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AI小説だって、簡単じゃない

作者: 冷水
掲載日:2026/02/01

 私は、プロットを自分で考えて、文章出力の一部をAI作業に任せる、というスタイルを取り入れてみた。

 その結果、最初は苦手な部分をAIに代替させて簡単に思えていたのに、長編になるとクオリティを担保するのが大変だった。

 結論を言ってしまうと、AI利用すれば定期更新できるかもと思っていたが、労力があまり変わらずに続けられなかった。



 そもそも、創作で定期更新する事の、とても難しいこと。

 理由はいたって単純。生きる為に仕事をするが、仕事で精神をすり減らしながら、創作という「生み出す作業」のモチベーションの維持が難しかった。

 仕事で嫌な事があれば、筆は進まない。

 上司と口論になった記憶に引きずられれば、ハッピーエンドの盛り上がるシーンを書く事なんてできない。

 バッドエンドのシーンを書こうとすれば、逆に楽しい気分で書いていられなくて、自分を苦しみの状態に置かないと書けない(これはあくまで、私の創作スタイルだけど)とか。


 世間では「AI使えば簡単に小説書けるんだろ」みたいな風潮があるだろう。

 でも「AIを使って読める文章を書く」って、すごく難しい。

 一定以下のクオリティを足切りするのには向いているかもしれないが、一定以上のクオリティを出力できるなら、それはある意味で「才能」に思える。


 一応、以下にAI利用のメリットに感じた部分とかを挙げてみる。


・AI利用のメリット

 1:挿絵が作りやすい(AI生成)

 2:誤字脱字などが見つけやすい

 3:プロット通りに、仮文章が作りやすい


・AI利用のデメリット

 1:1万文字以上の、内容の整合性が取りづらい

 (複数のAI、およびノベル向けAIを使ってみたが、あまり変わらなかった)

 2:苦手分野(例えば恋愛など)の要素をAI代替させても、面白くならない

 3:AI側からの提案・アイディアが壊滅的


 何と言えばいいのか。

 私の創作スタイルと合わないだけな可能性もあるが、自分が納得する文章を書くのに苦労して、AI利用をしたはずなのに。

 AIを利用すると8割くらい駄文を出力してくる。

 残りの2割を自分なりに盛りに盛って、やっと完成品になるイメージ。


①AIは冗長な文を許さない。人間の情緒を表す無駄な文章を出力してくれないし、校正段階で削除する

 例)以下、その典型的な例を書いてみようと思う。


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AI利用の良いパターン

冷水著:人物Aの短編

 人物Aには、夢があった。

 それは、猫のように自由に、日向ぼっこしながら寝て、ネズミを見つけたら狩りをして、飼い猫ならば人間に獲物を自慢して、撫でられたい時だけヨシヨシされて生きていきたい。

 しかし、人間の社会では許されることではない。

 そんな人間は社会不適合の烙印を押されて、排除されるからだ。

 だが見つけた。

 VTuberになればいいと!


AI利用(上記を入力して膨らませるパターン)

 人物Aには、夢があった。

 それは、猫のように自由に生きることだった。

 日向ぼっこをしながら眠り、ネズミを見つけたら狩りをして、もし飼い猫であれば、人間にその成果を誇示する。


 しかし、人間社会において、そのような生き方は許容されない。

 社会は規範と役割によって成り立っており、そこから逸脱する存在は「不適合」と見なされ、排除される傾向にある。


 人物Aもまた、その現実に直面していた。

 自由を求める心と、社会に適応しなければならないという現実の間で、葛藤していたのである。


 だが、ある時、人物Aは一つの可能性に気づいた。

 それは、VTuberになるという選択肢だった。

 仮想の存在として活動すれば、人間社会の制約からある程度解放され、理想に近い生き方が実現できるのではないかと考えたのだ。


---

 上記、私が書いた短編と、AI修正をした文章。

 この例では、悪くない完成度かもしれないが、説明的な文章が多く目立つようになったのが分かると思う。

 この調子で1万文字以上となると、かなり疲れる文章になる。

 人間が書く場合、適度に力を抜く部分があるのに対して、AIにそういうのを求めるのは難しい。




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AI利用の駄目なパターン

冷水著:人物Bの短編

 雪が降ってきた。

 年末の忙しさが始まる少し前。

 今は平日の昼間、無人駅には私しかおらず、世界から取り残されたような静けさに包まれていた。


 コーン、コーン。

 不快感にも思われる、合成音が耳に響く。

 ホラー物語なら、ここから不穏な物語が始まるだろう。


 数人しか乗っていない列車が到着した。

 田舎にある列車など、採算が取れてるかも怪しい。

 これから行くのは、ハローワークであり職業安定所である。

 仕事を辞めた。

 サービス残業なんて過去の遺物だと思っていたのに、令和の時代でも形を変えて存在している。

 先月までの上司の言葉が頭をよぎる。

「片付けは、仕事じゃないからタイムカード切ってからやってね」

 結果、慣れない新人は1時間くらい帰れない状態になるのだ。


 クソすぎる。

 みんな思ったのではなかろうか。労働基準監督署に通報すればいいと。

 結果――労基なんて入っても良いことは起こらない。

 労基違反で何度か指導を受けても、その度に起こるのは「次から、承認があれば残業として認めるようになったから」と。

 その承認を得るのに、仕事が終わらなそうなら、昼すぎから部長や課長に連絡して、わざわざ紙の書類を揃えるように指導された。

 小言を言われ、やりたくもない残業を、さも自分がやりたがっているかのように嫌味を言われるのだ。

「若いから、稼ぎたいのは分かるけどさー……」

 何を言ってるのだと、頭にきた。言葉にはしないが。


 だからみんな「……面倒だし、またサビ残になるか」と先輩社員が諦め始めた所から、結局のルールが元通りになった。

 その繰り返し。

 

AI校正

 雪が降っていた。年末前の平日昼間、無人駅に利用者はおらず静かだった。

 駅の案内音が鳴り、列車が到着した。乗客は数人だった。


 私はハローワークへ向かっていた。仕事を辞めたためである。

 前職ではサービス残業が常態化しており、上司からは「片付けは業務外なので、タイムカードを切ってから行うように」と指示されていた。


 労働基準監督署の指導が入ったこともあったが、会社は「承認があれば残業として認める」という制度を設けただけだった。

 その承認を得るためには、事前に管理職へ連絡し、書類を提出する必要があった。

 結果として手続きが煩雑になり、多くの社員が申請を諦め、再びサービス残業が常態化した。


 この状況が繰り返されていた。


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 個人的な感想になってしまうが、人間視点での「情緒」というのか。

 例えば「踏切の音が、不穏な未来を暗示させるような文章」というイメージで書き始めて、着地としてブラック企業の救いようの無さを書こうと思っているのに、AIで修正させると、それらをすべて「無駄」とされて消されることがある。


 これは、あえてそういうプロンプトで作ったので、すべてのAIがこうではないが、長文になればなるほど、そういう傾向が強くなる。


--

AIに完全に書かせた文章

AI著

「ずっと前から、言おうと思ってた」

彼女は視線を合わせず、指先をいじっていた。

私は心臓の音がうるさくて、何も聞こえなかった。


人が緊張する場面では、視線を避けたり、無意識に身体の一部を動かしたりする行動が見られる。これは心理学的に「自己防衛反応」と呼ばれ、強い感情を伴う状況で多く観察される。


また、このような反応は対人関係における重要なコミュニケーションの場面で顕著に現れる傾向がある。特に、告白や謝罪といった感情的負荷の高い状況では、言語情報よりも非言語的な仕草が相手に与える印象を大きく左右する。そのため、人間関係を円滑に保つためには、言葉だけでなく態度や表情にも注意を払うことが重要であると考えられている。


---


 これが、大切な告白シーンで、こういう文章を出す事もある。

 例えば簡素な文章しか出力しないから、無駄な肉を付けるような指示をして、こうなってしまう。


 心理的な緊張に対して、さらに無駄な文章を付ければいいというものでもないのに。

 AIでは「この場面では、こういうパターン」みたいな、人間の機微にしたがって文章を書くのが苦手みたいだ。

 いずれは、この部分さえも越えてくるAIが現れる可能性はあるが、今はそんなAIは存在していないのだ。



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 まとめ?

 

 改めて、世間では「AI使えば簡単に小説書けるんだろ」みたいな風潮があるだろう。

 某サイトで、上位を独占したとか、著名な賞の最終選考に残ったり選ばれたり、というニュースが聞こえてきたり。

 でも、AI利用って、今のままだとまだ不完全さが目立つように思う。


 あとは、文章内の著作権的な問題。

 AIは、学習元のせいなのか、唐突に「まるまるコピーした文章や表現」を張り付けてくることがある。執筆中の今の作品とは全く別のことをいきなり投下してきたりする。

 そういうのがあるから、批判されるべき部分ももちろんあるかもしれないが。

 特に、汎用AIに文章を校正させたり、続きを書かせたりすると、明確になぜか読み込ませた情報とは全く違う内容になることもある。



 個人的なまとめ。

 私は今まで、何作品もエタらせ(更新停止させ)てきたが、理由が「この物語を書けるテンション・モチベーションじゃなくなっちゃった」というのが大きい。

 自分の中にある世界を表現する。物語を小説として出力する。

 これはとても大変で、苦しい行為。


 悲しい物語を、楽しい時に書けないように。

 楽しい物語を、職場で苦しんで帰ってきた週末に書けないように。


 商業作家や、コンスタントに書ける人はすごいよ。

 だって、私は趣味だから、命を賭けて書いてないからかもしれないけど、書きたい想いはあるのに、書ける精神状態じゃなくなる事が起きるのだから。



 最後に。

 世に批判されるような、AIを利用すれば簡単に小説が書けるみたいな論調について、私は意見を投じたいと思った。

 最終着地点を見失ってしまった感があるが、以降の内容は、皆様の心の中で。


 対立意見は受け付けていません(レスバはしません)が、

 感想欄に「AI利用・AI小説に関する意見」を書いて頂けたら幸いです。


 もっと上手くAIを利用できれば、更新を待ちわびてくれてた読者に、報いることができたのかな……。







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