えーと、『高杉秀介様、いきなりこんなものが届いて申し訳ございません。こんなはがき、いらない ですよね・・・。』・・・」
なんてネガティブなんだ。
「『私はあなた様ではなく神宮雛斗様に用がありました。しかし、神宮様の郵便番号を知らないので高杉 様の郵便番号にしました。どうかこのはがきを神宮様に届けてください。私は神宮様に会い、
お話がしたいのです。どうかこのはがきを神宮様に渡してください。お願いします。
あ、待ち合わせは・・・森の中です。どうぞよろしくお願いします』・・・森の中?」
え?森の中の何処?もし僕が森の中に行ったら迷子になるよね!?
「ねえ、秀介・・・て、居ない!?あいつ逃げたなああああああ!!
しかも森ってどこの森だよおおおおおおお!そもそも森に名前ってあるのかあああああ!?」
落ちつけ。神宮雛斗。名前が女の子らしいが俺は立派な男子中学生だ!2年生だぞ!
「とりあえず森に行ってみよう。なんか分かるかも」
森って言ってもこの辺にあるっけ?よし人に聞いてみよう
え~と近くに人は・・・あ、発見!
「すみませ~ん」
「・・・?」
俺が喋りかけた人は銀髪で青い瞳の人、身長は俺の背の10cm小さい少年だった。
「この辺に森はありませんか?」
「・・・?」
てかなんで俺より年下の人に・・・?しかも日本語通じてないような・・・。
その前に森はありませんかって聞いた時点で何この人?っていう反応だし。
「え~と森を探しているんですがこの辺にありませんか?」
なかなか返事してくれないのでもう1回言ったがなかなか返事が無い。
「え~と・・・」
「・・・」
ヘルプミー。意味は助けて。酷くすると私を助けろ。まあ、そんなことはどうでもいいんだけど・・・
「・・・」
「・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
沈黙が長すぎる。
本当に誰か助けて・・・
「おーい!こんなとこにいたのか!」
ん?誰だろう?紫髪に黒い瞳。第一印象は変な人。だってカメラとか、手に盗聴器みたいな物があるん だしきっと変な人だ。
「えー・・・とこの辺に森はありませんか?」
「ん?森ならこの先をまっすぐ行けばあるよ?」
「ありがとうございました!」
「んじゃっ森まで頑張れよ~森男」
「・・・」
断じて言いましょう。森男ではありません。
誰かに会いに行くために森に行くんです。
心の中でそう思い、俺は変な人に教えられた通りにまっすぐ進んでいった。
そして森の中・・・。
ここどこ?私は誰?まではいかないけど本当にここどこ?
なんで森なの?
男なの?女なの?差出人は?
名前を見ると「魔崎夏夜」と書いてある。
魔崎夏夜・・・?聞いたことあるような無いような・・・
でも今は森を一回出たい。出よう。うん。
・・・出口は何処だ?出口ってもんが無いと俺出れないんだけど。
途中で熊とか蛇が出てきたらどーするんだよ。これ。死んだふりでもするのか?
多分効かないがな。
とにかく出口を探そう。歌を歌いながら。
「ある~日、森の中、くまさんに~出あったああああああああああ!!!」
「があああああああ!!」
なんと、森のくまさんを歌ってたら熊が出てきた!
「俺は美味しくないっ!!」
「があああああああああ!!」
「ねえ、聞いてる・・・?」
「があああああああああああ!!」
熊さんは聞いてない。そりゃあそうだろう。熊さんですから。
「があああああああああああああああああ!!!」
熊がこっちにくる。当然逃げる。
「がああああああああああああああああああああ!!」
「うわああああああああああああああああああ!!」
森の中を逃げ回る。熊は速い。
「死ぬ!死ぬ!殺される!噛み殺されるううううううう!」
ああ!この森入んなければよかった!熊に捕まって噛み殺される!
熊なんかに襲われたら終わりだ!!けど俺は、俺は・・・
「こんな森で死ぬわけにはいかねえええええ!!」
「そうさ!!君はこんなところで死ぬわけにはいかないのさ!!」
「!!」
青く光ってる矢が熊に向かって飛んでくる。そして熊に刺さる。しかし矢はすぐに粉のように消え
熊の刺さったところは血などは出ていなく、熊は無傷だった。
俺を追いかけていた熊は俺を見た瞬間追いかけてこなくなり、熊は怯えるように帰って行った
「な、なんだあの熊?」
俺の顔そんなに変だったか?
「あの熊は私の撃った矢が刺さって、矢の効果であの熊に幻覚を見せたのさ」
僕の目の前には、ピンクのセミロングに青い瞳、服装はTシャツを着ていて上はパーカーを着ている。
下は短パンを穿いてる。耳にはインカム。頭にはなぜか猫耳を付けていおり、
手には赤く燃えるような弓を持っている少女がいる。
「え~と、誰ですか?」
「あ、私は君の友人みたいな人にはがき送った張本人さ」
「あ、お前なの?」
送ってきたのが女の子だと・・・?これはついに俺にもモテ期が・・・!!
「あ、違うから」
「お前はエスパーか!!」
「実際はこれのおかげなんだけど」
女の子は自分の頭に付けていた猫耳を外した。
「この猫耳、付けると相手が思ってることが分かる優れもの
名前は地獄猫耳。」
「え、」
だから俺の心の中が分かったのか。
あと、すごい名前の猫耳だな。名前だけで怖いぞ。その猫耳。
「え、お前が造ったのか?」
「うん」
「すげー」
「これくらいはまだ朝飯前さ」
「ふ~ん」
俺にはムリだな。うん。
「で、聞くの忘れてたが、お前は誰だ?」
「え、忘れちゃったの?同じクラスだったのに」
俺は、はがきをポケットから取り出して名前を見る。
ああ、思い出した。魔崎夏夜。テストのときは毎回100点で運動神経も良い。
たけど、魔崎夏夜は6年生の夏休み明けに突然転校して行ってしまった。
確か俺はがっかりしていたのかもしれない。
多分俺は、夏夜のことが好きだったのかもしれないし。
今はどうだか分かんないが。
「え、もしかして、魔崎夏夜か?」
「うん。私がそのはがきをだしたの。魔崎夏夜として」
「お、お前が魔崎夏夜・・・」
「正確に言えば魔崎夏夜は仮名なんだよ」
「仮名・・・?本名は?」
「本名はテルト・ストリカ・アイムトルレロンっていうんだ」
「長っ」
「私はまだ文字数少ないほうだよ~」
少ないほうなのかよ
「本名は分かった。で、お前は外人なのか?名前が長いし、カタカナだし」
「違うよ」
「え、」
「外人でも日本人でもない」
「はあ?」
「あれ?また忘れたの?」
「忘れたのってお前なんか言ったか?」
「言ったよ」
「うそ、」
「ホント」
「じゃあ、お前はなに人だ?」
宇宙人とか、未来人とか、異世界人とか、
「残念ながらハズレ」
「おい、付けていたのかよ」
あの猫耳がテルトの頭に付いてる。
「本当に忘れたみたいだね。神宮雛斗。」
「!?」
急にフルネームで呼ばれたからビビったわ・・・
「私は、魔女。だよ?」